国語Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 国語Ⅰ
科目番号 201001 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:改訂版高等学校国語総合 数件出版 坪内稔典他(ISBN978-4-410-85102-5)/基礎からの国語表現の実践 2訂版 京都書房 樺島忠夫・佐竹秀雄共著(ISBN978-4-7637-4104-2) その他:改訂版高等学校国語総合準拠ワーク 数件出版(ISBN978-4-410-34123-6)/級別漢字学習4級~2級(改定常用漢字表対応版)とうほう/トータルサポート新国語便覧 大修館(ISBN978-4-469-32228-6) 
担当教員 坂本 具償,野口 尚志

到達目標

1.論理的な文章では,その構成や展開を捉え,その論旨をまとめることができる。また文学的文章では,その展開に即して登場人物の心情を捉え,その主題をまとめることができる。
2.日本語表現に関する基礎的知識を習得し,正しく適切な日本語で表現することができる。
3.古文の文法的な基礎知識を習得し,現代の日本の言語文化との関わりを説明できる。
4.常用漢字の音訓を正しく使い,主な常用漢字を書くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理的な文章では,その構成や展開を的確に捉え,その論旨を指定された文字数に応じてまとめることができる。また文学的文章では,その展開に即して登場人物の心情を深く読み取って捉え,その主題を指定された文字数に応じてまとめることができる。論理的な文章では,その構成や展開を捉え,その論旨をまとめることができる。また文学的文章では,その展開に即して登場人物の心情を捉え,その主題をまとめることができる。論理的な文章では,その構成や展開を捉えられず,その論旨をまとめることができない。また文学的文章では,その展開に即して登場人物の心情を捉えられず,その主題をまとめることができない。
評価項目2日本語表現に関する基礎的知識を習得し,説得力のある正しく適切な日本語で表現することができる。 日本語表現に関する基礎的知識を習得し,正しく適切な日本語で表現することができる。 日本語表現に関する基礎的知識を習得せず,正しく適切な日本語で表現することができない。
評価項目3古文の文法的な基礎知識を習得し,現代の日本の言語文化との関わりや日本の歴史に与えた影響を説明できる。古文の文法的な基礎知識を習得し,現代の日本の言語文化との関わりを説明できる。古文の文法的な基礎知識を習得せず,現代の日本の言語文化との関わりを説明できない。
評価項目4常用漢字の音訓を正しく使い,全ての常用漢字を書くことができる。常用漢字の音訓を正しく使い,主な常用漢字を書くことができる。常用漢字の音訓を正しく使えず,主な常用漢字を書くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
論理的な文章,文学的な文章,古文漢文などそれぞれにその読解のための方法は異なる。国語Ⅰでは,その読解の基礎を身につけることを目的とし,以下の目標を掲げる。
1.論理的な文章では,その構成や展開を捉え,その論旨をまとめることができる。また文学的文章では,その展開に即して登場人物の心情を捉え,その主題をまとめることができる。
2.日本語表現に関する基礎的知識を習得し,正しく適切な日本語で表現することができる。
3.古文の文法的な基礎知識を習得し,現代の日本の言語文化との関わりを説明できる。
4.常用漢字の音訓を正しく使い,主な常用漢字を書くことができる。
授業の進め方・方法:
講義形式を基本とし,国語表現では演習も取り入れる。予習・復習に努めてほしい。原則として週1回漢字小テストを実施する。適宜,読書の時間を設ける。意見を書いたり,発表したりしてもらうこともある。
注意点:
1.成績評価の内訳は,漢字小テストの成績を10%,提出物を15%,定期試験を75%とする。
2.学年総合成績は,前期総合成績と後期総合成績の平均点とする。
3.単位追認試験,再試験は適切な時期に実施する。
3,オフィスアワーは月曜日放課後とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 全体ガイダンス
・授業の進め方を知る・
・文学作品を読む方法の多様性を知る。
2週 現代文:評論「ものとことば」 ・全体の構成を捉えることができる。
・記号論の基礎を知る。
3週 現代文:評論「ものとことば」 言語が認識をもたらすことを理解する。
4週 現代文:評論「〈性〉と日本語」(中村桃子)
言語が概念を構築することを理解する。

