工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工学実験Ⅰ
科目番号 3129 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電子システム工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 自作テキスト
担当教員 長岡 史郎,矢木 正和,月本 功,清水 共

到達目標

1. 回路,通信,計算機,ディバイスの専門技術に関する基礎知識を学習し,それらをデザイン, 問題発見,問題解決に応用できる能力を培う。
2. 物事を論理的に考えて,文章で記述できる能力を培う。
3. 学習目標を立て,計画的に継続して学習できる能力を培う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
提出期限内に報告書を提出する提出期限内に報告書を提出した提出期限内に報告書を提出した提出期限内に報告書を提出しなかった
体裁(含原理・実験方法)が整った報告書を作成できる験報告書として,十分な体裁が整っている実験報告書として,一応の体裁が整っている実験報告書として,体裁が整っていない
実験データの取得及び処理が適切に行える実験データの取得・処理が理想的な内容で行えている実験データの取得・処理が適切に行えている実験データの取得・処理が適切に行えていない
実験結果に対する検討・考察が適切に行える実験結果に対する検討・考察が理想的な内容で行えている実験結果に対する検討・考察が適切に行えている実験結果に対する検討・考察が適切に行えていない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子回路を自ら設計製作し,その製作した回路を用いて与えられた課題について実験を行うという工学的色彩の強い実験を行う。この科目は企業での電子回路応用製品の設計・開発を担当していた教員が,その経験を活かし,ディジタル回路およびアナログ回路の設計製作等について実験・演習形式で授業を行うものである。
ディジタル回路及びアナログ回路の基礎を理解するため、実験はプロジェクト型の構成になっている。この回路を設計製作する実験では,
(1) 各素子の入出力特性を説明できる能力
(2) その特性を使って,仕様を満たす回路を設計できる能力
(3) 製作技能を習得して,設計した回路を製作できる能力
(4) 回路の動作を説明でき,実測して確かめることができる能力
(5) 観測により製作した回路の問題点を発見でき,問題点を解決できる能力
(6) 自分の役割を理解し,作業を遂行できる能力
(7) 理論的に考え,自分の考えを報告書に記述できる能力
(8) 情報機器を活用して報告書を作成できる能力
を培うことを目的とする。
授業の進め方・方法:
1班2名(一部3名)で,協力し合い全員が同じ実験を行う。
実験は,設計製作したものを使って次の実験を行うプロジェクト型の実験なので,各回の実験できちん設計製作し,特性を測定して仕様を満たしていることを確認する。一連の実験の前に講義を行う。
注意点:
工学実験を欠課した場合は、必ず補充実験を行い、レポートを提出して下さい。実験を1度でも行っていない場合は不可となり、学科指定科目のため留年になります。また欠課時の実験をレポートのみ提出しても受け付けません。
第二級陸上無線技術士国家試験「無線工学の基礎」の科目免除には、本科目の単位取得が必要。
この科目は指定科目です。この科目の単位修得が進級要件となりますので,必ず修得して下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・講義 工学実験Ⅰの目標、1年間で実施する実験項目を理解する。また,機器の不正使用などの情報セキュリティーに関する知識を得る。
ディジタル集積回路の基礎とその基本的な特性測定を理解する。
2週 ディジタル回路Ⅰ(1) ディジタル集積回路の基礎特性を測定できる。D2:3
3週 ディジタル回路Ⅰ(2) ディジタル集積回路を使った応用として、発振器を設計製作でき、動作特性を測定できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
4週 動作確認・レポート作成・講義 測定データを処理し、レポートにまとめる事ができる。
集積化されたNAND素子の動作原理を理解する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
5週 ディジタル回路Ⅱ(1) 波形成型回路の設計製作ができる。
D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
6週 ディジタル回路Ⅱ(2) 波形成型回路の特性が測定できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
7週 動作確認・レポート作成・講義 パルス幅決定(用単安定)回路の動作を理解する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
8週 ディジタル回路Ⅲ(1) パルス幅決定用単安定回路を設計製作できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
2ndQ
9週 ディジタル回路Ⅲ(2) 設計製作したパルス幅決定用単安定回路を評価できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
10週 動作確認・レポート作成・講義 演算増幅回路を理解する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
11週 演算増幅回路の製作と特性測定(1) 入力特性、出力特性の測定用回路を作製し、特性測定ができる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
12週 演算増幅回路の製作と特性測定(2) 演算増幅器を用いた増幅回路、加減算回路、フィルタを設計製作評価し、演算増幅の基本動作の理解を深める。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
13週 補充実験・レポート作成・講義 レポート作成に必要なデータ棟を確認し、不足があれば追加実験する。
双安定マルチバイブレータを理解する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
14週 双安定マルチバイブレータ(1) トランジスタを用いた双安定マルチバイブレータを設計製作し、動作特性を測定する。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
15週 テスト返却・講義
ディジタル回路Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに着いての理解度を確認復習する。
16週
後期
3rdQ
1週 双安定マルチバイブレータ(2) トランジスタを用いた双安定マルチバイブレータを設計製作し、動作特性を測定する。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
