ディジタル回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ディジタル回路Ⅰ
科目番号 2107 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 通信ネットワーク工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:伊原充博 他 著 「(電気・電子系 教科書シリーズ 13)ディジタル回路」コロナ社,関連プリント
担当教員 白石 啓一

到達目標

計算機科学の基礎の一つであるブール代数とその電気回路的な実現である論理回路の関係を,数学的概念と物理実現の対応として理解する。具体的には,情報と電気信号の対応,組合せ論理回路,順序回路を理解する。
1. 数の体系を理解し,応用できる。
2. 論理関数と論理回路,相互の関連を理解し,応用できる。
3. 組合せ回路を理解し,設計できる。
4. 順序回路を理解し,設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
数体系整数,小数を2進数,10進数,16進数で表現できる。 基数が異なる数の間で相互に変換できる。 2進数,16進数の加減算を理解し,応用できる。 整数をコンピュータのメモリー上でディジタル表現する方法を理解している。 各種符号を理解している。 関連する問題に80%以上正答できる。整数,小数を2進数,10進数,16進数である程度表現できる。 基数が異なる数の間で相互にである程度変換できる。 2進数,16進数の加減算を理解し,である程度応用できる。 整数をコンピュータのメモリー上でディジタル表現する方法をである程度理解している。 各種符号をである程度理解している。 関連する問題に70%以上正答できる。整数,小数を2進数,10進数,16進数で表現できない。 基数が異なる数の間で相互に変換できない。 2進数,16進数の加減算を理解し,応用できない。 整数をコンピュータのメモリー上でディジタル表現する方法を理解していない。 各種符号を理解していない。 関連する問題に60%以上の正答することができない。
論理関数と論理回路基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 基本的な論理演算を行える。 ブール代数の法則を理解し,真理値表から標準形を導ける。 論理式から真理値表を作れる。 論理式の簡単化の概念を説明できる。 論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現できる。 与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明できる。 論理回路を論理式で表現できる。 論理式をMIL記号を使って図示できる。 組合せ論理回路を設計できる。 論理関数の簡単化ができる。 関連する問題に80%以上正答できる。基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式としてある程度表現できる。 基本的な論理演算をある程度行える。 ブール代数の法則をある程度理解し,真理値表から標準形をある程度導ける。 論理式から真理値表をある程度作れる。 論理式の簡単化の概念をある程度説明できる。 論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路としてある程度表現できる。 与えられた簡単な組合せ論理回路の機能をある程度説明できる。 論理回路を論理式である程度表現できる。 論理式をMIL記号を使ってある程度図示できる。 組合せ論理回路を設計することがある程度できる。 論理関数の簡単化がある程度できる。 関連する問題に70%以上正答できる。基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できない。 基本的な論理演算を行えない。 ブール代数の法則を理解し,真理値表から標準形を導けない。 論理式から真理値表を作れない。 論理式の簡単化の概念を説明できない。 論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現できない。 与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明できない。 論理回路を論理式で表現できる。 論理式をMIL記号を使って図示できる。 組合せ論理回路を設計できる。 論理関数の簡単化ができる。 関連する問題に60%以上の正答することができない。
組合せ回路各種組合せ回路を理解し,基本的な組合せ回路の設計ができる。 関連する問題に80%以上正答できる。各種組合せ回路をある程度理解し,基本的な組合せ回路の設計がある程度できる。 関連する問題に70%以上正答できる。各種組合せ回路を理解が不十分で,基本的な組合せ回路の設計ができない。 関連する問題に60%以上の正答することができない。
順序回路各種順序回路を理解し,基本的な順序回路の設計ができる。 関連する問題に80%以上正答できる。各種順序回路をある程度理解し,基本的な順序回路の設計ができる。 関連する問題に70%以上正答できる。各種順序回路を理解が不十分で,基本的な順序回路の設計ができない。 関連する問題に60%以上の正答することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 情報と電気信号の対応,組合せ論理回路,順序回路などを講義する。
