電子工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子工学
科目番号 3115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子システム工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:西村信雄、落合謙三 共著「改訂 電子工学」コロナ社
担当教員 三崎 幸典

到達目標

1.電子の基本的な性質を説明できる。
2.孤立原子内および結晶内の電子のエネルギー状態を説明できる。
3.固体からの電子放出現象について説明できる。
4.電界および磁界中の電子の運動を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の基本的な性質を数式を用いて説明できる。電子の基本的な性質を定性的に説明できる。電子の基本的な性質を説明できない。
評価項目2孤立原子内および結晶内の電子のエネルギー状態を数式を用いて説明できる。孤立原子内および結晶内の電子のエネルギー状態を定性的に説明できる。孤立原子内および結晶内の電子のエネルギー状態を説明できない。
評価項目3固体からの電子放出現象について数式を用いて説明できる。固体からの電子放出現象について定性的に説明できる。固体からの電子放出現象について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子工学は,半導体物性や半導体デバイスを学ぶための基礎となる重要な科目である。はじめに,真空中や孤立原子内,また結晶内の電子の性質と関連する物理現象ついて学習する。さらに、電界や磁界を用いて電子の運動を制御すること可能であることを学習する。
授業の進め方・方法:
教科書の内容をベースに板書しながら授業を進める。試験は板書の内容を中心に行う。カリキュラムの関係上まだ学んでいない数学などは,その都度解説する。
注意点:
第二級陸上無線技術士国家試験「無線工学の基礎」の科目免除には,本科目の単位取得が必要。
オフィスアワーは月曜日15時15分~16時、金曜日15時15分~16時とします。但しそれ以外も受け付けます。必ずmisaki(at)es.kagawa-nct.ac.jp(atは@に変更)にメールして日程調整して下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
電子の性質と物理現象:電子工学の歴史
電子の電荷および質量が測定された歴史を説明できる。
2週 電子の性質と物理現象:電子の質量と電荷 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
3週 電子の性質と物理現象:電子の波動性と粒子性 電子が波動性と粒子性を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
4週 電子の性質と物理現象:電子の波動性と粒子性 電子が波動性と粒子性を説明できる。
5週 電子の性質と物理現象:電子と電流 電子と電流、電荷密度の関係を説明できる。
6週 電子の性質と物理現象:電子の運動エネルギー エレクトロンボルトの定義を説明し、ジュールとの単位変換ができる。D1:1-2, D2:1-2
7週 電子の性質と物理現象:電子の運動エネルギー エレクトロンボルトの定義を説明し、ジュールとの単位変換ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却と解説
10週 孤立原子内および結晶内の電子:ボーアの理論(量子条件・振動条件) 原子の構造を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
11週 孤立原子内および結晶内の電子:ボーアの理論(量子条件・振動条件) ボーアの量子条件と振動条件を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
12週 孤立原子内および結晶内の電子:電子殻とエネルギー準位 パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
13週 孤立原子内および結晶内の電子:結晶のエネルギーバンド 結晶におけるエネルギーバンドの形成を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
14週 孤立原子内および結晶内の電子:フェルミ準位 フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
15週 前期期末試験
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 電子放出:熱電子放出 熱電子放出について現象を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
2週 電子放出:電界放出 電界放出について現象を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
3週 電子放出:電界放出 電界放出について現象を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
4週 電子放出:光電子放出 光電子放出について現象を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
5週 電子放出:光電子放出 光電子放出について現象を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
6週 電子放出:二次電子放出 二次電子放出について現象を説明できる。D1:1-2, D2:1-2
7週 電子放出:二次電子放出 二次電子放出について現象を説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説
10週 電界および磁界中の電子の運動:電界中の電子の運動 一様な電界中の電子の運動について数式を用いて解析できる。D1:1-2, D2:1-2
11週 電界および磁界中の電子の運動:電界中の電子の運動 一様な電界中の電子の運動について数式を用いて解析できる。D1:1-2, D2:1-2
12週 電界および磁界中の電子の運動:磁界中の電子の運動 一様な磁界中の電子の運動について数式を用いて解析できる。D1:1-2, D2:1-2
13週 電界および磁界中の電子の運動:磁界中の電子の運動 一様な磁界中の電子の運動について数式を用いて解析できる。D1:1-2, D2:1-2
14週 電界および磁界中の電子の運動:電磁界中の電子の運動 電界と磁界の両方が存在する空間の電子の運動について数式を用いて解析できる。D1:1-2, D2:1-2
15週 後期期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前3
原子の構造を説明できる。3前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前12
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前13,前14
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前14

評価割合

試験ノートチェック合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100