電波伝送学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電波伝送学Ⅰ
科目番号 2131 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 通信ネットワーク工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:教員作成プリント
担当教員 真鍋 克也

到達目標

1.電波の基本的な問題が解ける。
2.スミスチャートを用いて解答できる。
3.アンテナの性能を表す諸定数が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電波の基本的な問題が解ける。電波の様々な問題が解ける。電波の基本的な問題が解ける。電波の基本的な問題を解くことができない。
スミスチャートを用いて解答できる。スミスチャートを用いて解答できる。スミスチャートの使い方を知っている。スミスチャートの使い方を知らない。
アンテナの性能を表す諸定数が説明できる。アンテナの性能を表す諸定数が説明できる。アンテナの性能を表す諸定数を知っている。アンテナの性能を表す諸定数を知らない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
給電線を伝搬する電気信号の振る舞いについて,分布定数回路理論を用いて理解し,その応用についての知識を得る。次に,電磁波の基礎原理を学び,アンテナからどのように電磁放射がなされるかを理解する。このときに必要となる給電線およびアンテナに関する重要な工学用語および基本定数について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書に沿った講義を行う。基本理論,例題などは講義を行うが、各章末の演習問題をレポートとして課す。各自が行った解答を指名された者がホワイトボードに示し,添削を行った後、提出する。
注意点:
無線工学演習,5学年の電波伝送学Ⅱ(第一級陸上特殊無線技士の免許取得に必要な科目)の履修には電波伝送学Ⅰの履修が必要である。
各試験を約85 %,レポートを約15 %の比率で評価する。
オフィスアワー:毎金曜日16:00~17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電波とは,波長,周波数による呼称,1次元の波動 電磁波,電波とは何かが説明できる。D2:1
2週 正弦波動の表現,マクスウェルの方程式,媒質定数 電磁波,電波とは何かが説明できる。D2:1
3週 自由空間における平面波 平面電磁波の特性を理解する。D2:1
4週 電力密度とポインチングベクトル,デシベル表示 平面電磁波の特性を理解する。D2:1
5週 演習問題,給電線 電波の基本的な問題が解ける。D1:2
6週 損失のある給電線 伝送線路の理論を理解する。D2:1
7週 無損失給電線,λ/2給電線,λ/4給電線,終端開放の給電線,終端短絡の給電線 伝送線路上の信号とその特性を理解する。D2:1
8週 前期中間試験 電波の基本的な問題が解ける。D1:2
2ndQ
9週 テスト返却と解説,反射係数,定在波比,平行2線と同軸ケーブル 伝送線路上の信号とその特性を理解する。D2:1
10週 正規化インピーダンス 伝送線路上の信号とその特性を理解する。D2:1
11週 スミスチャート 伝送線路上の信号とその特性を理解する。D2:1
12週 スミスチャート,演習問題 スミスチャートを用いて解答できる。D2:3
13週 微小電気ダイポールの電磁界,指向性,放射電力
微小電気ダイポールの特性を理解する。D2:1
14週 微小電気ダイポールの受信有能電力 電波利用の歴史を知っている。D2:1
15週 期末試験 スミスチャートを用いて解答できる。D2:3
16週 テスト返却と解説,演習問題 伝送線路上の信号とその特性を理解する。D2:1
後期
3rdQ
1週 半波長アンテナの放射電界 半波長アンテナの諸定数が言える。D2:3
2週 半波長アンテナの指向性,放射電力,放射抵抗,半波長アンテナの実効長 半波長アンテナに関する問題が解ける。D2:2
3週 受信開放電圧,受信有能電力,実効面積,等方性アンテナ,アンテナの利得 半波長アンテナに関する問題が解ける。D2:2
4週 演習問題,アンテナの利得 アンテナの利得の定義が説明できる。D2:3
5週 指向性利得,受信アンテナの利得,線状アンテナの電流分布,任意長線状アンテナ アンテナの利得の定義が説明できる。D2:3
6週 起電力法,線状アンテナの入力インピーダンス,短縮率 短縮率について理解する。D2:1
7週 自由空間基本伝送損失 電波の基本的な問題が解ける。D1:2
8週 後期中間試験 電波の基本的な問題が解ける。D1:2
4thQ
9週 テスト返却と解説,演習問題 アンテナの性能を表す諸定数が説明できる。D3:1
10週 接地アンテナ,接地アンテナの実効高,放射電界・放射電力 アンテナの性能を表す諸定数が説明できる。D3:1
11週 接地アンテナの形式,接地アンテナの効率,接地方式,接地アンテナの垂直面指向性 接地アンテナの解析法について理解する。D2:1
12週 ループアンテナ ループアンテナの指向性を理解する。D3:2
13週 相互放射インピーダンス,アンテナ系の利得 相互放射インピーダンスが説明できる。D2:3
14週 大地上の水平半波長アンテナ 相互放射インピーダンスが説明できる。D2:3
15週 大地上の垂直半波長アンテナ 電波の基本的な問題が解ける。D1:2
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。2
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。2
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。2
磁界中の電流に作用する力を説明できる。2
磁気エネルギーを説明できる。2
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明できる。3
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合85200130100
基礎的能力0000000
専門的能力85200130100
分野横断的能力0000000