5週 現代文:評論「〈性〉と日本語」(中村桃子) ジェンダー論的観点から、日常の言語の使い方を分析できる。
6週 現代文:評論「コインは円形か」
「レトリック」についての概要を知る。
7週 現代文:評論「コインは円形か」 ・比喩の分類について知る。
・言葉による「異化」の性質について知る。
8週 評論:「物語の文法」(大塚英志) 多くの物語に共通する構造を捉えることができる。
2ndQ
9週 評論:「物語の文法」(大塚英志) 具体的な物語から、物語の構造を捉えることができる。
10週 現代文:「羅生門」 ・通読することができる。
・語り手の性質を捉えることができる。
11週 現代文:「羅生門」 作品の構造を捉えることができる。
12週 現代文:「羅生門」 作品の構造を踏まえ、作中の表現の意味について考えを述べることができる。
13週 現代文:「羅生門」 末尾について,作品の構成と作者の改稿過程をふまえつつ解釈することができる。
14週 古文:「なよ竹のかぐや姫」(竹取物語) ・全体を音読できる。
・古文単語の意味を理解しながら内容を捉えることができる。
15週 古文:「なよ竹のかぐや姫」(竹取物語) 「竹取物語」全体の構成と冒頭部分の関係を理解する。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 国語表現:「文を短くする」「的確に伝えるために」 ・一つの話題を一つの文で書くことができる。
・長文を複数の短文に分けて書き換えることができる。
2週 国語表現:「文体について意識する」「文の役割を知る」 ・曖昧な表現や話し言葉、俗語を用いずに文章を書くことができる。
・文を役割ごとに分類できる。
3週 国語表現:「要約のコツ」 ・長文の要点を的確に指摘し、短文に書き改めることができる。
4週 古文:「春はあけぼの」「近うて遠きもの、遠くて近きもの」「雪のいと高う降りたるを」(枕草子) ・日本三大随筆の一つとして「枕草子」の基本事項を知る。
・文体の特性を捉えることができる。
5週 古文:「春はあけぼの」「近うて遠きもの、遠くて近きもの」「雪のいと高う降りたるを」(枕草子) 現代語訳に直し,筆者の考えを捉え,それを的確に説明することができる。
6週 漢文:唐詩「静夜思」「月夜」
・書き下すことができる。
・現代語訳し,内容を捉えることができる。
7週 漢文:唐詩「八月十五日夜、禁中独直、対月憶元九」 ・書き下して現代語訳し,内容を捉えることができる。
・詩による「月」のイメージの違いを説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却
古文:「木曽の最期」(平家物語)
作品の時代背景や文体の特徴を捉えることができる。
10週 古文:「木曽の最期」(平家物語) 古文単語を理解し、文章のリズムを味わいながら読み、内容を捉えることができる。
11週 現代文:評論「ネットが崩す公私の境」(黒崎政男)
全体の構成を捉えることができる。
12週 現代文:評論「ネットが崩す公私の境」(黒崎政男)
論旨を理解したうえで、自分の意見をまとめることができる。
13週 現代文:小説「沖縄の手記から」 ・作品の時代背景を理解できる。
・全体の構成を捉えることができる。
14週 現代文:小説「沖縄の手記から」 主人公の心情を表現に即して読み取ることができ,各場面で説明できる。
15週 現代文:小説「沖縄の手記から」 主人公の心情がどのように変化したのかを表現に即して,まとめることができる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。2
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。2
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。2
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。1
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。1
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。2
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。2
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。2
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。2
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。2
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。2
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。2
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。2
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。2

評価割合

試験提出漢字小テスト合計
総合評価割合751510100
評価項目1457052
評価項目2154019
評価項目3154019
評価項目4001010