制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 242162 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:西村正太郎編,制御工学,森北出版(ISBN: 978-4-627-70600-6),およびプリント
担当教員 藤岡 玄紘

到達目標

1.制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性,ナイキストの安定判別法が説明できる。
2.制御系の定常特性や各種特性の評価ができ,ゲイン調整法などを用いた簡単な制御系設計について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性が説明でき,ナイキストの安定判別法により安定性が判断できる。制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性,ナイキストの安定判別法が説明できる。制御系のベクトル軌跡,ボード線図や周波数特性,ナイキストの安定判別法が説明できない。
評価項目2制御系の定常特性や各種特性の評価ができ,ゲイン調整法などを用いて簡単なフィードバック制御系が設計できる。制御系の定常特性や各種特性の評価ができ,ゲイン調整法などを用いた簡単な制御系設計について説明できる。制御系の定常特性や各種特性の評価,ゲイン調整法などを用いた簡単な制御系設計が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講では,制御工学Ⅰを修得した上で,ベクトル軌跡や主に周波数領域における周波数応答などの基本的な制御工学の項目を理解するように努める。さらに,制御系の基本要素を含むシステムに対して簡単なフィードバック制御系が設計できる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
制御工学Ⅰを少し振り返りながら,主に周波数領域における制御について学ぶ。制御理論は各項目が相互に関連しているので,配布プリントなどの演習問題や小テストを自ら積極的に解いたり,機械工学実験Ⅱ(制御工学実験)を通して理解を深めていくことが望ましい。
注意点:
試験期ごとに,定期試験を80%,課題レポートを10%,小テストを10%として評価し,総合成績60%以上を合格とする。
制御工学Ⅰを修得しているか,履修していることが受講要件となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,周波数応答と周波数伝達関数 周波数応答と周波数伝達関数の説明ができ,周波数伝達関数を求めることができる。
2週 ベクトル軌跡1(1次遅れ要素,2次遅れ要素) 1次遅れ要素と2次遅れ要素のベクトル軌跡を図示できる。
3週 ベクトル軌跡2(むだ時間要素),ボード線図1(積分要素,微分要素,作図演習) むだ時間要素のベクトル軌跡,積分要素と微分要素のボード線図を説明できる。
4週 ボード線図2(1次遅れ要素,1次進み要素積,むだ時間要素,作図演習) 1次遅れ要素,1次進み要素積,むだ時間要素のボード線図を説明できる。
5週 ボード線図3(1次遅れ要素+むだ時間要素,2次遅れ要素),共振周波数とピーク値 1次遅れ要素+むだ時間要素,2次遅れ要素のボード線図と,共振周波数とピーク値が説明できる。
6週 計測制御の概念と用語・単位,ナイキストの安定判別法と安定度 計測制御の概念と用語・単位,ナイキストの安定判別法と安定度を説明できる。
7週 ナイキスト軌跡の描き方,ボード線図による安定判別 ナイキスト軌跡の描き方が説明でき,ボード線図による安定判別ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 伝達関数による制御系の設計,FB制御の有意性,制御器の設計法の概要 伝達関数による制御系の設計,FB制御の有意性,制御器の設計法の概要が説明できる。
10週 制御系の設計仕様,定常特性の評価(定常位置偏差,定常速度偏差,定常加速度偏差) 定常特性に関する定常位置偏差,定常速度偏差,定常加速度偏差を説明できる。
11週 過渡特性の評価,ゲイン余裕と位相余裕,各偏差のまとめ ステップ応答に関して立ち上がり時間などの評価ができ,ゲイン余裕と位相余裕が説明できる。
12週 共振ピーク周波数とピーク値,帯域幅 2次遅れ要素に関して,共振ピーク周波数とピーク値,帯域幅が説明できる。
13週 2次系の過渡特性と周波数特性の関係 2次遅れ要素の標準形を基に,帯域幅,ピーク値,制定時間などの求め方が説明できる。
14週 制御系の設計法,サーボ系の設計法1(ゲイン調整による方法) 制御系の設計法の概要,サーボ系におけるゲイン調整に方法が説明できる。
15週 サーボ系の設計法2(位相遅れ要素による直列補償法),プロセス系の設計法,PID制御 サーボ系の位相遅れ要素による直列補償法と,プロセス系の設計法およびPID制御が説明できる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4後1,後9
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4後1,後9
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4後1,後2
伝達関数を説明できる。4後1,後2
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4後1,後2,後14
制御系の過渡特性について説明できる。4後1,後2,後14
制御系の定常特性について説明できる。4後10,後14,後15
制御系の周波数特性について説明できる。4後2,後3,後4,後5,後12,後13,後14,後15
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後6,後7

評価割合

試験演習レポート小テスト合計
総合評価割合801010100
到達目標1405550
到達目標2405550