物理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理学Ⅱ
科目番号 1132 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子システム工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 植松 恒夫,酒井 啓司,下田 正 編「総合物理1」(啓林館),ステップアップノート物理 改訂版(啓林館),担当教員が作成した資料
担当教員 白幡 泰浩

到達目標

・理工学の基礎となる物理学における基本的な概念や原理・法則を理解することで,科学的な考え方を定着させる.
・微分と積分を使って,単振動する物体の位置・速度・加速度や,万有引力によるエネルギーについて説明できるようになる.
・環境面に配慮して工学に取り組むための基本的なアースサイエンスの知識を身に付ける.
・物理学実験を通じて,有効数字を考慮してデータを集計し,実験報告書を決められた形式で作成できるようになる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1円運動,単振動,万有引力について理解でき,かつ基礎的な計算ができる.円運動,単振動,万有引力について理解でき,かつ基礎的な計算ができる.円運動,単振動,万有引力について理解できず,かつ基礎的な計算ができない.
評価項目2熱容量,比熱,熱量,気体の内部エネルギーについて理解でき,かつ基礎的な計算ができる.熱容量,比熱,熱量,気体の内部エネルギーについて理解でき,かつ基礎的な計算ができる.熱容量,比熱,熱量,気体の内部エネルギーについて理解できず,かつ基礎的な計算ができない.
評価項目3波動について理解でき,かつ基礎的な計算ができる.波動について理解でき,かつ基礎的な計算ができる.波動について理解できず,かつ基礎的な計算ができない.
評価項目4光波や音波について理解でき,かつ基礎的な計算ができる.光波や音波について理解でき,かつ基礎的な計算ができる.光波や音波について理解できず,かつ基礎的な計算ができない.
評価項目5微分と積分を使って,単振動する物体の位置・速度・加速度や,万有引力によるエネルギーについて説明できる.微分と積分を使って,単振動する物体の位置・速度・加速度や,万有引力によるエネルギーについて説明できる.微分と積分を使って,単振動する物体の位置・速度・加速度や,万有引力によるエネルギーについて説明できない.
評価項目6環境面に配慮して工学に取り組むための基礎的なアースサイエンスの知識を身に付けることができる.環境面に配慮して工学に取り組むための基礎的なアースサイエンスの知識を身に付けることができる.環境面に配慮して工学に取り組むための基礎的なアースサイエンスの知識を身に付けることができない.
評価項目7実験装置や測定機器の取り扱い方を理解し,安全を確保した上で実験装置や測定機器の基本的な操作を行うことができる.また,有効数字を考慮してデータを集計し,決められた形式に則って実験報告書を作成できる.実験装置や測定機器の取り扱い方を理解し,安全を確保した上で実験装置や測定機器の基本的な操作を行うことができる.また,有効数字を考慮してデータを集計し,決められた形式に則って実験報告書を作成できる.実験装置や測定機器の取り扱い方を理解できず,安全を確保した上で実験装置や測定機器の基本的な操作を行うことができない.また,有効数字を考慮してデータを集計できず,決められた形式に則って実験報告書を作成できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では,
・物理学Iから引き続き,力学に関する単元を学習する.
・熱,波,音,光に関する単元を学習する.
・地球の概観,地球の内部と活動,大気と海洋に関する単元を学習する.
物理学実験では,
・有効数字を考慮してデータを集計し,実験報告書を決められた形式で作成する.
・安全を確保した上で,測定機器の基本的な操作を行う.
・役割を分担して相互に協力して作業できる能力と,自他の行動を判断し,チームで課題に取り組む能力を養う.
授業の進め方・方法:
・教科書および担当教員が作成する資料を使用して,講義形式で授業を進める.
・授業で学習した原理や法則を理解したことを確認するために小テストを実施する.また,復習用ノートを用意し,定期試験等を解き直してもらう.ノートは,適宜提出してもらう.
・実験を通じて,物理学で必要な考え方,実験手法,実験報告書の書き方を理解し,実践してもらう.
注意点:
・前期・後期とも,定期試験を80%,ポートフォリオ(小テスト・提出物・宿題など)を20%の比率で評価する.
・各定期試験後の再試験は実施しない.追試験については教務係への書類提出および担当教員との日程調整を必須とし,両方が完了した後,追試験を実施する.
・定期試験とは別に,Computer Based Testing(CBT)を後期に実施予定である.日程と試験範囲については,決定次第連絡する.
・授業に関する連絡は,マイクロソフト社の「Teams」で行う.ログインに必要なIDとパスワードを記憶しておくこと.本授業が遠隔授業形式となった場合,Teamsによる遠隔授業を行う.
・オフィスアワー:毎週木曜日 放課後~17時

