建設環境実験実習Ⅴ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建設環境実験実習Ⅴ
科目番号 221430 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 建設環境工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 適宜プリント,テキストなどを準備する。
担当教員 多川 正,高橋 直己,柳川 竜一

到達目標

水理学:主として3・4年生で学習した基礎的事項に関する実験実習を実施する。与えられたテーマについて,実験・データ収集と整理・結果とまとめ,レポート作成といった一連の流れを習得する。
環境・衛生:温暖化の現況を分析し,かつ生物による水質浄化メカニズム,エネルギー回収などの基礎理論を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1層流と乱流について説明できる。層流と乱流について説明できる。層流と乱流について説明できない。
評価項目2開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について説明できない。
評価項目3ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができない。
評価項目4摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できない。
評価項目5水質指標について測定原理を理解し、実験結果の検証ができる。水質指標を理解している。水質指標を説明できない。
評価項目6水域生態系と水質変換過程(自浄作用)を理解し、計算ができる。水域生態系と水質変換過程(自浄作用)を理解している。水域生態系と水質変換過程(自浄作用)を説明できない。
評価項目7地球温暖化を理解し、二酸化炭素、メタンが与える影響について説明できる。地球温暖化を理解している。地球温暖化を説明できない。
評価項目8浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を理解し、薬品使用量、廃棄物汚泥発生量の計算ができる。浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を理解している。浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を説明できない。
評価項目9廃棄物の減量化・再資源化を理解し、有機物汚染源からメタンガス回収量が化学量論的に計算ができる。廃棄物の減量化・再資源化を理解している。廃棄物の減量化・再資源化を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

 学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
 学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる
 学習・教育到達度目標 C-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で水流動・水処理を担当していた教員が、その経験を活かし、水環境について実験形式で授業を行うものである。
水理学:主として3・4年生で学習した基礎的事項に関する実験実習を実施する。与えられたテーマについて,実験・データ収集と整理・結果とまとめ,レポート作成といった一連の流れを習得する。
環境・衛生:温暖化の現況を分析し,かつ生物による水質浄化メカニズム,エネルギー回収などの基礎理論を理解する。
授業の進め方・方法:
最初に実験内容全般について簡単に概要説明を行う。その後の実験については適宜助言するが,参考資料や教科書などをよく読み自分たちで積極的に取り組むようにする。得られた結果はそのつどレポートで提出させる。必要や事情に応じて,実験の他に演習問題やプレゼンテーションを課す。実験に取り組む真摯な姿勢やレポート提出期限の遵守を重視する。行事等により実験の日程を変更する場合には適宜連絡する。

(1)柳川・高橋・岡崎担当の水理実験および多川・中島担当の環境・衛生実験を2班ずつ同時並行に進行させ、2つの実験が終了後、水理実験と環境・衛生実験とを交替する。最後に環境・衛生実験の実験結果発表会を行う。
(2)1つの実験トピックについて、3回の授業で完遂する。実験の予習・計画、実験実施、再実験、レポート作成を行う。
注意点:
1.原則として実験には毎回出席すること。2.レポートを提出期限内に提出すること。
上記1,2に不足がある場合,単位認定することができないので注意すること。この科目は,本年度内及び進級後に単位追認試験が実施できません。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、成績評価
2週 安全教育、機器・実験施設の使用方法 試薬,分析機器,ガラス器具などの安全な使用方法を体得する。
3週 層流と乱流の実験 1回目 層流と乱流について理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
4週 層流と乱流の実験 2回目 層流と乱流について理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
5週 層流と乱流の実験 3回目 層流と乱流について理解し、実験を遂行し、レポートを完成させられる。
6週 管路の摩擦損失係数 1回目 管路の摩擦損失について理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
7週 管路の摩擦損失係数 2回目 管路の摩擦損失について理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
8週 管路の摩擦損失係数 3回目 管路の摩擦損失について理解し、実験を遂行し、レポートを完成させられる。
2ndQ
9週 ベンチュリメータによる流量測定実験 1回目 ベンチュリーメータの仕組みを理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
10週 ベンチュリメータによる流量測定実験 2回目 ベンチュリーメータの仕組みを理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
11週 ベンチュリメータによる流量測定実験 3回目 ベンチュリーメータの仕組みを理解し、レポートを完成させられる。
12週 直角三角ぜきの流量検定実験 1回目 刃型堰の流量公式について理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
13週 直角三角ぜきの流量検定実験 2回目 刃型堰の流量公式について理解し、実験を遂行し、レポートを作成できる。
14週 直角三角ぜきの流量検定実験 3回目 刃型堰の流量公式について理解し、レポートを完成させられる。
15週 水質調査 1回目 河川の水質分析項目(pH、BOD、SS、大腸菌群など)の測定方法を理解している。
16週 水質調査 2回目 河川水を対象とした水質分析の実験を遂行し、レポートを作成できる。
後期
3rdQ
1週 水質調査 3回目 河川水を対象とした水質分析の実験を遂行し、レポートを作成できる。
2週 大気中のCO2濃度の測定 1回目 温室効果ガス、二酸化炭素の測定方法を理解している。
3週 大気中のCO2濃度の測定 2回目 ガスクロマトグラフを用いて二酸化炭素濃度の分析の実験を遂行し、レポートを作成できる。
4週 大気中のCO2濃度の測定 3回目 ガスクロマトグラフを用いて二酸化炭素濃度の分析の実験を遂行し、レポートを作成できる。
5週 浄水操作(凝集・沈殿) 1回目 上水道工学における浄水操作(凝集、沈殿)について理解している。
6週 浄水操作(凝集・沈殿) 2回目 浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)の実験を遂行し、レポートを作成できる。
7週 浄水操作(凝集・沈殿) 3回目 浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)の実験を遂行し、レポートを作成できる。
8週 廃棄物処理実験 1回目 廃棄物の処理方法を理解している。
4thQ
9週 廃棄物処理実験 2回目 有機性廃棄物からメタンなどの有用エネルギー回収の実験を遂行し、レポートを作成できる。
10週 廃棄物処理実験 3回目 有機性廃棄物からメタンなどの有用エネルギー回収の実験を遂行し、レポートを作成できる。
11週 実験結果発表会 1回目 準備 実験を遂行した内容について、背景、現状の問題点、解決案などを説明できる。
12週 実験結果発表会 2回目 準備 実験を遂行した内容について、背景、現状の問題点、解決案などを説明できる。
13週 実験結果発表会 3回目 準備 実験を遂行した内容について、背景、現状の問題点、解決案などを説明できる。
14週 実験結果発表会 4回目 発表会 実験結果、背景や課題などを分かりやすくプレゼンテーションできる。
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1
連続の式を説明できる。4前9,前10,前11
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4前9,前10,前11
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4前1
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4前1
層流と乱流について、説明できる。4前3
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4前1
環境水の物性、水の循環を説明できる。4前15,前16,後1,後5,後6,後7
水質指標を説明できる。4前15,前16,後1,後5,後6,後7
水質汚濁の現状を説明できる。4前15,前16,後1,後5,後6,後7
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。4前15,前16,後1,後5,後6,後7
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4前15,前16,後1,後5,後6,後7
物質循環と微生物の関係を説明できる。4前15,前16,後1,後5,後6,後7,後8,後9,後10
大気汚染の現状と発生源について、説明できる。4後2,後3,後4
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4前3,前4,前5
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4前2
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4前12,前13,前14
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4前16,後1
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4前16,後1,後6,後9

評価割合

レポート発表合計
総合評価割合90100000100
評価項目1〜990100000100
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