流体工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 流体工学Ⅰ
科目番号 221313 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械電子工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:森川敬信,鮎川恭三,辻裕「新版 流れ学」,朝倉書店,ISBN 978-4-254-23077-2
担当教員 嶋﨑 真一

到達目標

目標1:流体の性質(圧縮性や粘性)などについて理解し,説明することができる。
目標2:物体に作用する浮力を計算できる。
目標3:定常流/非定常流の違いや,流線と流管の定義を説明できる。
目標4:質量保存則と連続の式を理解し,式を用いて流速と流量などの計算ができる。
目標5:エネルギー保存則とベルヌーイの式を説明できる。
目標6:ピトー管,ベンチュリー管,オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。
目標7:運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる。
目標8:層流と乱流の違いや,レイノルズ数と臨界レイノルズ数を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
流体の性質流体の性質(圧縮性や粘性)などについて理解・説明し,計算することができる。流体の性質(圧縮性や粘性)などについて理解し,説明することができる。流体の性質(圧縮性や粘性)などについて説明することができない。
浮力物体に作用する浮力を説明し,計算できる。物体に作用する浮力を計算できる。物体に作用する浮力を計算できない。
定常流と非定常流定常流/非定常流の違いや,流線と流管の定義を図や式を用いて説明できる。定常流/非定常流の違いや,流線と流管の定義を説明できる。定常流/非定常流の違いや,流線と流管の定義を説明できない。
連続の式質量保存則と連続の式の導出過程を理解し,式を用いて流速と流量などの計算ができる。質量保存則と連続の式を理解し,式を用いて流速と流量などの計算ができる。質量保存則と連続の式を理解し,式を用いて流速と流量などの計算ができない。
ベルヌーイの式エネルギー保存則とベルヌーイの式の導出過程を説明できる。エネルギー保存則とベルヌーイの式を説明できる。エネルギー保存則とベルヌーイの式を説明できない。
圧力・流量測定法ピトー管,ベンチュリー管,オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明し,計算することができる。ピトー管,ベンチュリー管,オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。ピトー管,ベンチュリー管,オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できない。
運動量の法則運動量の法則を理解・説明し,流体が物体に及ぼす力を計算できる。運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる。運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できない。
層流と乱流層流と乱流の違い,臨界レイノルズ数を説明でき,レイノルズ数の計算ができる。層流と乱流の違いや,レイノルズ数と臨界レイノルズ数を説明できる。層流と乱流の違いや,レイノルズ数と臨界レイノルズ数を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-(2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・ 流体の性質や静止状態・運動状態における流体の力学を理解する。
・ 連続の式,ベルヌーイの定理や運動量定理などを用いて,流れを解析することができる。
・ 以上を通じて,流体機器を設計・製造・使用する際に必要な能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に講義を行う。適宜小テストやレポートを課す。
注意点:
5年生で開講される流体工学Ⅱは,本科目の内容を理解していることが前提となりますので,注意してください。本科目の内容の理解が不十分であった場合は,流体工学Ⅱの授業についていくのは極めて困難となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
流体の特性
 単位系・物理量
流体の性質について,説明することができる。
2週 流体の特性
 圧縮性・粘性流体
流体の性質について,説明することができる。
3週 流体の静力学
 重力場にある静止流体・圧力計
重力場にある静止流体中の圧力つについて,説明することができる。
4週 流体の静力学
 液体が壁面に及ぼす力
液体が壁面に及ぼす力を説明し,計算することができる。
5週 流体の静力学
 浮力と安定性
流体中の物体に作用する浮力や浮揚体の安定性を議論することができる。
6週 流体の動力学
 定常流と非定常流,保存量の収支
定常流と非定常流を区別し,説明出来る。また,保存量の収支の考え方を説明出来る。
7週 流体の動力学
 連続の式
連続の式を説明し,流量や流速を計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 流体の動力学
 運動方程式とベルヌーイの式
ベルヌーイの式を説明できる。
10週 流体の動力学
 ベルヌーイの式の応用
ベルヌーイの式を使った計算ができる。
11週 流体の動力学
 運動量定理
運動量定理を説明できる。
12週 流体の動力学
 運動量定理の応用
運動量定理を使った計算ができる。
13週 流体の動力学
 層流と乱流
層流と乱流を説明できる。
14週 流体の動力学
 円管内の流れ
ポアゼイユ流れを説明できる。
15週 流体の動力学
 相似則
レイノルズ数を計算でき,相似則を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4後1
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4後1,後2
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4後2
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4後3
パスカルの原理を説明できる。4後3
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4後3
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4後4
物体に作用する浮力を計算できる。4後5
定常流と非定常流の違いを説明できる。4後6
流線と流管の定義を説明できる。4後6,後7
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4後7
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4後9,後10
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4後11,後12
層流と乱流の違いを説明できる。4後13,後14,後15
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4後13,後14,後15

評価割合

試験小テストまたはレポート合計
総合評価割合8416100
流体の性質10212
浮力10212
定常流と非定常流10212
連続の式11213
ベルヌーイの式11213
圧力・流量測定法11213
運動量の法則11213
層流と乱流10212