メカトロニクス基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 メカトロニクス基礎Ⅰ
科目番号 221316 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械電子工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 【機械系】教科書:吉澤武男,新編JIS機械製図 第5版,森北出版,ISBN 978-4-627-66115-8伊藤懬【電気電子系】教科書:武藤高義,わかりやすい電気電子基礎,コロナ社, ISBN 4-339-00821-0参考書:トランジスタ技術編集部,わかる電子回路部品完全図鑑,CQ出版社, ISBN 4-7898-3422-3
担当教員 石井 耕平,由良 諭

到達目標

機械系と電子系の基礎となる教科について講義・演習を行い,メカトロニクス技術者としての基礎学力,基礎技術を身につける。
【機械系】
1.機械設計製図の基礎的知識を使うことができる。
2.図形の表現方法及び寸法の記入方法について説明できる。
3.部品図の作成に3D CADシステムの基本機能が利用できる。
【電気電子系】
1.電気抵抗値について,表示の読み取りと計算ができる。
2.簡単な回路について,オームの法則やキルヒホッフの法則を適用して電流,電圧,抵抗値の関係式を立てることができる。
3.電流による発生熱量と消費電力,電力量について計算式を立てることができる。
4.導線やソレノイドコイルに発生する磁界,電磁力,誘導起電力についての計算式を立てることができる。
5.帯電,静電力,静電誘導及びコンデンサについて説明でき,静電力や合成静電容量についての計算式を立てることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械系(製図)複雑な図形および品物の投影図を正確に書くことができる。基本的な図形および品物の投影図を正確に書くことができる。基本的な図形および品物の投影図を正確に書くことができない。
機械系(製図)図面の役割と種類、製図用具に関する知識を使うことができる。図面の役割と種類、製図用具に関する知識を理解している。図面の役割と種類、製図用具に関する知識を理解していない。
機械系(製作図)製作図の書き方に関する知識を使うことができる。また、複雑な図形に寸法を記入することができる。製作図の書き方に関する知識を理解している。また、図形に寸法を記入することができる。製作図の書き方に関する知識を使うことができない。また、図形に寸法を記入することができない。
機械系(CAD)3Dおよび2D CADシステムの基本機能を利用できる。3Dおよび2D CADシステムの基本機能を理解している。3Dおよび2D CADシステムの基本機能を理解しておらず,利用できない。
電気電子系(電気抵抗)電気抵抗について,表示の読み取りができる。抵抗率等から抵抗値を計算することができる。合成抵抗値の計算式を立てて値を求めることができる。電気抵抗について,表示の読み取りができる。合成抵抗値の計算式を立ててることができる。電気抵抗について,表示の読み取りができず,合成抵抗値の計算式を立ててることができない。
電気電子系(直流回路)直流電源と抵抗からなる簡単な回路について,オームの法則やキルヒホッフの法則を適用して電流,電圧,抵抗値の関係式を立て,値を求めることができる。直流電源と抵抗からなる簡単な回路について,オームの法則やキルヒホッフの法則を適用した電流,電圧,抵抗値の関係式を立てることができる。直流電源と抵抗からなる簡単な回路について,オームの法則やキルヒホッフの法則を適用して電流,電圧,抵抗値の関係式を立てることができない。
電気電子系(電力と熱量)電流による発生熱量と消費電力,電力量について計算式を立て,値を求めることができる。電流による発生熱量と消費電力,電力量について計算式を立てることができる。電流による発生熱量と消費電力,電力量について関係式を立てることができない。
電気電子系(磁気)導線やソレノイドコイルに発生する磁界,電磁力,誘導起電力について値の大きさと向きを求めることができる。導線やソレノイドコイルに発生する磁界,電磁力,誘導起電力についての求め方を知っている。導線やソレノイドコイルに発生する磁界,電磁力,誘導起電力についての求め方を知らない。
電気電子系(静電気)帯電,静電力,静電誘導及びコンデンサについて説明し,静電力やコンデンサの合成静電容量を求めることができる。帯電,静電力,静電誘導及びコンデンサについて説明でき,静電力やコンデンサの合成静電容量の求め方を知っている。帯電,静電力,静電誘導及びコンデンサについて説明できず, 静電力やコンデンサの合成静電容量の求め方を知らない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-(1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-(2) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械系と電気電子系の基礎となる教科について講義・演習を行い,メカトロニクス技術者としての基礎学力,基礎技術を身につける。
