電気情報基礎Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気情報基礎Ⅱ
科目番号 191208 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「例題で学ぶやさしい電気回路 直流編 新装版」,堀 浩雄著,森北出版伊原充博,他 著「ディジタル回路」コロナ社啓林館 : 物理
担当教員 山本 雅史,北村 大地,吉岡 崇

到達目標

1. 直流電気回路の基礎的な考え方や計算法を身につける。(回)
2.専門科目において多用される三角関数を,専門科目において活用できる基礎を作る。(回)
3.シフトレジスタやカウンタの基礎となる,複数のフリップフロップを組み合わせた回路のタイミングチャートを記述できる。(情)
4.電気・磁気的な物理現象についての基礎知識を身につける。(物)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
(回)直流回路各種回路定理等を用いて複雑な電気回路から回路方程式を立て,電流や電圧を求めることができる各種回路定理等を用いて電気回路から回路方程式を立て,電流や電圧を求めることができる各種回路定理等を用いて電気回路から回路方程式を立て,電流や電圧を求めることができない
(回)三角関数加法定理を用いて三角関数の応用問題が解ける加法定理を用いて三角関数の計算ができる加法定理を用いて三角関数の計算ができない
(情)2進数任意の基数で表現された数値の計算ができる基数変換,2の補数の計算ができる基数変換,2の補数の計算ができない
(物)電界と電位の理解電荷とクーロンの法則、電気力線、電位および電界の概念、静電誘導や静電遮蔽、コンデンサのしくみについて図・表等を用いて説明でき、各種法則を用いた計算およびその応用ができる。電荷とクーロンの法則、電気力線、電位および電界の概念、静電誘導や静電遮蔽、コンデンサのしくみについて説明でき、各種法則を用いた計算ができる。電荷とクーロンの法則、電気力線、電位および電界の概念、静電誘導や静電遮蔽、コンデンサのしくみについて説明できず、各種法則を用いた計算もできない。
(物)電流と磁界の理解磁石のつくる磁場、電流が作る磁場、磁場と電流の相互作用やローレンツ力について図等を用いて説明でき、電流の受ける力やローレンツ力の計算およびその応用ができる。磁石のつくる磁場、電流が作る磁場、磁場と電流の相互作用やローレンツ力について説明でき、電流の受ける力やローレンツ力の計算ができる。磁石のつくる磁場、電流が作る磁場、磁場と電流の相互作用やローレンツ力について説明できず、電流の受ける力やローレンツ力の計算もできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路:4年生以降に系統的に学習する専門基礎教科において必要となる数学や電気回路の基礎的な考え方や計算手法を学び,専門教科を学んでいく基礎を作る。
情報数学:計算機やディジタル回路技術分野の基礎知識となる,基数変換,補数表示,ブール代数,カルノー図などを学ぶ。
電気物理:高学年における電子工学、電磁気学、電子デバイスなどの科目を学ぶに当たって必要となる物理現象についての基礎知識を身につける。
授業の進め方・方法:
電気回路:講義によって各項目について説明を行い,必要に応じて例題を用いて解法についての説明を行う。その後,演習問題を課すので,各人がそれに取り組む。また,理解度を確認するために適宜小テストを行う。
情報数学:教科書に沿った講義に加え,プリント配布により重要事項の説明・演習を実施する。数学的な内容に限らず,応用を意識した内容も紹介していく。演習によってはアクティブラーニングを取り入れ,グループワークによる学びあいや相互採点を実施する。
電気物理:電磁現象の基礎的な内容について教科書に沿って講義を進める。また、理解を深めるために必要な演習等を行う。
注意点:
本科目では電気回路,情報数学,電気物理の各分野を学ぶ.
シラバスの一部において,各分野別の内容を,電気回路は(回),情報数学は(情),電気物理は(物)で示す.

