応用数学Ⅲ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学Ⅲ
科目番号 221131 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 碓氷久ほか「はじめて学ぶベクトル空間」大日本図書,ISBN 978-4-477-03049-4,参考書:石村園子「改訂版 すぐわかる線形代数」東京図書,ISBN
担当教員 滝 康嘉,山崎 容次郎

到達目標

1.行列ベクトルの基礎的な演算ができ,階数を求めることができる。
2.線形空間の基底と次元を求めることができ,線形独立か従属か判断できる。
3.部分空間やその基底,正規直交基底を理解し,求めることができる。
4.線形写像や核空間,像空間,直交補空間を理解できる。
5.ロボットの基礎的な運動解析を理解できる。
6.数値解析ソフトで線形代数に関する処理ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1行列ベクトルの基礎的な演算ができ,階数を求めることができる。行列ベクトルの基礎的な演算がある程度でき,階数を理解できる。行列ベクトルの演算ができず,階数も求めることができない。
評価項目2線形空間の基底と次元を求めることができ,線形独立か従属か判断できる。線形独立か従属か判断することができ,線形空間の基底と次元を理解できる。線形空間の基底と次元を理解できず求めることができず,線形独立か従属か判断できない。
評価項目3部分空間やその基底,正規直交基底を理解し,求めることができる。部分空間やその基底,および正規直交基底について理解できる。部分空間やその基底,正規直交基底を理解できない。
評価項目4線形写像や核空間,像空間,直交補空間を理解し,求めることができる。線形写像や核空間,像空間,直交補空間を理解できる。線形写像や核空間,像空間,直交補空間を理解できない。
評価項目5ロボットの基礎的な運動解析を理解し,ある程度の解析ができる。ロボットの基礎的な運動解析を理解できる。ロボットの基礎的な運動解析を理解できない。
評価項目6数値解析ソフトを用いて線形代数に関するいくつかの処理ができる。数値解析ソフトにおける線形代数のいくつかの処理を理解できる。数値解析ソフトにおける線形代数の処理について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ビッグデータやAI,ロボットなどで,線形代数に基づいた処理が多く用いられている。本講義では特に線形空間について取り上げるが,抽象的な話だけでは理解が難しいため,ロボットの運動解析と合わせて解説する。これにより物理的なイメージを沸きやすくする。また,5年生で学ぶ計算力学や制御工学IIの基礎になるようにも配慮する。
授業の進め方・方法:
一つの授業で一つのトピックスを扱い,授業の後半は演習を通じて理解の定着を図る。また,手計算が難しい問題に対しては,行列演算に適したMATLABを用いた数値計算を取り入れる。手計算やMATLAB演習について,四半期ごとに4つ程度は課題として提出してもらい,評価にく加える。
注意点:
・必要に応じて演習室を使用します。授業場所が変更になる場合もあるので,注意して下さい。
・オフィスアワーは別途指示しますが,メールやTeamsのチャットでも質問を受け付けます。
・また,Teamsを介して講義資料や板書写真を公開し,必要に応じて解説動画も配信します。
・課題の提出や添削指導にもTeamsを活用する予定です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,ロボットの運動学 ロボットの基礎的な運動解析を理解できる。
2週 行列演算の復習 行列ベクトルの基礎的な演算ができる。
3週 線形空間,次元と階数 線形空間の次元と階数を求めることができる。
4週 線形独立と線形従属 線形空間が線形独立か従属か判断できる。
5週 基底と表現行列 線形空間の基底や表現行列を求められる。
6週 内積と正規直交基底 正規直交基底を計算できる。
7週 問題演習 線形独立や従属の判断,基底や表現行列の導出ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験の返却と解説,MATLAB演習 MATLABの基礎的な使用方法が理解できる。
10週 線形写像と部分空間 線形写像について理解できる。
11週 部分空間とその基底 部分空間の基底や次元を求めることができる。
12週 核空間,像空間 核空間や像空間の次元を解析できる。
13週 直交補空間 直交補空間の基底や次元を求めることができる。
14週 擬似逆行列,特異値分解 擬似逆行列や特異値分解を理解し,MATLABで処理できる。
15週 問題演習 線形写像や部分空間に関する問題を解くことができる。
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な連立方程式を解くことができる。3前2,前7,前10,前11,前12,前13,前15
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1,前7
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前2,前6,前7
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前15
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前2,前6,前7,前13,前15
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3前2,前5,前7,前10,前15
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前2,前5,前7,前10,前11,前15
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3前2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3前10,前11,前12,前15
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3前2,前5,前7,前15
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3前10,前14,前15
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前1,前7
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前1,前7
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前1,前7

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力501060
専門的能力301040
分野横断的能力000