電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 243128 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:大下眞二郎,「電気回路」,共立出版
担当教員 漆原 史朗

到達目標

1.簡単なひずみ波形を入力とする定常解解析を行うことができる。
2.電気回路について,基本法則に基づいて微分方程式を導出し,過渡現象解析を行うことができる。
3.ラプラス変換を用いたs領域の等価回路から過渡現象解析を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
ひずみ波形を入力とする定常解解析フーリエ級数の物理的な意味を理解し,ひずみ波形を入力とする回路網解析を行うことができる。簡単なひずみ波形を入力とする定常解解析をフーリエ級数やフーリエ変換を用いて行うことができる。 簡単なひずみ波形を入力とする定常解解析をフーリエ級数やフーリエ変換を用いて行うことができない。
フーリエ変換を用いた回路解析フーリエ変換の意味を理解し,たたみ込み積分などを用いて定常解解析に応用できる。フーリエ変換の公式を複素フーリエ級数から導き出すことができる。フーリエ変換の公式を複素フーリエ級数から導き出すことができない。
ラプラス変換を用いた過渡現象解析インパルス応答,ステップ応答を理解し,回路解析に応用したs領域の等価回路から過渡現象解析を行うことができる。 s領域の等価回路を利用して過渡現象解析を行うことができる。s領域の等価回路を利用して過渡現象解析を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路Ⅱでは,電気回路Ⅰで学んだ正弦波定常解析を踏まえて,過渡現象解析の一般解の導出過程を定着させる。さらに,応用数学で習熟したフーリエ変換,ラプラス変換を用いた回路解析を身に付け,高等数学と電気回路における物理現象との関係を理解し,応用できる能力を育む。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を中心とした講義と例題等の解説を行う。学生は「演習ノート」を用意して章末問題等の演習を行うなど,自主的に予習・復習して理解度を高める。
注意点:
・2回の試験結果(中間試験,期末試験)の平均点を評価とする。
・説明,証明問題では,数式等を用いて論理的に記述できているかどうかも含めて評価する。
・本科目の単位は,高等専門学校設置基準第17条第4項により認定される。
・自学自習時間に相当する課題を毎回出題する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
三角関数の直交性
フーリエ級数の物理的な意味を理解できる。
2週 ひずみ波形のフーリエ級数展開
対称なひずみ波形
ひずみ波形をフーリエ級数展開できる。
3週 ひずみ波形の実効値
ひずみ波形の電力
ひずみ波形の実効値や電力を求めることができる。
4週 フーリエ変換と諸特性
線形回路に対する応答
フーリエ変換の物理的ない意味合い(複素フーリエ級数から導出)を理解できる。
5週 フーリエ変換を用いた回路解析 フーリエ変換を用いて線形回路における定常解解析を行うことができる。
6週 正弦波のフーリエ変換
正弦波のフーリエ変換を行い,回路解析に利用できる。
7週 たたみ込み積分
周波数伝達関数の定義とたたみ込み積分の物理的な意味を理解することができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ラプラス変換の復習と微分方程式の解 ラプラス変換の物理的な意味合いを理解できる。また,部分分数展開を用いた逆ラプラス変換を行うことができる。
10週 S回路法における抵抗,インダクタンス,キャパシタンスの取り扱い
S回路法における各素子の扱い方を理解して等価回路を導くことができる。
11週 0状態・0入力応答 電源による応答(0状態応答)と初期値による応答(0入力)似ついて理解し,それぞれの応答を導出することができる。
12週 S回路法を用いた回路解析(RL,RC回路) s領域の等価回路からRL,RC回路の一次回路について過渡現象解析を行うことができる。
13週 S回路法を用いた直流回路解析(RLC回路) s領域の等価回路からRLC回路の二次回路について直流電源による過渡現象解析を行うことができる。
14週 S回路法を用いた交流回路解析(RLC回路) s領域の等価回路からRLC回路の二次回路について交流電源による過渡現象解析を行うことができる。
15週 S回路法を用いた相互インダクタンスを含む回路解析 s領域の等価回路からRLC回路の二次回路について過渡現象解析を行うことができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3後3,後4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3後3,後4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後3,後4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3後4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3後4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3後4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3後4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3後4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3後15
理想変成器を説明できる。3後15
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3後9,後10,後11,後12
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3後13
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3後4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3後4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3後4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3後4

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合8020100
ひずみ波形を入力とする定常解解析30535
フーリエ変換を用いた回路解析10515
ラプラス変換を用いた過渡現象解析401050