流体力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 流体力学Ⅰ
科目番号 221136 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 福島 千晴ほか 流体力学の基礎と流体機械 ISBN978-4-320-08212-0 共立出版
担当教員 上代 良文

到達目標

1. 実在流体の持つ粘性と圧縮性が流体の運動に与える影響が理解できる。
2. 流れ場を支配する重要な無次元数(レイノルズ数、マッハ数など)が理解できる。
3. 完全流体の流れの説明とベクトル演算ができ,流れ場の方程式の意味を説明できる。
4. 簡単な流れを複素速度ポテンシャルを用いて表すことがき,流体力を計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1実在流体の持つ粘性と圧縮性が流体の運動に与える影響を説明できる粘性と圧縮性の意味を説明できる粘性と圧縮性の意味を説明できない
到達目標2レイノルズ数とマッハ数の計算ができ,対応する流れ場の特徴を説明できるレイノルズ数とマッハ数の計算ができるレイノルズ数とマッハ数の計算ができない
到達目標3完全流体の流れの説明とベクトル演算ができ,流れ場の方程式の意味を説明できるベクトル演算ができ,完全流体の方程式を書くことができるベクトル演算ができず,完全流体の方程式を書くことができない
到達目標4簡単な流れを複素速度ポテンシャルを用いて表すことがき,流体力を計算することができる複素速度ポテンシャルが与えられたとき,流体力を計算することができる複素速度ポテンシャルが与えられたとき,流体力を計算することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実在流体と完全流体の違いに基づき,流れの力学の基礎と応用とを理解する。
この科目は企業で流体機械の設計を担当していた教員が,その経験を活かし,
流体機械の種類,特性,設計手法について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義では流体力学の基礎式の誘導が中心となる。その物理的意味を理解するために演習問題をレポートとして課す。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いたガイダンスの後,1. 流体運動の基礎 (1)流体力学と数学的準備が理解できる
2週 1. 流体運動の基礎 つづき
3週 1. 流体運動の基礎 (2)流れの基礎(定常流と非定常流,円柱周りの流れパターンの変化とレイノルズ数,2次元流と3次元流,流線とはく離・遷移,内部流と外部流)を説明できる
4週 1. 流体運動の基礎 (3)流体運動の記述を理解し,加速度(実質微分)を計算できる
5週 1. 流体運動の基礎 (4)オイラーの運動方程式と連続の式を書くことができる
6週 1. 流体運動の基礎 (5)流体粒子の変形と回転を計算することができる
7週 中間試験 流体運動の基礎に関する出題
8週 2. 完全流体の運動 (1)運動方程式とベルヌーイの定理の関係を説明できる
2ndQ
9週 2. 完全流体の運動 (2)渦なし流れにおける速度ポテンシャルを計算できる
10週 2. 完全流体の運動 (3)流れ関数と速度ポテンシャルの関係を説明できる
11週 2. 完全流体の運動 (4)複素速度ポテンシャルから流速を計算できる
12週 2. 完全流体の運動 つづき
13週 2. 完全流体の運動 (5)ブラジウスの公式から流体力を計算できる
14週 2. 完全流体の運動 (6)渦運動と翼理論を理解できる
15週 2. 完全流体の運動 つづき
16週 期末試験 完全流体の運動に関する出題

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前1,前4,前6,前7
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4前2,前7
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4前2,前7
パスカルの原理を説明できる。4前3,前7
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4前3,前7
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4前4,前7
物体に作用する浮力を計算できる。4前4,前7
定常流と非定常流の違いを説明できる。4前5,前7
流線と流管の定義を説明できる。4前7
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前7
オイラーの運動方程式を説明できる。3前5,前7
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前5,前7
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前7
層流と乱流の違いを説明できる。4前8,前16
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4前9,前16
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4前10,前16
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4前11,前16
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3前12,前13,前16
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4前14,前16
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4前15,前16

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合90000100100
到達目標1250003028
到達目標2200002022
到達目標3250003028
到達目標4200002022