授業の進め方・方法:
 ディジタル回路の基礎となる2進数と符号の表現法、ANDやORなどの論理演算,組合せ回路の設計法と順序回路の代表例としてフリップフロップ,カウンタなどについて講義する。これにより論理回路の基礎理論を習得する。また、論理回路の基礎的な設計法を学ぶ。
 課題を適時課す。
注意点:
新型コロナウイルス感染症予防のため遠隔講義となった場合,実施した課題,定期試験を適切な割合で評価します。
1.講義を大切にする。
 私語を慎み,講義を良く聞く。
 講義時間中に出来るだけ講義を理解する。
 理解できなかったところは,必ず復習する。
 講義ノートを作る。
2.課題は,期限までに必ず提出する。
 課題には,発表回数を含む。
オフィスアワー:毎月曜日 放課後~17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数の体系
10進数,2進数,16進数
整数,小数を2進数,10進数,16進数で表現できる。
D1:1,2, D2:1,2
2週 基数変換 基数が異なる数の間で相互に変換できる。
D1:1,2, D2:1,2
3週 2進数と16進数の加減算 2進数,16進数の加減算を理解し,応用できる。
D1:1,2, D2:1,2
4週 補数加算,負数の補数表示 整数・小数をコンピュータのメモリー上でディジタル表現する方法を説明できる。
D1:2
5週 符号と符号の誤り検出 各種符号を理解している。
D1:1,2, D2:1,2
6週 論理関数
集合論と命題論理
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。基本的な論理演算を行える。集合論,命題論理,ブール代数の関係を説明できる。
D1:1,2, D2:1,2
7週 ブール代数の基本演算と論理ゲート(MIL記号) 論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現できる。与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明できる。論理回路を論理式で表現できる。論理式をMIL記号を使って図示できる。
D1:1,2, D2:1,2
8週 [前期中間試験]
2ndQ
9週 試験問題の解答,加法形と乗法形 論理関数を加法形と乗法形で表現できる。
D1:1,2, D2:1,2
10週 真理値表と標準形 ブール代数の法則を理解し,真理値表から標準形を導ける。
論理式から真理値表を作れる。
D1:1,2, D2:1,2
11週 展開定理(Shannon展開) 展開定理を知っている。
D1:1, D2:1
12週 カルノー図による簡単化Ⅰ 論理式の簡単化の概念を説明できる。
D1:1,2, D2:1,2
13週 カルノー図による簡単化Ⅱ 論理式の簡単化の概念を説明できる。
D1:1,2, D2:1,2
14週 カルノー図による乗法形の簡単化 論理式の簡単化の概念を説明できる。
D1:1,2, D2:1,2
15週 冗長項を用いた簡単化 論理式の簡単化の概念を説明できる。
D1:1,2, D2:1,2
16週 試験問題の解答
後期
3rdQ
1週 簡単化の応用 論理関数の簡単化ができる。
D1:1,2, D2:1,2
2週 組合せ論理回路
回路構成の変換
組合せ論理回路を設計できる。
D2:1,2
3週 加算器 加算器の設計を理解している。
D2:1,2
4週 減算器,その他の組合せ回路 減算器等の組合せ回路の設計を説明できる。
D2:1,2
5週 エンコーダ エンコーダの設計を説明できる。
D2:1,2
6週 デコーダ,符号変換器 デコーダ,符号変換器の設計を説明できる。
D2:1,2
7週 マルチプレクサとデマルチプレクサ マルチプレクサ,デマルチプレクサの設計を説明できる。
D2:1,2
8週 [後期中間試験]
4thQ
9週 試験問題の解答,SR-FF SR-FFの機能,状態遷移表,状態遷移図,特性方程式を説明できる。
D2:1,2
10週 状態遷移図,タイミングチャート 順序回路の状態遷移図,タイミングチャートの書き方を説明できる。
D2:1,2
11週 JK-FF JK-FFの機能,状態遷移表,状態遷移図,特性方程式を説明できる。
D2:1,2
12週 D-FF,T-FF D-FF, T-FFの機能,状態遷移表,状態遷移図,特性方程式を説明できる。
D2:1,2
13週 レジスタ,カウンタ レジスタ,シフトレジスタ,カウンタなどの基本的な順序回路の動作を説明できる。
D2:1,2
14週 カウンタの設計 カウンタなどの基本的な順序回路を設計できる。
D2:1,2
15週 論理回路の実際 実際の論理回路を知っている。
与えられた簡単な順序回路の機能を説明できる。
D2:1,2
16週 試験問題の解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3前1,前2,前3,前6,前7,前9,前10

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
専門知識8020100