電気回路:ここで学ぶ内容は,演習を十分に行うことにより理解が深められるので,修得のためには出された演習課題をすべてしっかりと解いておく必要がある。
情報数学:情報数学基礎では,特に2進数の補数に関する理論や計算法をよく知ること,論理思考能力を高めること,および論理関数の変形や簡単化ができることを目指すことから,特にこれらに関する部分は演習を多くし,補足的なプリント配布も行います。本科目を受けて3年次の「論理回路」に進みますので,その場しのぎの勉強ではなく,着実に力が身に付くような勉強を心掛けてください。
電気物理:目に見えない現象をいきなり数式を使ってイメージすることは難しいと思います.本講義では絵を描くことで理解を進める方法を通して、電気・磁気的な物理現象の考え方の基礎を身につけてもらいます。高学年での関連科目を学ぶ上での極めて重要となります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
(回)1.回路計算の基礎Ⅰ
(1) 直流回路と交流回路
(情)1.情報分野における基礎知識
 (1)計算機技術が社会に与える影響
(回)・直流と交流について説明できる。
(情)・計算機技術が社会に与える影響について説明できる。
2週 (回)(2) 電圧源と電流源
(情)2.数系理論
(1) 基数変換、2進数による数値表現
(回)・電圧源と電流源について説明できる
(情)・基数変換ができる。
3週 (回)(3) 抵抗とオームの法則
(情)計算問題
(回)・オームの法則を用いた計算ができる
(情)・基数変換の計算問題を解くことができる。
4週 (回)(4) キルヒホフの法則
(情)(1) 基数変換、2進数による数値表現
(回)・直流回路について,枝電流を未知数とした回路方程式を作成できる
(情)・小数を含む数値の基数変換ができる。
5週 (回)(4) キルヒホフの法則
(情)計算問題
(回)・回路方程式から電流を求めることができる
(情)・小数を含む数値の基数変換の計算問題を解くことができる。
6週 (回) (4)キルヒホフの法則
(情)(2) 2進数の加減算
(回)・解いた電流から,電圧や合成抵抗を求めることができる
(情)・2進数での加減算ができる。
7週 (回)小テスト
(情)(4) 計算演習
(回)・キルヒホフの法則を用いて任意の回路から電圧,電流を求めることができる
(情)
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却・解説
(回)(5) 網目方程式
(情)(3) 2進数での乗除算
(回)・網目電流を未知数とした網目方程式を作成できる
(情)・2進数での乗除算ができる。
10週 (回)(5) 網目方程式
(情)計算演習
(回)・網目方程式から電流を求めることができる
(情)・2進数での乗除算の計算問題を解くことができる。
11週 (回)(5) 網目方程式
(情)3.論理演算
(1) ベン図による集合表現
(2) ブール代数の基本則とそれを使った演算
(回)・電流源を含む回路において網目方程式を作成できる
(情)・論理関数の表す集合領域をベン図で表せる。
論理関数をブール代数の基本則を用いて変形でき,与えられた証明問題を解くことができる。
12週 (回)(5) 網目方程式
(情)(2) ブール代数の基本則とそれを使った演算
(情)・複雑な回路において網目方程式を作成できる
(情)・論理関数をブール代数の基本則を用いて変形でき,与えられた証明問題を解くことができる。
13週 (回)(6) ブリッジ回路
(情)論理演算演習
(回)・ブリッジ回路の平衡条件を説明できる
(情)・ブール代数を用いた論理式の簡単化の問題を解くことができる。
14週 (回)(6) ブリッジ回路
(情)論理演算演習
(情)・ブリッジの平衡条件を用いて回路の抵抗等を求めることができる
(情)・ブール代数を用いた論理式の簡単化の問題を解くことができる。
15週 (回)小テスト
(情)総合演習
(回)・網目電流を用いて任意の回路から電圧,電流を求めることができる
16週 前期末試験
試験返却・解説
後期
3rdQ
1週 (回)2.回路計算の基礎Ⅱ
(1) 重ね合わせの定理
(物)ガイダンス
・電界と電位(静電気)
 p. 220~224
(回)・重ね合わせの定理について説明できる
(物)・ 電荷とクーロンの法則を理解し、クーロンの法則を用いた計算ができる。
2週 (回)(1) 重ね合わせの定理
(物)・電界と電位(電界)
 p. 225~229
(回)・重ね合わせの定理を用いて,電流や電圧を求めることができる
