電気基礎

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気基礎
科目番号 3111 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 総合物理2(啓林館)、例題で学ぶやさしい電気回路(直流編)、プリント
担当教員 山本 雅史,漆原 史朗,太良尾 浩生

到達目標

電気工学に関する以下の項目について学習し,自然科学の基礎を着実に身につける。
・直流回路について,総合的な観点から解析できる。
・複素数と正弦波交流との関係を理解し,それらを変換できる。
・基礎的な交流回路を解析できる。
・電磁誘導現象を理解し,基礎的な解析ができる。
・積分の考え方と電磁気学で必要な積分の計算ができる。
・静電界の現象を理解し,電界や電位を解析できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路様々な回路定理のなかで最適な定理を選択でき、基本的な数学力を駆使して総合的に直流回路を解析できる。基本的な数学の問題を解くことができ、総合的に直流回路を解析できる。基本的な数学の問題を解くことができず、直流回路を解析することもできない。
複素数と正弦波交流複素数の加減乗除、オイラーの式を利用した指数関数表示と複素数表示の変換およびそれらが混在したものの四則演算ができる。複素数の加減乗除、オイラーの式を利用した指数関数表示と複素数表示の変換および四則演算ができる。複素数の加減乗除、オイラーの式を利用した指数関数表示と複素数表示の変換および四則演算ができない。
交流回路記号法による正弦波定常解析法を用いて簡単な回路に対して定常解を求めることができ,導出過程について説明することができる。記号法による正弦波定常解析法を用いて簡単な回路に対して定常解を求めることができる。記号法による正弦波定常解析法を用いて簡単な回路に対して定常解を求めることができない。
電磁誘導現象電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導についてをイメージでき、それらに関する基本的な問題を解くことができる。電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導についてをイメージでき、それらに関する簡単な計算ができる。電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導についてをイメージできず、それらに関する簡単な計算もできない。
積分積分の意味を理解し,電磁気学で頻出する積分の解を導出することができる。電磁気学で頻出する積分の解を導出することができる。電磁気学で頻出する積分の解を導出することができない。
電磁気学静電界現象を十分に理解し,与えられた電荷に対して電界や電位を様々な手法で計算できる。静電界現象を理解し,与えられた電荷に対して電界や電位を計算できる。与えられた電荷に対して電界や電位を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気工学に関する電気回路と電磁気学の2つのパートに分けて学習する。それぞれのパートにおいて,講義や演習を行うことで工学基礎をしっかりと身につける。
授業の進め方・方法:
教科書やプリントの内容を中心とした講義を行い,例題問題の解説を行う。その後,学生は演習問題や章末問題に解析に取り組む。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,理解力把握アンケート
直流回路解析の復習
直流回路に関する問題を様々な方法で解くことができる。
2週 直流回路解析の復習 直流回路に関する問題を様々な方法で解くことができる。
3週 直流回路解析の復習 直流回路に関する問題を様々な方法で解くことができる。
4週 総合復習 直流回路に関する総合的な問題を解くことができる。
5週 補償定理
相反定理
相反定理や補償定理を利用して,直流回路の問題を解くことができる。
6週 積分とは 物理現象における積分を理解し,円などの周長・面積,球などの表面積・体積を求めることができる。
7週 複雑な積分の解法 電磁気学でよく使われる典型的な積分を解くことができる。
8週 中間試験
試験返却
2ndQ
9週 電磁誘導の法則(電磁誘導,ファラデーの法則,渦電流) ファラデーの法則やレンツの法則について現象を理解し,基本的な計算ができる。
10週 磁界中を運動する導体棒(ローレンツ力と誘導起電力,エネルギー保存) ファラデーの法則やレンツの法則について現象を理解し,基本的な計算ができる。
11週 自己誘導と相互誘導(自己・相互インダクタンス,コイルに蓄えられるエネルギー) 自己・相互誘導について現象を理解し,基本的な計算ができる。
12週 交流の性質,交流の発生 交流とは何か,または発生現象を理解できる。
13週 抵抗・コイル・コンデンサを流れる交流 抵抗,コイル,コンデンサに流れる電流と加わる電圧との関係を理解でき,基本的な計算ができる。
14週 RLC直列回路と共振 RLC直列回路について,各素子における電圧と電流の関係を理解しながら計算できる。
15週 電気振動
電磁波の発見と発生
電気振動の現象を理解し,エネルギーの時間的な変化を説明できる。
電磁波の発生メカニズムを理解し,電界と磁界の変化する様子を説明できる。
16週 期末試験
試験返却
後期
3rdQ
1週 複素数の直交表示と極座標表示
オイラーの式
複素数の加減乗除ができる。
オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
2週 実効値
正弦波交流とオイラーの式
複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。
3週 正弦波の合成 オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
4週 正弦波交流と回路素子の性質 正弦波交流回路と回路素子(R,L,C)の特性と線形化について理解する。
5週 交流回路定常解析解と微分方程式
インピーダンスとアドミッタンス
交流回路の定常解解析が微分方程式を導出し,解くことで得られることを理解する。
6週 複素正弦波
複素ベクトルと電圧・電流
交流回路解析を複素ベクトルを用いて瞬時値を算出できることを理解する。
7週 交流電力と力率 複素ベクトルと交流電力の有効電力,無効電力の関係を理解して,力率等を用いて導出できる。
8週 中間試験
試験返却
4thQ
9週 帯電現象とクーロンの法則 電荷について説明できる。
クーロン力の法則を説明でき,クーロン力を計算できる。
10週 クーロンの法則 クーロン力をベクトルを考慮して計算できる。
11週 電界,静止電荷による電界 電界・電界・クーロン力の関係を説明できる。
点電荷による電界を計算できる。
電界中の電荷に働くクーロン力を計算できる。
12週 分布電荷による電界
演習
分布電荷による電界を計算できる。
13週 ガウスの法則 ガウスの法則を説明できる。
ガウスの法則を用いて電界を計算できる。
14週 ガウスの法則
演習
ガウスの法則を用いて電界を計算できる。
電界と電束密度の関係を説明できる。
15週 電位,電位の勾配 電位について説明できる。
電荷による電位を計算できる。
電界と電位の関係を説明できる。
16週 期末試験
返却,解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1,前2,前3,前4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前1,前2,前3,前4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前1,前2,前3,前4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前1,前2,前3,前4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前1,前2,前3,前4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前12,後1,後2,後3,後4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前12,後1,後2,後3,後4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前13,後1,後2,後3,後4,後6
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前13,前15,後1,後2,後3,後4,後6
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後6
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3前13,前14,後1,後2,後3,後4,後6
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前14,後2,後3,後4,後5,後6
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前14,後2,後3,後4,後5,後6
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2
電磁気電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。2前9,前10
自己誘導と相互誘導を説明できる。2前11
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。2前11

評価割合

試験演習/小テスト合計
総合評価割合9010100
直流回路12315
積分8210
電磁誘導と交流25025
複素数と正弦波交流10010
交流回路15015
電磁気学20525