電子デバイス

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子デバイス
科目番号 211237 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:古川清二郎他 電子デバイス工学 森北出版
担当教員 鹿間 共一

到達目標

半導体を定量的に取り扱うための基礎を身につける。それとともに、各種電子デバイスの動作について理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
半導体の特性半導体のキャリアを計算するための基本式を導出し、この式を用いて半導体のきゃるや密度の変化を説明することが出来る。半導体のキャリアを計算するための基本式について説明することが出来る。半導体のキャリアを計算するための基本式について説明することが出来ない。
PN接合の特性ダイオードの電圧電流特性を求めるための基本式を導出し、それを用いてダイオードの動作を説明できる。式を用いてダイオードの動作について説明することが出来る。式を用いてダイオードの動作について説明することが出来ない。
トランジスタートランジスタの動作をベース領域のキャリヤ分布から説明でき、トランジスタの動作パラメータを算出できる。トランジスタの動作をベース領域のキャリヤ分布から説明できる。トランジスタの動作をベース領域のキャリヤ分布から説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体を定量的に取り扱うための基礎内容を講義したのち、ダイオードの動作原理と定量的取り扱いについて講義を行い、それにより定量的取り扱いの基礎を身につける。
それとともに、各種電子デバイス(バイポーラトランジスタやMOSトランジスタ)の動作について理解を深める。
本科目は企業でデバイスの開発を担当していた教員がその経験を活かし,最新の電子デバイスの話題も含んだ授業内容を講義形式で実施するものである。
授業の進め方・方法:
テキストに沿って各学習内容についてPowerPoint等を使い解説してゆく,またテキスト等で不十分な項目や内容については適宜補った説明を行う。教室での学習後,ノート,テキストや参考図書などで授業の復習を行い,その内容をレポートとして提出すること。復習により出てきた疑問点は,次の授業時間等に質問すること。
注意点:
復習のためのプリントを作成する際には、授業内容を自分なりに理解してその内容を自分の言葉で整理して書くように心がけてください。また、その際に出た疑問は、周りの学生と議論したり担当教員に質問して解決するように心がけてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・真性半導体と不純物半導体
真性半導体と不純物半導体についてエネルギーバンド図を理解したうえで記述できる。
2週 ・キャリヤ密度とフェルミ準位
・真性キャリヤ密度
キャリヤ密度を計算するための基礎的原理を理解し説明できる。
3週 ・不純物半導体のキャリヤ密度
・キャリヤの伝導機構(ドリフト)
・ドリフト
不純物半導体のキャリヤ密度が計算できる。
ドリフト電流を計算式を導出できる。
4週 ・キャリヤの伝導機構(拡散)
・キャリヤの生成と消滅
拡散電流の導出式が説明できる。
キャリヤの生成・消滅によりどのようにキャリヤ密度が変化するか式で説明できる。
5週 ・キャリヤ連続の式 キャリヤ連続の式について説明できる。
6週 ・pn接合のバンド図
・順方向電圧とキャリヤの注入
ダイオードの電流-電圧特性を示す式が導出できる。
7週 ・pn接合におけるキャリヤ分布と電流分布
・逆方向バイアス電圧とキャリヤの挙動
ダイオードの電流-電圧特性を示す式が導出できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 ・試験解説
・pn接合の空間電荷(1)
空間電荷層の電界、電位を導出することが出来る。
10週 ・pn接合の空間電荷(2) 空間電荷層の電界、電位を導出することが出来る。
11週 ・接合容量 接合容量の式を導出することが出来る。
12週 ・バイポーラトランジスターの動作原理と特性 トランジスターの動作について、ベース領域のキャリヤ分布を基に説明することが出来る。
13週 ・バイポーラトランジスターの注入効率・ベース輸送効率・電流増幅率 左記の各パラメータを導出することが出来る。
14週 ・MOSダイオード MOSダイオードの3つの界面状態について説明することが出来る。
15週 ・MOSFET MOSFETの動作と特性について説明することが出来る。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前1,前2,前3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前1,前2,前3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前3,前6,前7
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4前12,前13
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4前14,前15

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
半導体の特性3030
ダイオード4040
トランジスタ3030