(物)・ 電場の概念を理解し、点電荷によりつくられる電場の計算ができる。
・ 電気力線について理解し、およその概形を描くことができる。
3週 (回)(2) 等価電源回路
(物)・電界と電位(電界)
・電界と電位(電位)
 p. 230~236
(回)・テブナン,ノートンの等価回路に置き換えることができる
(物)・ 電場の概念を理解し、点電荷によりつくられる電場の計算ができる。
・ 電気力線について理解し、およその概形を描くことができる。
・ 電位および電位と電界の関係について理解し、簡単な計算ができる。
4週 (回)(2) 等価電源回路
(物)・電界と電位(電位)
 p. 236~243
(回)・テブナン,ノートンの等価回路に置き換え,電圧や電流を求めることができる
(物)・ 電位および電位と電界の関係について理解し、簡単な計算ができる。
・ 静電誘導や静電遮蔽について説明することができる。
5週 (回)(2) 等価電源回路
(物)・電界と電位(コンデンサ)
 p. 244~249
(回)・複数の電源が含まれる回路をテブナン,ノートンの等価回路に置き換えることができる
(物)・ コンデンサのしくみを理解し、コンデンサについての簡単な計算ができる。
6週 (回)(3) 直流の電力と電力量
(物)・電界と電位(コンデンサ)
 p. 249~253
(回)・抵抗で消費される電力の計算ができる。
(物)・ コンデンサのしくみを理解し、コンデンサについての簡単な計算ができる。
7週 (回)小テスト
(物)・電界と電位(章末問題)
 p. 254~255
(回)・重ね合わせの定理や等価電源回路を用いて任意の回路の電圧や電流,消費電力を求めることができる
(物)・ 電荷とクーロンの法則を理解し、クーロンの法則を用いた計算ができる。
・ 電場の概念を理解し、点電荷によりつくられる電場の計算ができる。
・ 電気力線について理解し、およその概形を描くことができる。
・ 電位および電位と電界の関係について理解し、簡単な計算ができる。
・ 静電誘導や静電遮蔽について説明することができる。
・ コンデンサのしくみを理解し、コンデンサについての簡単な計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・解説
(回)(4)Δ-Y変換
(物)・電流と磁界(磁気力と磁界)
 p. 279~281
(回)・Δ-Y変換ができる
(物)・ 磁石のつくる磁場について説明することができる。
10週 (回)(4)Δ-Y変換
(物)・電流と磁界(電流がつくる磁界)
 p. 282~285
(回)・Y-Δ変換ができる
(物)・ 磁石のつくる磁場について説明することができる。
・ 電流が作る磁場について説明することができる。
11週 (回)3.三角関数
(1) 三角関数とグラフ
(物)・電流と磁界(電流が磁界から受ける力)
 p. 286~289
(回)・三角関数に関する考え方を身につけ,基礎的な問題を考えて解くことができる
(物)・ 電流が作る磁場について説明することができる。
12週 (回)(1) 三角関数とグラフ
(物)・電流と磁界(電流が磁界から受ける力)
 p. 289~292
(回)・様々な三角関数のグラフを描くことができる
(物)・ 電流が作る磁場について説明することができる。
13週 (回)(2) 三角関数に関する種々の問題
(物)・電流と磁界(ローレンツ力)
 p. 293~295
(回)・三角関数が含まれる方程式,不等式を解くことができる
(物)・ 磁場と電流の相互作用やローレンツ力を理解し、電流の受ける力やローレンツ力の計算ができる。
14週 (回)(2) 三角関数に関する種々の問題
(物)・電流と磁界(ローレンツ力)
 p. 296~298
(回)・三角関数に関する応用問題を考えて解くことができる
(物)・ 磁場と電流の相互作用やローレンツ力を理解し、電流の受ける力やローレンツ力の計算ができる。
15週 (回)小テスト
(物)・電流と磁界(章末問題)
 p. 299~299
(回)
(物)・ 磁石のつくる磁場について説明することができる。
・ 電流が作る磁場について説明することができる。
・ 磁場と電流の相互作用やローレンツ力を理解し、電流の受ける力やローレンツ力の計算ができる。
16週 後期末試験
試験返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト演習合計
総合評価割合85105100
電気回路3510550
情報数学250025
電気物理250025