到達目標
多くの授業では,代表的な問題を解析的に解いている。しかし,電気・電子・情報工学における具体的な現象を考える場合,難解な数学を扱い解析的に解くのが困難なことが多い。本科目では,コンピュータシミュレーションにより問題を解くための様々な手法を紹介し,シミュレーションに必要な基本的な考え方を理解しながら,応用力を高めることを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
数学的な理解 | 授業内容に関して,各種のコンピュータシミュレーションの原理を確実に説明でき,かつ筆記で簡単な計算ができる。 | 授業内容に関して,各種のコンピュータシミュレーションの原理を説明でき,筆記で簡単な計算ができる。 | 授業内容に関して,各種のコンピュータシミュレーションの原理を説明できない。筆記で簡単な計算ができない。 |
数値解析的な実践 | 授業内容に関して,各種のコンピュータシミュレーションをC言語やエクセルで正しく計算できる。 | 授業内容に関して,各種のコンピュータシミュレーションをC言語やエクセルで計算できる。 | 授業内容に関して,各種のコンピュータシミュレーションをC言語やエクセルで計算できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
多くの授業では,代表的な問題を解析的に解いている。しかし,電気・電子・情報工学における具体的な現象を考える場合,難解な数学を扱い解析的に解くのが困難なことが多い。本科目では,コンピュータシミュレーションにより問題を解くための様々な手法を紹介し,シミュレーションに必要な基本的な考え方を理解しながら,応用力を高めることを目標とする。連続系シミュレーションと離散系シミュレーションの両方について概説する。
授業の進め方・方法:
各種コンピュータシミュレーションの原理やアルゴリズムを説明した後,エクセルやC言語によるプログラミングを用いて実習し,その挙動を確認する。主要なシミュレーションについてレポート課題を出題する。
注意点:
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1.ガイダンス 2.コンピュータシミュレーションの概要 |
コンピュータシミュレーションの概要、用途を説明できる。
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2週 |
3.数値シミュレーションと誤差 4.非線形方程式の解法 線形反復法,ニュートン法 |
数値シミュレーションにおいて生じる誤差を説明できる。 線形反復法やニュートン法の原理を説明でき,非線形方程式の解を数値的に計算できる。
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3週 |
5.連立1次方程式 基礎,ガウスの消去法 |
ガウスの消去法について原理を説明でき,連立1次方程式を数値的に計算できる。
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4週 |
5.連立1次方程式 反復法(線形反復法,ガウスザイデル法) |
反復法について原理を説明でき,ガウスの消去法との違いを説明できる。
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5週 |
6.補間と近似 ラグランジュ多項式 |
ガウスの消去法について原理を説明でき,数値的に計算できる。
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6週 |
6.補間と近似 ラグランジュ多項式 |
最小二乗近似を説明でき,離散データから近似方程式を求めることができる。
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7週 |
7.数値微分と数値積分 |
数値微分と数値積分の原理を説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
返却、解説 8.常微分方程式 オイラー法 |
常微分方程式を数値的に計算できる。
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10週 |
9.セルオートマトンを使ったシミュレーション セルオートマトンの原理 ライフゲーム |
セルオートマトンの原理を説明できる。 セルオートマトンを使ったシミュレーションの原理を説明できる。
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11週 |
10.乱数を使った確率的シミュレーション 疑似乱数 |
疑似乱数の特徴と生成アルゴリズムを説明できる。
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12週 |
10.乱数を使った確率的シミュレーション 乱数を用いた数値積分 |
乱数を用いた数値積分について原理を説明でき積分値を計算できる。
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13週 |
10.乱数を使った確率的シミュレーション 乱数と最適化 |
乱数を用いた最適化の原理を説明でき最適化問題を解くことができる。
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14週 |
11.待ち行列シミュレーション |
待ち行列モデルについて説明できる。 待ち行列シミュレーションの原理を説明できる。
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15週 |
12.復習、まとめ |
オイラー法を用いて常微分方程式の解を数値的に計算できる。
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16週 |
返却,解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 3 | |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 3 | |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
数学的な理解 | 70 | 70 |
数値解析的な実践 | 30 | 30 |