評価方法 学年総合成績は,機械系と電気電子系を各50%として評価を行う。
【機械系】
 ・定期試験の結果を用いて知識の習得度を判断する。
 ・提出された図面より,投影方法の理解度を判断する。
 ・試験を40%,図面を60%として試験期毎に評価を行う。
【電気電子系】
 ・2回の定期試験の結果より,学習到達目標を満たしているか判定する。
授業の進め方・方法:
進 め 方 クラスを二分し機械系と電気電子系に別けて授業を行い,四半期ごとに入れ替えを行う。
【機械系】
1.教科書とプリントを併用した講義と演習を行う。
2.作図は定規やコンパスによる手書きで行い,設計演習ではCAD システムを用いる。
3.授業終了時に作成した図面等を提出する。
【電気電子系】
1.検定本「わかりやすい電気電子基礎」を教科書として,電気電子系基礎知識に関する講義を行う。
2.電気電子系の授業では,電気電子系実験・実習に必要な内容を講義する。
注意点:
履修要件
【機械系】予習・復習を毎回行うこと。
【電気電子系】創造機械電子基礎実験実習Ⅰ・Ⅱの電気電子実習で使うので,内容を十分復習すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 製図の基礎 図面の役割と種類、製図用具に関する知識を使うことができる。
2週 平面図形
投影法
基本的な図形を正確に書くことができる。
3週 投影法 品物の投影図を正確に書くことができる。
4週 立体図形 基本的な図形を正確に書くことができる。
5週 軸測投影法 品物の投影図を正確に書くことができる。
6週 軸測投影法 品物の投影図を正確に書くことができる。
7週 軸測投影法 品物の投影図を正確に書くことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ガイダンス
電子と電流
電位・電圧・電流・抵抗
電流や電圧の意味を知っている。
10週 合成抵抗の計算 抵抗の値を読み取ることができる。
合成抵抗の値を計算できる。
11週 直流回路の計算 簡単な直流回路における電流値等の計算ができる。
12週 キルヒホッフの第1法則
(直並列回路)
主に抵抗が直列・並列に接続された簡単な回路について,キルヒホッフの第1法則を用いた電流値の計算ができる。
13週 キルヒホッフの第2法則
(電源を2つ含む回路)
主に電源を2つ含む回路において,キルヒホッフの第2法則を用いて電流・電圧の関係式を立てて解くることができる。
14週 ブリッジ回路 ブリッジ回路における抵抗値の計算ができる。
15週 電力・熱量
演習
直流回路における電力,熱量を計算できる。
16週 試験答案の返却および解説
後期
3rdQ
1週 CADの基本操作 3Dおよび2D CADシステムの基本機能を理解する。
2週 CADを用いた作図 3Dおよび2D CADシステムの基本機能を使用できる。
3週 CADを用いた作図 3Dおよび2D CADシステムの基本機能を使用できる。
4週 CADを用いた製作図の作成 製作図の書き方に関する知識を理解する。
5週 CADを用いた製作図の作成 製作図の書き方に関する知識を理解する。
6週 CADを用いた製作図の作成 図形に寸法を記入することができる。
7週 CADを用いた製作図の作成 図形に寸法を記入することができる。
8週 前期中間試験
4thQ
9週 磁気現象
直流電流による磁界
電流が作る磁界の向き・強さを求める計算をすることができる。
10週 ソレノイドが作る磁界
磁気回路
ソレノイドコイルに発生する磁界の強さと向きを求める計算をすることができる。
11週 磁性体,透磁率,磁化特性 透磁率の概念を知る。磁性体を区別し,磁化特性について説明できる。
12週 電磁力と電磁誘導 各種コイルに発生する電磁力及び誘導起電力を求める計算をすることができる。
13週 電荷間に働く静電力と静電誘導 電荷間に働く静電力の向きと大きさを求める計算をすることができる。
14週 コンデンサの概要と合成容量 コンデンサの概要を知っている。
並列に接続されたコンデンサの合成静電容量,電荷、電圧を求める計算をすることができる。
15週 コンデンサの合成容量
演習
直列に接続されたコンデンサの合成静電容量,電荷、電圧を求める計算をすることができる。
16週 試験答案の返却および解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。2前1
製図用具を正しく使うことができる。2前1
線の種類と用途を説明できる。2前1
物体の投影図を正確にかくことができる。2前2,前3,前4,前5,前6,前7
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。2後4,後5
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。2後6,後7
部品のスケッチ図を書くことができる。2前6,前7
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。2後1,後2,後3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
機械系203050
電気電子系50050