制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 221119 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:西村正太郎編,制御工学,森北出版(ISBN: 978-4-627-70600-6),およびプリント
担当教員 山崎 容次郎

到達目標

1.フィードバック制御と計測の概要,ラプラス変換の役割と伝達関数,ブロック線図について説明できる。
2.制御系のステップ応答特性が説明でき,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いた制御系の安定性が説明できる。
3.制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性,ナイキストの安定判別法が説明できる。
4.制御系の定常特性や各種特性の評価ができ,ゲイン調整法などを用いた簡単な制御系設計について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1フィードバック制御と計測の概要。伝達関数が説明でき,ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いた計算ができ,ブロック線図で制御系を表現でせる。フィードバック制御と計測の概要,ラプラス変換の役割と伝達関数,ブロック線図について説明できる。フィードバック制御と計測の概要,ラプラス変換の役割,伝達関数,ブロック線図が説明できない。
評価項目2制御系のステップ応答特性が説明でき,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて制御系の安定性が判別できる。制御系のステップ応答特性が説明でき,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いた制御系の安定性が説明できる。制御系のステップ応答特性や,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いた制御系の安定性が説明できない。
評価項目3制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性が説明でき,ナイキストの安定判別法により安定性が判断できる。制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性,ナイキストの安定判別法が説明できる。制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性,ナイキストの安定判別法が説明できない。
評価項目4制御系の定常特性や各種特性の評価ができ,ゲイン調整法などを用いて簡単なフィードバック制御系が設計できる。制御系の定常特性や各種特性の評価ができ,ゲイン調整法などを用いた簡単な制御系設計について説明できる。制御系の定常特性や各種特性の評価,ゲイン調整法などを用いた簡単な制御系設計が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「制御とは何か?」を理解し,制御系を伝達関数やブロック線図で表現でき,応答性や安定性について評価ができる能力を身につける。特に,基本要素のステップ応答や周波数応答,ベクトル軌跡などの基本的な特徴を理解するとともに,それら基本要素を含むシステムに対して簡単なフィードバック制御系が設計できる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
制御工学の基礎概念の理解のため古典制御理論に力点を置いて学ぶ。また,制御理論は各項目が相互に関連しているので,配布プリントなどの演習問題を自ら積極的に解いたり,機械工学実験Ⅱ(制御工学実験)を通して理解を深めていくことが望ましい。
注意点:
試験期ごとに,定期試験を70%,課題レポートを30%として評価し,総合成績60%以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御工学のガイダンス,フィードバック制御の基礎,システムの動特性の表現,伝達関数 制御工学,フィードバック制御の概念,伝達関数について説明できる。
2週 ラプラス変換と逆変換,ラプラス変換と逆変換の例(1タンクシステム,2タンクシステム) ラプラス変換と逆変換が説明でき,基礎的例題を計算することができる。
3週 比例要素,積分要素,1次遅れ要素,2次遅れ要素,むだ時間要素,微分要素 比例要素,積分要素,1次遅れ要素,2次遅れ要素,むだ時間要素,微分要素が説明できる。
4週 ブロック線図によるシステム構造の表現,直列結合,並列結合,FB結合,直結FB,等価変換,全システムの伝達関数 ブロック線図の作図法,等価変換,全システムの伝達関数が説明できる。
5週 過渡応答,インパルス応答,ステップ応答,基本要素のインディシャル応答1 インパルス応答,ステップ応答,インディシャルが説明でき,比例要素,積分要素の計算ができる。
6週 基本要素のインディシャル応答2(1次遅れ要素,2次遅れ要素) 1次遅れ要素,2次遅れ要素のインディシャル応答が説明できる。部分分数を用いて計算ができる。
7週 例題:直流サーボモータのステップ応答の調整,減衰係数,固有角周波数 例題:直流サーボモータのステップ応答を通じて,減衰係数と固有角周波数の説明ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 安定性,安定論の基礎,安定のための条件,ラウスの安定判別法とフルビッツの安定判別法 安定論,安定のための条件が説明できる。ラウスの安定判別法とフルビッツの安定判別法を用いて安定判別ができる。
10週 周波数応答と周波数伝達関数,ベクトル軌跡 周波数応答と周波数伝達関数の説明ができ,周波数伝達関数を求めることができる。制御系のベクトル軌跡を図示できる。
11週 ボード線図(比例要素,積分要素,1次遅れ要素,1次進み要素積,むだ時間要素,作図演習) 比例要素,積分要素,1次遅れ要素,1次進み要素積,むだ時間要素のボード線図が説明できる。
12週 ナイキストの安定判別法と安定度,ナイキスト軌跡の描き方,ボード線図による安定判別 ナイキストの安定判別法と安定度,ナイキスト軌跡の描き方が説明できる。ボード線図による安定判別ができる。
13週 伝達関数による制御系設計,定常特性の評価(定常位置偏差,定常速度偏差,定常加速度偏差) 伝達関数による制御系の設計法の概要が説明できる。定常特性に関する各種定常位置偏差について説明できる。
14週 過渡特性の評価,ゲイン余裕と位相余裕,共振ピーク周波数とピーク値,帯域幅 ステップ応答(過渡特性)の評価ができる。ゲイン余裕と位相余裕,共振ピーク周波数とピーク値,帯域幅が説明できる。
15週 制御系の設計法,サーボ系の設計法(ゲイン調整による方法) 制御系の設計法の概要,サーボ系におけるゲイン調整に方法が説明できる。
16週 サーボ系の設計法(位相遅れ要素による直列補償法),プロセス系の設計法,PID制御 サーボ系の位相遅れ要素による直列補償法と,プロセス系の設計法およびPID制御が説明できる。
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前1
自動制御の定義と種類を説明できる。4前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4前1
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前2
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前2
伝達関数を説明できる。4前4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前4
制御系の過渡特性について説明できる。4前5,前14
制御系の定常特性について説明できる。4前13
制御系の周波数特性について説明できる。4前10
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
評価項目10000000
評価項目20000000
評価項目30000000
評価項目40000000