電子工学基礎

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子工学基礎
科目番号 191210 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:総合物理2 (啓林館)
担当教員 山本 雅史,鹿間 共一

到達目標

・静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
・自由電子運動の基礎を理解するうえで重要となる気体分子の運動についてて理解する。
・エレクトロニクスの基礎知識の理解と電子の振る舞いやバンド図についての基礎的な理解に基づいて,半導体や電子デバイスの原理や動作などについて理解するとともに、これから学習するエレクトロニクス科目の基礎知識を身に着ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
電界・電位および磁界・電磁力の基礎静電気、電界、電位、コンデンサ、磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力を図等を用いて説明でき、それらに関する応用問題を解くことができる。静電気、電界、電位、コンデンサ、磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。静電気、電界、電位、コンデンサ、磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージできず、それらに関する問題を解くこともできない。
気体の分子運動と気体の性質気体の分子運動という観点から気体の特性について理解し説明することが出来るとともに知識を応用して種々の問題が解ける気体の分子運動という観点から気体の特性について理解し説明することが出来る気体の分子運動という観点から気体の特性について理解し説明することが出来ない
半導体の特性と半導体を用いたデバイス半導体および半導体素子の原理をバンド図を基に説明できるとともに、新しい素子についてもこの知識を基に理解することが出来る半導体および半導体素子の原理をバンド図を基に説明できる半導体および半導体素子の原理をバンド図を基に説明できない
半導体デバイスの利用半導体素子を使った応用回路の原理につて自ら理解していける能力を持っている半導体素子を使った簡単な応用回路の原理につて説明できる半導体素子を使った簡単な応用回路の原理につて説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子工学(エレクトロニクス)を勉強していくために必要となる基礎的概念について、定性的に理解を深め今後エレクトロニクスを学んでゆくための基礎知識や電気・電子回路、電磁気学を学ぶ上で必要な自然科学の基礎能力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
講義または演習形式で実施する。教科書の内容を中心とし,板書をしながら講義を進めていく。特に半導体に関する項目については教科書にない内容を大幅に追加して講義する。演習では,教科書の設問や例題、章末問題および配布プリント等を用いる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ガイダンス
2.電界と電位
・静電気、電界、電位、コンデンサに関する演習
静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
2週 2.電界と電位
・静電気、電界、電位、コンデンサに関する演習
静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
3週 2.電界と電位
・静電気、電界、電位、コンデンサに関する演習
静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
4週 3.電流と磁界
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力に関する演習
磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
5週 3.電流と磁界
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力に関する演習
磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
6週 3.電流と磁界
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力に関する演習
磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
7週 前期中間試験
8週 物質の3態変化、気体分子の熱運動、気体の圧力 物質の熱運動について理解し、3態における運動状態の違いを説明することが出来る。
2ndQ
9週 ボイルの法則、シャルルの法則、理想気体の状態方程式 気体における状態方程式を熱運動と絡めて説明することが出来る。
10週 気体分子の運動と圧力 気体分子の運動を用いて圧力の式の導出ができる。
11週 気体の内部エネルギー、気体のする仕事 気体のする仕事について導出することが出来る。
12週 熱力学の第1法則、気体の状態変化(1) 気体の状態変化について式を用いて計算できる。
13週 気体の状態変化(2) 気体の状態変化について式を用いて計算できる
14週 粒子性と波動性(散乱・回折・干渉、薄膜干渉) 光や電子の2重性について理解し、それらの性質による現象を説明することができる。
15週 原子モデルとスペクトル 原子の構造や放電現象について説明することが出来る。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 電界と磁界中で電子が受ける力
トムソンの実験、ミリカンの実験、
・電界、磁界中の電子が受ける力を計算することが出来る。
・実験式を導出することが出来る。
2週 光電子放出、光電効果の特性、光の粒子性 光電子放出について説明できるとともに、光の2重性の概念について説明できる。
3週 エレクトロンボルト、X線、バンド構造の形成 ・電子ボルトやX線について説明することが出来る。
・なぜバンド構造が形成されるか説明することが出来る。
4週 導体、絶縁体、半導体のバンド構造、 材料の違いによりバンド構造が異なり、バンド構造の違いによりどのように電気伝導度の違いが出てくるか説明することが出来る。
5週 フェルミ分布、真性半導体、n/p型半導体、 ・フェルミ分布について説明することが出来る。
・真性半導体についてその特徴が説明できるとともに、正孔の概念についても説明することが出来る。
・n形、p形半導体のバンド構造とそのようなバンド構造になる理由を説明することが出来る。
6週 拡散とドリフト、電流密度と移動度、 ・電気伝導のメカニズムについて説明することが出来る。
・固体中の電量密度を移動度を用いて表すことが出来る。
7週 電気抵抗、ダイオードの構造、pn接合のバンド構造 ・導電率から抵抗値を求めることが出来る
・p型半導体とn型半導体を接合したときのバンド図について説明することが出来る
8週 後期中間試験
4thQ
9週 電子デバイス(ダイオード)
 順方向電圧とバンド構造
・順方向電圧を加えた時のバンド図の変化を説明することが出来る。
・順方向電流が流れることを説明できる。
10週 電子デバイス(ダイオード)
 逆方向電圧とバンド構造
 電圧-電流特性
・逆方向電圧を加えた時のバンド図の変化を説明することが出来る。
・逆方向電流が流れることを説明できる。
・ダイオードの電圧-電流特性について説明でき、簡単なダイオードを含む回路の解析ができる。
11週 電子デバイス(LED、CdS、太陽電池) LED、CdS、太陽電池の特性について説明できる。
12週 電子デバイス(トランジスタ、サイリスタ) トランジスタ、サイリスタの特性について説明でき、簡単なダイオードを含む回路の解析ができる。
13週 電子デバイス(FET) FETの特性について説明でき、簡単なダイオードを含む回路の解析ができる。
14週 電子デバイス(ゼーベック素子、ペルチェ素子、ホール素子、ピエゾ素子) ゼーベック素子、ペルチェ素子、ホール素子、ピエゾ素子について説明できる。
15週 デバイス製造プロセス 一般的なリソグラフィープロセスについて説明できる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
電界・電位および磁界・電磁力の基礎250000025
気体の分子運動の基礎250000025
半導体物理の基礎250000025
半導体デバイスの基礎250000025