電気通信システムB

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気通信システムB
科目番号 2147 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 通信ネットワーク工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書: 武部幹,田中公男,橋本秀雄 共著, 大学課程「情報伝送工学」オーム社
担当教員 井上 忠照

到達目標

ディジタル通信を実現する方法に関する具体的知識を習得する。また,電気通信主任技術者試験科目「伝送」に関係した基礎知識を獲得する。
(1) アナログ信号をディジタル信号として伝送し復元する回路について理解説明できる。
(2) 信号の伝送理論と実際を理解する。
(3) フィルタの理論と実際を理解する。
(4) 信号同期技術を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
PCM方式への理解PCMによりアナログ信号を伝送するためのシステム条件を設定できる。標本化,量子化,符号化,復号化,低域ろ波の各過程を説明できる。符号によりアナログ信号の伝送ができることを説明できない。
信号伝送への理解3R中継を含む,信号伝送の概要を説明できる。ディジタルベースバンド伝送系の概要を説明できる。パルス信号の伝送方法を複数説明できない。
回路技術への理解PCM方式による信号伝送での誤差要因を説明できる。標本化,量子化,符号化,復号化,低域ろ波を実現する回路原理を説明できる。アナログ信号をディジタル符号とする原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 この科目は,企業で通信用測定機器の技術開発業務を担当していた教員の経験を活かし,ディジタル通信における要素技術について,具体的な実現方法を講義形式で授業するものである。
 ディジタル通信を実現する方法に関する具体的知識を習得する。また,電気通信主任技術者試験科目「伝送」に関係した基礎知識を獲得する。
(1) アナログ信号をディジタル信号として伝送し復元する回路について理解説明できる。
(2) 信号の伝送理論と実際を理解する。
(3) フィルタの理論と実際を理解する。
(4) 信号同期技術を理解する。
授業の進め方・方法:
講義による。
注意点:
工事担任者「電気通信技術の基礎」の科目免除には,本科目または電気通信システムAのいずれかの単位取得が必要です。電気通信主任技術者の国家試験受験者は,本科目を履修しておくことが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 通信システムの基本:第1章
予習:教科書第1章を読んでおく。
復習:「通信システムのモデル」を調査する。
下記項目について説明できること。
電気通信システムの概要
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
2週 標本化定理と標本化:第2章
予習:教科書第2章を読んでおく。
復習:標本化定理の証明について理解する。波形ひずみとエコーの関係を整理する。
標本化定理,折り返し雑音,標本化回路,保持回路,アパーチャ効果
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
3週 ケーブルの構造と特性:第3章
予習:3年次科目「電気回路Ⅱ」教科書第7章を読んでおく。
復習:教科書第3章の内容の要点整理をする。
平衡対ケーブル,同軸ケーブル,光ファイバケーブル
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
4週 量子化:第5章
予習:教科書pp.104-108を読んでおく。線形量子化と非線型量子化について調べておく。
復習:量子化雑音の影響を軽減する方法を整理する。
線形量子化,非線型量子化,圧伸特性,量子化雑音,過負荷雑音
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
5週 符号化と符号化回路
予習:計数型符号器,帰還形符号器,縦続型符号器,並列型符号器について調べておく。
復習:各種の符号化回路,符号器の長所・短所について整理する。
各種の符号化回路
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
6週 符号化と復号化回路
予習:はしご形回路を使った復号化回路について調べておく。
復習:電流供給はしご形回路と電圧供給はしご形回路について整理する。
各種の復号化回路
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
7週 高能率符号化方式:第5章
予習:教科書第5章pp.109-118を読んでおく。
復習:デルタ変調を実現する回路構成を考案する。
PCM, DPCM,デルタ変調, ADPCM
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
8週 後期中間試験
4thQ
9週 ベースバンドパルス伝送
予習:教科書第6章pp.120-139 を読んでおく。
復習:ベースバンド伝送系の基本構成を整理する。
伝送系モデル
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
10週 中継伝送 :第6章
予習:教科書第6章pp.139-160 を読んでおく。
復習:3R中継器について整理する。
再生中継,3R機能
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
11週 波形等化
予習:教科書第6章pp.121-126,pp.134--139 を再読しておく。
復習:トランスバーサルフィルタの特徴を整理する。
等化フィルタ,トランスバーサルフィルタ
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
12週 リタイミングとジッタ
予習:L, C によるタンク回路の動作について調べておく。
復習:ジッタを低減する方策を考えてみる。
タイミング回路,ジッタ
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
13週 伝送路符号化
予習:教科書第6章pp.148-158 を再読しておく。
復習:各種符号の特徴を整理する。
伝送路符号
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
14週 誤り率推定
予習:教科書pp.142-148 を再読しておく。不規則信号の理論について調べておく。
復習:誤り率推定の考え方について整理する。
不規則信号,雑音の統計的性質,AWGN,誤差関数,アイパターン
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
15週 ディジタル変復調方式:第7章
予習:教科書第7章pp.161-205 を読んでおく。
復習:ASKからQAMに至る開発の経緯を整理する。
ASK, PSK, FSK, CPSK, MSK GMSK, QAM
D2:1-3, D3:1,2, D4:1, D5:1
16週 答案返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000