回路設計(電子設計)

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 回路設計(電子設計)
科目番号 221226 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 設計のための基礎電子回路 森北出版 著者:辻正敏,プリント
担当教員 辻 正敏,北村 大地

到達目標

4年,5年前期までに修得した各専門科目や実験の知識をもとに,実際のアナログ電子機器を製作する。前期では赤外線センサ,後期ではアラーム回路の制作を行う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1 製作能力独自で考えた回路を製作することができる。回路図より作品を完成し,正しく動作させることができる。回路図より作品を完成し,正しく動作させることができない。
評価項目2 表現力レポートや発表で,測定データを作品を分かりやすくまとめ,紹介できる。レポートや発表で,測定データをまとめ,作品を紹介できる。レポートや発表で,測定データをまとめ,作品を紹介できない。
評価項目3 設計能力製作で使われた技術や回路の動作を自分で設計できる。製作で使われた技術や回路の動作を理解できる。製作で使われた技術や回路の動作を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまで座学で学んだ回路設計の理論を実際のものづくりに活用して,設計能力を養う。さらに,設計を通して社会における技術の必要性を理解し,技術者としての心構えを形成する。また,設計・製作する中で,意見交換,討議を重ねることによりコミュニケーション能力を高める。
授業の進め方・方法:
3~4人のグループに分かれて,各自で個々の試作品を完成させる。授業の始めに回路の復習を行い,その後はグループ活動とする。
注意点:
電子回路Ⅰ,電子回路Ⅱで学習した知識が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
電源回路の製作
電源回路の完成
2週 三端子レギュレタ解説
電源回路とアンプ部の組み立て
アンプ回路40%
3週 焦電素子と赤外線の解説  
アンプ部の組み立て        
アンプ回路80%
4週 単電源オペアンプの解説
アンプ部の組み立て
アンプ回路完成&動作確認
5週 トリガ回路の解説
ウインドコンパレータの製作
トリガ回路40%
6週 プローブの解説
タイマー回路の製作
トリガ回路80%
7週 駆動回路の解説
駆動回路製作
トリガ回路完成&動作確認
8週 オペアンプ周波数特性の解説
周波数特性のシミュレーション
シミュレーターで,周波数特性を出力する
2ndQ
9週 周波数特性の測定を解説
回路修正と周波数特性の測定
周波数特性を測定する
10週 外部機器の駆動について解説
警告灯の駆動
警告灯をリレーで駆動し,独自の駆動装置を考える。
11週 コンテストのルール,レポートについて説明
赤外線システムの製作
システムを完成させる
12週 システムの改良 独自のシステムを考案し,製作する
13週 システムの改良 独自のシステムを考案し,製作する
14週 システムの改良 独自のシステムを考案し,製作する
15週 コンテスト
16週 期末試験 
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス
1.4kHzのパルス発振回路の製作と測定
パルス発振回路を完成させる
2週 パルス発振回路回路のしくみを解説
3Hzパルス回路の設計、製作。
アラーム回路を完成させる
3週 アラーム回路のしくみを解説
各部の波形を測定
アラーム回路を測定する。
完成した班は,B級パワーアンプの資料をもらえる。
4週 B級パワーアンプの解説
パワーアンプのシミュレーション
設計したB級パワーアンプをシミュレータで確認する。
5週 圧電スピーカーとダイナミックスピーカの解説
パワーアンプの回路製作    
パワーアンプの回路50%完成
6週 トランジスタの検査方法の解説
入出力波形の測定
スイッチとボリューム回路製作
パワーアンプの回路50%完成回路を100%完成
7週 振幅変調回路の仕様書配布
発振回路の解説
発振回路の製作
発振回路を完成させる
8週 振幅変調回路の解説
振幅変調回路の製作
振幅変調回路を40%完成
4thQ
9週 共振回路のしくみとIFTの調整方法について解説
振幅変調回路の製作
振幅変調回路を80%完成
10週 改良について説明
振幅変調回路の製作
振幅変調回路を完成
11週 レポート&発表について説明
改良する
改良案を考える
12週 アンテナ,バイパスコンデンサの解説
改良する
改良を40%完了させる
13週 改良する
改良を80%完了させる
14週 改良する
発表準備
改良を完了させる
15週 作品発表
16週 期末試験 

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3前1,前2
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3前2
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3前2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3前2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3前2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3前2
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3前5
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3前5
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3前5
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3前7
電力量の測定原理を説明できる。3前7
オシロスコープの動作原理を説明できる。3前8
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前8
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前8
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3前6
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3前6
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3前8
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3前3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3前7
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3前7
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3前7
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3前7
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3前7
共振について、実験結果を考察できる。3後9
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3前4
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3後2
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3前2
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後6
ディジタルICの使用方法を習得する。3後2
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3後13
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3後13
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3後13
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3後13
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3後13
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3後2
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3後2
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3後2
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。3後10
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。3後10
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3後10

評価割合

試験発表相互評価作品レポート合計
総合評価割合205105510100
専門的能力2000401070
創造的能力051015030