制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 3127 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子システム工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 豊橋技術科学大学・高等専門学校 制御工学教育連携プロジェクト 編著「専門基礎ライブラリー 制御工学 ―技術者のための、理論・設計から実装まで―」実教出版 ISBN 978-4-407-32575-1,参考図書:高専の数学教材研究会 編集「高専テキストシリーズ 応用数学」森北出版 ISBN 978-4-627-05551-3,岡田昌史 著「システム制御の基礎と応用」数理工学社 ISBN 978-4-901683-52-4,川谷亮治 著 「フリーソフトで学ぶ線形制御-Maxima/Scilab 活用法」森北出版 ISBN 978-4-627-91941-9,橋本洋志ほか著「Scilab で学ぶシステム制御の基礎」オーム社 ISBN 978-4-274-20388-6
担当教員 吉岡 源太

到達目標

1. システムのモデル化,および伝達関数の導出ができる。D2:1-3
2. ブロック線図による表現や組み換えができる。D2:1-3
3. システムの安定性を判別し,安定なフィードバックシステムを構成できる。D2:1-3
4. システムの過渡特性,定常特性,周波数特性について理解できる。D2:1-3
5. シミュレーションや特性解析ができる。D4:1

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
システムのモデル化について応用的な問題に対して,システムをモデル化し,伝達関数を導出できる。簡単なシステムについてモデル化の手順を理解し,伝達関数の導出ができる。システムのモデル化,および伝達関数の導出ができない。
ブロック線図を用いたフィードバックシステムの伝達関数の導出様々なフィードバックシステムのブロック線図から,入出力のみならず誤差や外乱に関する伝達関数を導出できる。ブロック線図が理解でき,代表的なフィードバックシステムのシステムの入出力関係を示す伝達関数を導出できる。ブロック線図の仕組みを理解できず,フィードバックシステム全体の伝達関数を導出できない。
システムの安定判別様々なシステムの安定性を判別し,安定なフィードバックシステムを構成できる。簡単なシステムの安定性を判別でき,安定なフィードバックシステムを構成する手法の幾つかを理解できる。システムの安定性を判別できず,安定なフィードバックシステムを構成できない。
システムの過渡特性,定常特性,周波数特性についてシステムの過渡特性,定常特性,周波数特性を理解し,説明できる。 システムの過渡特性,定常特性,周波数特性について理解できる。 システムの過渡特性,定常特性,周波数特性について理解できない。
システムのシミュレーション様々なシステムに対し,シミュレーションや特性解析ができる。システムのシミュレーションや諸特性の表示を理解できる。シミュレーションや特性解析ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
あらゆる工業分野において,フィードバック制御による工程の自動化・省力化が広く浸透し,いまや産業界を支える技術の大きな柱となっている。このフィードバック制御系の基礎的事項について理解するとともに,周波数応答を中心とした古典制御理論を理解する。さらに,シミュレーション演習や実機実験などを通じ,制御工学を感覚的に理解してもらう。
授業の進め方・方法:
基礎的な事項について学んだ後,Excel,Pythonによる実習を中心とした演習を実施する。基本的には教科書に沿いながらも,前期の段階でフィードバック制御を取り上げることにより,制御工学の全体像を早めにつかんでもらう。また,実際に自分で考えて課題を解決する演習を多く取り入れる。演習では学んだことを課題に応用するとともに,そこから基礎に立ち返ることで,各トピックに対する理解を深めていく。
注意点:
授業で学ぶ、Pythonを使った解析は制御工学に限らず様々な分野に応用可能なため,セミナーや卒業研究で活用してもらいたい。
オフィスアワーは講義日の16:00~17:00を原則とするが、この時間以外でも在室時は対応する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(制御工学の全体像) システムの表現とフィードバック制御の基本を理解する。
2週 ラプラス変換と伝達関数 ラプラス変換について理解する。D1:1,2
3週 ラプラス変換と伝達関数 ラプラス変換について理解する。D1:1,2
4週 システムのモデル化とシミュレーション(RLC回路) システムをモデル化し,微分方程式を導出できる。伝達関数を用いてシステムの入出力を表現できる。D2:1-3,E1:1,2
5週 シミュレーションとシステムの特性(RLC回路) システムをモデル化し,微分方程式を導出できる。伝達関数を用いてシステムの入出力を表現できる。D2:1-3,E1:1,2
6週 フィードバックシステムとブロック線図 ブロック線図によるシステムの表現が理解できる。D2:1-3
7週 フィードバックシステムとブロック線図 ブロック線図によるシステムの表現が理解できる。D2:1-3
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却・時間応答 入力に対する伝達関数の応答について理解する。D2:1-3
10週 伝達関数の極と安定性 伝達関数の極による安定判別を説明できる。D2:1-3
11週 フィードバックシステムの安定性 伝達関数の極による安定性判別を説明できる。D2:1-3
12週 PID制御について PID制御システムについて理解する。D4:1,E1:1,2
13週 PID制御のシミュレーション 制御系システムをシミュレーションできる。D4:1,E1:1,2
14週 試験前演習 前期中に実施した内容を復習。D2:1-3
15週 前期期末試験
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 前期のまとめと補足,周波数特性 システムの表現と特性解析,フィードバック制御の基本を理解する。D2:1-3
2週 周波数特性(ボード線図) 周波数特性について理解できる。D2:1-3
3週 周波数特性(ボード線図) 制御系の特性解析が理解できる。D2:1-3,E1:1,2
4週 極配置による安定化 フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。D2:1-3
5週 周波数特性(ベクトル軌跡) 周波数特性について理解できる。D2:1-3
6週 周波数特性(ベクトル軌跡) 特性解析が理解できる。D2:1-3, E1:1,2
7週 ナイキストの安定判別 フィードバックシステムの安定判別法を説明できる。D2:1-3
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・フィーバックシステムの評価 フィードバックシステムの評価方法について理解する。D4:1
10週 フィーバックシステムの評価 フィードバックシステムの評価方法について理解する。D4:1
11週 フィルタ 計測制御の方法について理解する。D4:1
12週 ディジタルフィルタ 計測制御の方法について理解する。D4:1
13週 ディジタルフィルタ 計測制御の方法について理解する。D4:1
14週 演習(周波数特性) 制御系の過渡特性,定常特性,周波数特性について理解し,説明できる。D2:1-3
15週 後期期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4前2,前3,前4,前5,後12
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4前7,前8,前13,後7,後12
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4前7,前10,後4,後13
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4前7,前10,前13,後14
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後1,後2,後3,後6,後7,後9
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4前11,前12,前14,後8,後9,後14

評価割合

試験提出課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000