電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 2125 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 通信ネットワーク工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 1. 教科書:安達三郎・大貫繁雄 著「電気磁気学」森北出版 2. 演習書:大貫繁雄・安達三郎 著「演習電気磁気学」森北出版 3. 参考書:後藤憲一・山崎修一郎 共編「詳解 電磁気学演習」共立出版 4. 参考書:山村泰道・北川盈雄 共著「電磁気学演習[新訂版]」サイエンス社
担当教員 真鍋 克也

到達目標

3 学年の電気磁気学Ⅰ(静電気)に続くもので,その後半部を行う。静磁気,電磁誘導を学び,電磁現象が最終的にマクスウェルの方程式にまとめられることを学ぶ。本授業では,電気・電子,通信工学の基礎となる電磁現象について基本理論を修得する。また,演習を通して電磁界の基本計算ができるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分を適用できる。ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分を規範問題に適用できる。ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分を適用できない。
評価項目2磁性体の性質を説明できる。磁性体の基本的な性質を説明できる。磁性体の性質を説明できない。
評価項目3ファラデーの法則を適用できる。 ファラデーの法則を規範問題に適用できる。 ファラデーの法則を適用できない。
評価項目4マクスウェルの方程式を説明できる。マクスウェルの方程式の基礎を説明できる。マクスウェルの方程式を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は3 学年の電気磁気学Ⅰで学習した静電気に続くものであり,その後半部に該当する静磁気を学習する。この科⽬は電磁界に関する法則、性質、実用解析法について講義形式で授業を⾏うものである。
授業の進め方・方法:
シラバスに沿って教科書ベースの講義を進める。重要な基本理論と例題や演習問題の一部は講義で説明を行うが,各自理解を深めるために教科書章末の演習問題を自宅学習課題として課す。各自が行った解答を指名された者がホワイトボードに示し,添削を行った後、提出する。これら演習問題の詳解は教材2の演習書にあるので,レポートに自己添削したものを演習記録として提出する。専攻科や大学編入を目指す学生は,演習問題の数と解説が豊富な教材3および教材4に記載されている参考書と合わせて勉強することが望ましい。
注意点:
各試験を約85 %,演習問題レポートを約15 %の比率で評価する。
オフィスアワー:金曜日放課後-17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電流 電気回路の基礎を電気磁気的に理解する。D1:1, D2:2
2週 オームの法則と抵抗,ジュールの法則,電源と起電力 電力と電力量の計算ができる。導電率と抵抗率の性質を理解する。D1:2
3週 定常電流界,磁界 直線電流が作る磁場の様子を学び,右ねじの法則を理解する。D1:1
4週 演習問題,磁界 ローレンツ力を理解する。 磁束の性質を理解する。D1:2
5週 電流による磁界と磁束,ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則,アンペアの法則を理解し,その適用ができる。 D1:2
6週 直線電流,ループ電流による磁界,アンペアの周回積分の法則 アンペアの法則の導出背景を理解する。D1:2
7週 電磁力 ローレンツ力,ビオ・サバールの法則,アンペアの法則を使った計算ができる。D2:2
8週 前期中間試験 学習した内容を確認する。D1:3
2ndQ
9週 フレミング左手則,磁気双極子モーメント,演習問題 フレミングの左手則を説明できる。 D1:3
10週 物質の磁気的性質,磁化の強さと磁化電流 磁気誘導現象を学び,物質の磁化を理解する。D2:1
11週 磁界の強さと透磁率 磁性体の磁化率および透磁率の問題が解ける。 D2:2
12週 磁化率と透磁率,磁性体の境界条件 磁気回路を学び,磁気回路の計算問題が解ける。D2:2
13週 磁気回路 磁力線,磁束の屈折が説明できる。 D2:3
14週 強磁性体の磁化,磁化曲線,ヒステリシス曲線,磁極 フレミング左手の法則,磁化,磁気回路の計算ができる。D2:2
15週 磁石と磁極,演習問題 学習した内容を確認する。D2:2
16週 前期期末試験 学習した内容を確認する。D2:2
後期
3rdQ
1週 ファラデーの法則 ファラデーの電磁誘導の法則を理解する。 D1:1
2週 物体の移動による起電力,フレミングの右手則 フレミング右手則を使った計算ができる。D2:2
3週 渦電流,表皮効果 渦電流,表皮効果の説明ができる。D1:1
4週 演習問題 自己,相互インダクタンスの定義を説明できる。 D1:3
5週 自己および相互インダクタンス,コイルの接続 自己,相互インダクタンスの導出方法を習得する。D2:2
6週 磁界のエネルギー 磁気エネルギーの性質と力についての計算ができる。D2:2
7週 インダクタンスの計算 伝送線路のインダクタンスを計算で求める。D2:2
8週 後期中間試験 学習した内容を確認する。D2:2
4thQ
9週 インダクタンスの計算,演習問題 ファラデーの法則を使った計算,インダクタンスの導出ができる。D2:2
10週 変位電流,マクスウェルの方程式 変位電流を学び,アンペアの法則との違いを説明できる。D1:3
微分形と積分形のマクスウェルの方程式の意味を説明できる。 D1:3
11週 電磁波 電磁波の性質を知る。D1:1
12週 平面電磁波 平面波の性質を知る。D1:1
13週 ポインティングベクトル ポインティング電力を使った計算ができる。D2:2
14週 演習問題 学習した内容を確認する。D2:2
15週 演習問題 学習した内容を確認する。D2:2
16週 後期期末試験 学習した内容を確認する。D2:2

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前1
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前1
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前1
静電エネルギーを説明できる。4前1
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4前10,前11,前13,前14
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4前5,前6,前7
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4前3,前7
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4前9,前14
ローレンツ力を説明できる。4前4,前7
磁気エネルギーを説明できる。4前13,後6
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後1,後2,後8
自己誘導と相互誘導を説明できる。4後4,後8
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4後7,後8

評価割合

試験演習(報告書)発表態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合85150000100
基礎的能力405000045
専門的能力4510000055
分野横断的能力0000000