社会Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 社会Ⅱ
科目番号 241115 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『公共』東京書籍,自作プリント教材
担当教員 田口 淳

到達目標

現代社会の現状と諸課題について理解するとともに,今を生きる人間としてのあり方を探究・考察し,良識ある公民として必要な能力と態度を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
現代社会の諸課題に関する理解現代社会の諸課題について十分説明ができる。現代社会の諸課題について概略説明ができる。現代社会の諸課題について説明ができない。
現代に生きる人間としてのあり方に関する理解現代に生きる人間としてのあり方について十分説明ができる。現代に生きる人間としてのあり方について概略説明ができる。現代に生きる人間としてのあり方について説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

 学習・教育到達度目標 A-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
①現代社会の特質及びそこに生きる青年期の自己形成の課題について考えるとともに,よりよく生きることを追求した先哲の基本的な考え方について理解する。
②現実社会の諸課題を見いだし,解決に向けて選択・判断の手がかりとなる考え方や「公共的な空間」における基本的原理を理解する。
授業の進め方・方法:
講義形式を基本とする。要点はスライドもしくはプリントを配布しながら進めていく。
適宜,現代社会に関するテーマについての討論等を通して,コミュニケーション能力の向上を図るとともに,各自の思索が深まるようにする。
注意点:
日頃から新聞・ニュースに関心を持ちながら,現代社会の諸問題について考える機会を設けてほしい。

担当教員への連絡先:教員室℡ 087-869-3842 E-Mail:taguchi@kagawa.kosen-ac.jp

Teamsのチームを作成し,授業スライド(PDF)をファイルにアップします。ご活用ください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス説明              
現代社会の諸課題を概観する。
生命倫理に関する意見交換
「現代社会の諸課題」について概略を理解する。
現代社会に生きる上で,自身の倫理観形成の重要性について理解することができる。
2週 1.青年期と自己形成の課題
①人間の発達段階と発達課題
人間の発達段階に対応する課題を理解することができる。
3週 ②青年期の特徴(概観) 青年期の特徴を理解することができる。
4週 ②青年期の特徴(前期・中期・後期) 青年期の特徴を理解することができる。
5週 ③アイデンティティの確立と欲求の構造
④自己形成の課題
青年期の重要な発達課題であるアイデンティティの形成と,拡散状態について理解することができる。
「欲求の構造」について理解できる。
自己形成の課題について理解できる。
6週 ⑤自己理解の方法
・欲求と行動
・コンプレックス
・性格分析
自分理解を深めるために,欲求・コンプレックス・性格分析に関する基本的な心理学の知識について理解できる。
7週 2.自己形成と社会への参画
①現代社会の特質
②キャリアの開発
③人間関係の形成と社会への参画
現代社会の特質やキャリア開発の意義,社会参画を通じて育てるシティズンシップの意義などについて理解できる。
8週 3.個人として尊重される人間
①規則と自由-カントの道徳論
②規則と自由-J.S.ミルの自由論
4.社会的な存在としての人間
①アーレントの「公共空間」
②ハーバーマスの「理性」
③和辻哲郎の倫理観
カントの道徳論に基づく自由の考え方について理解できる。
J.S.ミルの自由論に基づく自由の考え方について理解できる。
社会的な存在としての人間のあり方及び公共空間について,3人の思想家の考え方が理解できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験返却・解説
5.伝統・文化の中の人間
①丸山真男の日本人観
②「公」と「私」の区別
③グローバル化との関係
丸山真男の考え方,「公」と「私」の捉え方などを手がかりに,ものの捉え方や考え方が伝統・文化と深くかかわっていることが理解できる。
11週 6.現代の世界と宗教
①宗教とは何か
②世界の宗教・日本の宗教
宗教の定義,分類,信仰体制の違いなど,宗教の概要について理解できる。
世界と日本における宗教事情について理解できる。
12週 ③仏教
バラモン教
仏教成立過程について理解できる。
13週 ③仏教
ブッダの生涯
ブッダの生涯を通して,仏教の世界観・人間観・倫理観を理解できる。
14週 ③仏教
ブッダの教え
ブッダが説いた世界観・人間観・倫理観を理解できる。
15週 ④仏教の発展-大乗仏教 仏教の発展の流れを理解し,大乗仏教の世界観・人間観・倫理観を理解できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 ⑤ユダヤ教・キリスト教
ユダヤの歴史,ユダヤの教え
ユダヤ教の世界観・人間観・倫理観を理解する。
2週 ⑤ユダヤ教・キリスト教
イエスの生涯,イエスの教え
イエスの教えとキリスト教の世界観・人間観・倫理観を理解できる。
3週 ⑤ユダヤ教・キリスト教
原始キリスト教
原始キリスト教の成立過程と,キリスト教の理論化の特徴を理解できる。
4週 ⑥イスラーム イスラームの世界観・人間観・倫理観を理解できる。
5週 死刑制度について
世界の趨勢,死刑制度の歴史,日本の現状
世界における死刑制度の趨勢と死刑制度存置派・廃止派,それぞれの考えを理解することができる。
6週 7.哲学と人間としての在り方・生き方
①人間の定義
人間に対する多様な定義を通して,人間固有の特徴を理解することができる
7週 ②哲学の語源と定義,哲学の動機 哲学の語源と定義を理解することができる。
4つの主な哲学の動機を通して,自己超越・自己探究が哲学であることを理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・解説
③ギリシャの哲学
(1)自然哲学
(2)ソフィストの思想
人類最初の哲学思想である自然哲学の概略を理解することができる
ソフィストによる人間の生き方を対象とした思想が理解できる
10週 (3)ソクラテスの思想 ソクラテスの生涯と思想を理解するとともに,その思想がその後どのように発展したのかを理解できる。
11週 (4)プラトンのイデア論と政治論 プラトンのイデア論・想起説・政治論が理解できる。
12週 (5)アリストテレスの形相論,正義論,倫理観 アリストテレスの形相論・正義論・倫理観が理解できる。
13週 (6)ヘレニズム時代の思想
エピクロス,ゼノン
ヘレニズム時代の代表的な思想であるエピクロスとゼノンの思想的特徴を理解することができる
14週 8.中国の思想
①儒家-孔子,孟子,荀子
儒家の思想家の考え方の共通点と相違点が理解できる。
15週 ②道家-老子,荘子 道家の思想家の考え方の共通点と相違点が理解できる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3後5
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前5,前6,前7,前8,前9
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前1,前6,前7,前9,前10,後1,後2,後3,後4,後5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ提出物合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力90000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000