制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 242146 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:西村正太郎編,制御工学,森北出版(ISBN: 978-4-627-70600-6),およびプリント
担当教員 山崎 容次郎

到達目標

1.フィードバック制御の各要素,ラプラス変換と逆ラプラス変換の役割,伝達関数とブロック線図について説明できる。
2.制御系のステップ応答特性が説明でき,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いた制御系の安定性が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1フィードバック制御と伝達関数が説明でき,ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いた計算ができ,ブロック線図で制御系を表現でせる。フィードバック制御,ラプラス変換の役割と伝達関数,ブロック線図について説明できる。フィードバック制御とラプラス変換の役割,伝達関数,ブロック線図が説明できない。
評価項目2ステップ応答特性が計算でき,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて安定性が判別できる。ステップ応答特性や,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて安定性が説明できる。ステップ応答特性や,ラウス・フルビッツの安定判別法を用いた安定性判別が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「制御とは何か?」を理解し,制御系を伝達関数やブロック線図で表現できる能力を身につける。特に,基本要素のインディシャル応答やステップ応答の計算方法,基本的な制御系の安定性について理解するとともに,システムに対して時間領域における制御性の評価ができる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
制御工学の基礎概念の理解のため古典制御理論について,特に時間領域に対する制御性に関して学ぶ。また,制御理論は各項目が相互に関連しているので,配布プリントなどの演習問題を自ら積極的に解いたり,機械工学実験Ⅱ(制御工学実験)を通して理解を深めていくことが望ましい。
注意点:
試験期ごとに,定期試験を80%,課題レポートを10%,小テストを10%として評価し,総合成績60%以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御工学・計測制御のガイダンス,フィードバック制御の基礎と基本構成 制御工学・計測制御の概要,フィードバック制御の基礎を説明できる。
2週 システムの動特性の表現,伝達関数,1タンクシステム,2タンクシステム 伝達関数が説明でき,例題を通じて伝達関数の求め方が説明できる。
3週 ラプラス変換と逆変換,ラプラス変換と逆変換の例題演習 ラプラス変換と逆変換が説明でき,基礎的例題を計算することができる。
4週 比例要素,積分要素,1次遅れ要素とその標準形
比例要素,積分要素,1次遅れ要素とその標準形が説明できる。
5週 2次遅れ要素とその標準形,むだ時間要素,微分要素 2次遅れ要素とその標準形,むだ時間要素,微分要素が説明できる。
6週 ブロック線図によるシステム構造の表現,直列結合,並列結合,FB結合,直結FB ブロック線図の作図法が説明できる。
7週 ブロック線図の等価変換,全システムの伝達関数 ブロック線図の等価変換と全システムの伝達関数が説明できる。
8週 前期中間試験 制御工学の専門用語,ラプラス変換と逆変換,各要素,ブロック線図の書き方と等価変換の確認。
2ndQ
9週 過渡応答,インパルス応答,ステップ応答,基本要素のインディシャル応答1(比例要素,積分要素) インパルス応答,ステップ応答,インディシャルが説明でき,比例要素,積分要素の計算ができる。
10週 基本要素のインディシャル応答2(1次遅れ要素) 1次遅れ要素のインディシャル応答が説明できる。
11週 基本要素のインディシャル応答3(1次遅れ要素の続き)と部分分数とその一般的解法 部分分数を用いて,1次遅れ要素のインディシャル応答が計算できる。
12週 基本要素のインディシャル応答4(2次遅れ要素,特性方程式) 2次遅れ要素のインディシャル応答と特性方程式の説明できる。
13週 例題:直流サーボモータのステップ応答の調整,減衰係数,固有角周波数 例題:直流サーボモータのステップ応答を通じて,減衰係数と固有角周波数の説明ができる。
14週 安定性とその解析,安定論の基礎,安定のための条件 安定性の意味と基礎的理論,および安定のための条件が説明できる。
15週 ラウスの安定判別法とフルビッツの安定判別法,およびそれらの比較 ラウスの安定判別法とフルビッツの安定判別法を用いて安定判別ができる。
16週 前期期末試験 ステップ応答,インディシャル応答の計算と図示,ラウス・フルビッツの安定判別法の利用の確認。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前1
自動制御の定義と種類を説明できる。4前1,前2
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4前1,前2
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前2,前3,前4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前2,前3,前4
伝達関数を説明できる。4前2,前3,前4,前5
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前1,前6,前7
制御系の過渡特性について説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4前14,前15

評価割合

試験演習レポート小テスト合計
総合評価割合801010100
評価項目1405550
評価項目2405550