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 円運動 円運動をする物体の角速度,周期,回転数,速度,加速度に関する基礎的な計算ができる.D1:1-3
2週 向心力,慣性力,遠心力 等速円運動をする物体の向心力に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
慣性力と遠心力に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
3週 単振動 単振動に関する基礎的な計算ができる.D1:1-3
4週 ばね振り子,単振り子 ばね振り子と単振り子に関する基礎的な計算ができる.D1:1-3
5週 万有引力 万有引力の法則に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
6週 万有引力による位置エネルギー
微分・積分を用いた単振動に関する計算
積分を用いた万有引力に関する計算
万有引力による位置エネルギーに関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
微分積分を単振動や万有引力に関する基礎的な計算に利用できる.D1:1-2
7週 演習1 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
8週 前期中間試験 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
2ndQ
9週 試験返却,熱と熱量 熱と熱量に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
10週 熱と物質の状態
熱と仕事
熱と物質の状態、熱と仕事に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
11週 実験1 実験装置や測定機器の取り扱い方を理解し,安全を確保した上で実験装置や測定機器基本的な操作を行うことができる.また,有効数字を考慮してデータを集計し,決められた形式に則って実験報告書を作成できる.B3:1-3,D1:1-3,E6:1-3
12週 不可逆変化
熱機関
不可逆変化及び熱機関に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
13週 波の伝わり方
波の波長・周期・振動数・速さに関する基礎的な計算ができる.D1:1-3
14週 横波と縦波
位相
波の独立性
波の重ね合わせ
横波と縦波に関する説明ができる.D1:1-3
波の独立性,波の重ね合わせに関する説明ができる.D1:1-3
15週 演習2 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
16週 前期期末試験・試験返却 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
後期
3rdQ
1週 自由端反射と固定端反射
波の干渉・回折・反射・屈折
自由端反射,固定端反射に関する説明ができ,かつ基礎的な計算及び作図ができる.D1:1-3
ホイヘンスの原理を説明できる.D1:1-3
波の性質(干渉・回折・反射・屈折)に関する説明ができ,これらに関する基礎的な計算ができる.D1:1-3
2週 音波,音の速さ,音の三要素 音波,音の速さ,音の三要素に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
3週 音波の性質(干渉・回折・反射・屈折)
うなり
音波の性質(干渉・回折・反射・屈折)とうなりに関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
4週 共振・共鳴,弦の固有振動 共振、共鳴現象に関する説明ができ,具体例を挙げることができる.D1:1-3
弦の固有振動に関する説明ができ,かつ基礎的な計算及び作図ができる.D1:1-3
5週 気柱の固有振動 気柱の固有振動に関する説明ができ,かつ基礎的な計算及び作図ができる.D1:1-3
6週 ドップラー効果 ドップラー効果に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
7週 演習3 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
8週 後期中間試験 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
4thQ
9週 試験返却,光の性質(1)(光の速さ,反射と屈折,全反射,偏光) 光の速さ,反射と屈折,全反射に関する説明ができ,かつ基礎的な計算及び作図ができる.D1:1-3
10週 光の性質(2)(光のスペクトルと分散,光の散乱・回折・干渉) 光のスペクトルと分散,光の散乱,回折,干渉に関する説明ができ,かつ基礎的な計算ができる.D1:1-3
11週 実験2 測定機器などの取り扱い方を理解し,安全を確保した上で,基本的な操作を行うことができる.また,有効数字を考慮してデータを集計し,決められた形式に則って実験報告書を作成できる.B3:1-3,D1:1-3,E6:1-3
12週 地球の概観 地球の概観に関する説明ができる.D1:1-3
13週 地球の内部と活動 地球の内部と活動に関する説明ができる.D1:1-3
14週 大気と海洋 大気と海洋に関する説明ができる.D1:1-3
15週 演習4 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
16週 後期期末試験・試験返却 有効数字を理解した上で,今までの学習内容を総合的に使うことができる.D1:1-3

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前3,前7,前8
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前3,前4,前6,前7,前8
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1,前2,前7,前8
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前5,前7,前8
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前5,前6,前7,前8
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前9,前15,前16
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前9,前15,前16
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前9,前15,前16
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前9,前15,前16
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前10,前15,前16
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前10,前15,前16
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前10,前15,前16
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前10,前15,前16
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前12,前15,前16
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前12,前15,前16
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前12,前15,前16
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前13,前15,前16
横波と縦波の違いについて説明できる。3前14,前15,前16
波の重ね合わせの原理について説明できる。3前14,前15,前16
波の独立性について説明できる。3前14,前15,前16
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3後1,後7,後8
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3後1,後7,後8
ホイヘンスの原理について説明できる。3後1,後7,後8
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後1,後3,後7,後8
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後2,後4,後7,後8
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後5,後7,後8
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後4,後7,後8
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後6,後7,後8
自然光と偏光の違いについて説明できる。3後9,後15,後16
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3後9,後15,後16
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3後10,後15,後16
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前11,後11
安全を確保して、実験を行うことができる。3前11,後11
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前11,後11
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前11,後11
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前11,後11
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前11,後11
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前11,後11
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前11,後11
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前11,後11
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前11,後11
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3後12,後15,後16
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3後12,後15,後16
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3後12,後15,後16
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3後13,後15,後16
マグマの生成と火山活動を説明できる。3後13,後15,後16
地震の発生と断層運動について説明できる。3後13,後15,後16
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3後13,後15,後16
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3後13,後15,後16
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3後14,後15,後16
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3後14,後15,後16
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3後14,後15,後16
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3後14,後15,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000