2週 補充実験・レポート作成・講義
バイポーラトランジスタのエミッタ接地回路において、その静特性を理解する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
3週 トランジスタ増幅 (1) 電流増幅特性、電圧増幅特性が測定できる。一連の測定結果をもとに、直流バイアス回路定数の選定ができ、エミッタ接地の増幅回路が設計できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
4週 トランジスタ増幅 (2) 設計したエミッタ接地トランジスタ増幅回路を製作でき、入出力特性および周波数特性が測定できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
5週 トランジスタ増幅 (3) 設計したエミッタ接地トランジスタ増幅回路を製作でき、入出力特性および周波数特性が測定できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
6週 補充実験・レポート作成・講義 レポート作成に必要なデータ等を確認し、不足があれば追加実験をする。
CR発振回路について、発振のための周波数条件、電流振幅条件を理解する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
7週 CR発振回路 (1) CR発振回路移相器を設計、製作できる。移相器の特性を測定できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
8週 CR発振回路 (2) CR移相型発振回路を設計製作でき、周波数特性を測定できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
4thQ
9週 補充実験・レポート作成・講義 レポート作成に必要なデータ棟を確認し、不足があれば追加実験する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
10週 振幅変調回路 (1) 振幅変調回路を理解する。
トランジスタベース変調を製作し、変調特性を測定できる。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
11週 振幅変調回路 (2) トランジスタベース変調を製作し、変調特性を測定できる。
D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
12週 補充実験・レポート作成・講義 レポート作成に必要なデータ棟を確認し、不足があれば追加実験する。
検波回路を理解する。 C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
13週 検波回路 崩落線検波回路を製作し、検波特性及び定数最適化について考察、実験で確認する。 D2:3, E4:2, E5:2, E6:3
14週 補充実験・レポート作成 アナログ回路の一連の実験項目の理解度を確認、理解を深めるとともに、理解を定着させる。C1:1, C2:1-2, C3:1-2,B2:1-2
15週 テスト返却日 アナログ回路の一連の実験項目の理解度を確認、理解を深めるとともに、理解を定着させる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15,前16,後1,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後11,後12
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前16,後1,後3,後4,後6,後8,後9,後11,後12
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前4,前7,前10,前14,後2,後5,後7,後10,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前4,前7,前10,前14,後2,後5,後7,後10,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前4,前7,前10,前14,後2,後5,後7,後10,後13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前4,前7,前10,前14,後2,後5,後7,後10,後13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前4,前7,前10,前14,後2,後5,後7,後10,後13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前16,後1,後3,後4,後6,後8,後9,後11,後12
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前16,後1,後3,後4,後6,後8,後9,後11,後12
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前16,後1,後3,後4,後6,後8,後9,後11,後12
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前4,前7,前10,前14,後2,後5,後7,後10,後13
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前3,前6,前11,前14,後3,後4,後5,後10,後11,後13
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前2,前3,前6,前9,前11,後1,後3,後4,後5,後7,後10,後11,後13
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前16,後1,後3,後4,後6,後8,後9,後11,後12
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3前14,後1,後3,後4
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3前14,後1,後3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3後5,後7
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3前11,前12,前13,前14,後11,後12,後13
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3前11,前12,前13,前14
ディジタルICの使用方法を習得する。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050