到達目標
電気電子情報関連技術を支える種々のデバイスの実現の鍵を握る電気・電子材料、すなわち導電材料、絶縁材料、半導体材料、磁性材料さらには超伝導体や有機高分子材料の基本的な物理的特徴について、これまで学習してきた電磁気学、応用物理、半導体工学における固体物理に関する知識をもとに、その基本的な項目を具体的な物理的イメージを描きながら理解する。そして、これらの材料が実際にどのように応用されているかを理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
原子内の電子配列が説明できる | 原子内の電子配列を理解し、説明もできる。 | 原子内の電子配列が概ね説明できる | 原子内の電子配列が説明ができていない。 |
原子間の結合、原子配列が説明できる。 | 原子間の結合、原子配列を理解し、説明できる。 | 原子間の結合、原子配列を概ね説明できる。 | 原子間の結合、原子配列が説明できない。 |
金属の導電現象が説明できる。 | 金属の導電現象を理解し、説明ができる。 | 金属の導電現象を概ね説明できる。 | 金属の導電現象が説明できるない。 |
誘電体の電気的性質について説明できる。 | 誘電体の電気的性質について理解し、説明できる。 | 誘電体の電気的性質について概ね説明できる。 | 誘電体の電気的性質について説明できない。 |
半導体材料の種類、特徴、用途について説明できる。 | 半導体材料の種類、特徴、用途について理解し、説明できる。 | 半導体材料の種類、特徴、用途について概ね説明できる。 | 半導体材料の種類、特徴、用途について説明できない。 |
磁性体の性質について説明できる。 | 磁性体の性質について理解し、説明できる。 | 磁性体の性質について概ね説明できる。 | 磁性体の性質について説明できない。 |
磁気記録への応用について説明できる。 | 磁気記録への応用について理解し、説明できる。 | 磁気記録への応用について概ね説明できる。 | 磁気記録への応用について説明できない。 |
超伝導体の基本的性質を説明できる。 | 超伝導体の基本的性質を理解し、説明できる。 | 超伝導体の基本的性質を概ね説明できる。 | 超伝導体の基本的性質を説明できない。 |
発光受光のメカニズムが説明できる。 | 発光受光のメカニズムを理解し、説明できる。 | 発光受光のメカニズムを概ね説明できる。 | 発光受光のメカニズムが説明できない。 |
光に関する簡単な計算ができる。 | 光に関する簡単な計算ができ説明できる。 | 光に関する簡単な計算が概ねできる。 | 光に関する簡単な計算ができない。 |
材料評価方法について説明できる。 | 材料評価方法を理解し、説明できる。 | 材料評価方法について概ね説明できる。 | 材料評価方法について説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この科目は,企業で電子材料工学を研究していた教員が,その経験を活かし,導電体,絶縁体,磁性材料ならびに超伝導体及び有機高分子材料について、これまで学んできた固体物理学に関する知識をもとに講義を進める。
これらの材料が有する物理的特徴をふまえ,それらの応用について述べる。さらに,それらの特徴を生かすため現実的なデバイスでどのように利用されているかを講義する。
14年間の企業における研究開発で経験した集積回路用新規放射線レジストの研究開発、開発したレジストの上市とユーザ対応、超伝導磁束計の研究、光磁気ディスクのマスタリングと生産支援及びAS-MO研究等の経験を活かし、実際のデータ等を用いて講義する。
授業の進め方・方法:
教科書を基に,例題を取り上げながら講義する。講義で学んだことは,さらに演習・レポートにより復習し習熟度を高める。
この科目は学修単位のため,事前学習と事後学習が必要である。事前学習として、次回の講義内容に関する要点を予告するので、それらについて予習をしておくこと、また事後学習として、講義中に演習問題や課題等を出題するので、それらの解答を報告書にまとめることを課す。
注意点:
試験を80 %,レポートを20%の比率で評価する。
オフィスアワー:火曜日(放課後-17:00)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 電気・電子材料の物性 |
この授業で学習する内容を理解する。
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2週 |
電気・電子材料の物性 原子構造 ボーア模型、水素原子 |
電気・電子材料の物性とはなにか説明できる。ボーア模型を説明できる。 D1:1,2
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3週 |
原子内の電子配列 イオン結合,、共有結合、ファンデル・ワールス力 |
原子内の電子配列を説明できる。 結合力の元になる各結合を説明できる。 D1:1,2, D3:1,2
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4週 |
水素結合 金属結合 結晶 結晶の種類と結晶構造 |
水素結合、金属結合を説明できる。 D1:1,2, D3:1,2
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5週 |
結晶の種類と結晶構造 回折、反射 ミラー指数 |
結晶の種類と結晶構造を説明できる。
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6週 |
逆格子 熱力学と統計力学 |
逆格子を説明できる。
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7週 |
統計の種類とその分布関数 |
統計の種類を説明できる。 分布関数を使った計算ができる。
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8週 |
前期中間試験 答案返却、問題解説 |
到達度を確認する。
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2ndQ |
9週 |
帯理論 金属内の自由電子 逆格子 |
帯理論を説明できる。 金属内の自由電子を説明できる。 逆格子を説明できる。
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10週 |
帯理論 帯構造からみた導体、絶縁体および半導体 |
帯理論によるバンドの形成を説明できる。
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11週 |
帯構造からみた導体、絶縁体および半導体 |
絶縁体、導体、半導体の違いを説明できる。
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12週 |
帯構造からみた導体、絶縁体および半導体 |
絶縁体、導体、半導体の違いを説明できる。D2:1,2 D3:1,2
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13週 |
導電・抵抗材料 金属中の電気伝導 金属の化学組成と電気伝導 金属導電材料の特性 |
導電・抵抗材料とはなにか説明できる。 金属の電気伝導、金属導電材料の特性を説明できる。D2:1,2 D3:1,2
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14週 |
誘電材料 |
誘電体材料について説明できる。 D2:1,2 D3:1,2
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15週 |
誘電材料 |
絶縁体、導体、半導体の違いを説明できる。
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16週 |
前期期末試験 答案返却、問題解説、出欠及び前期総合成績確認 |
到達度を確認する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
圧電材料と電歪材料 |
圧電効果と電歪効果について説明できる。 D2:1,2 D3:1,2
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2週 |
磁性材料:各種磁性、磁区と磁化、磁性材料特性 |
磁区と磁壁、磁気的エネルギー、磁区構造、磁化および磁気記録への応用について説明できるについて説明できる。D2:1,2 D3:1,2
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3週 |
磁性材料:磁性材料特性 |
磁気記録への応用について説明できる。 D2:1,2 D3:1,2
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4週 |
オプトエレクトロニクス(OE)材料 OE材料の基礎及び発光デバイス材料 |
発光受光デバイス用材料について説明と簡単な計算ができる。 D2:1,2 D3:1,2
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5週 |
発光受光デバイス、光ファイバ、光ディスク材料 |
発光受光デバイス、光ファイバ、光ディスクについて説明できる。 D2:1,2 D3:1,2
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6週 |
半導体素子の製造 |
半導体背素子の製造方法について説明できる。 D2:1,2
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7週 |
超伝導材料 超伝導現象 超伝導状態と磁界 超伝導体の反磁性 |
超伝導現象と材料、超伝同状態における磁気特性について説明できる。ジョセフソン効果について説明できる。D2:1,2 D3:1,2
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8週 |
後期期末試験 答案返却、問題解説、出欠確認及び総合成績確認 |
到達度を確認する。
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 4 | 前2,後4 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 4 | 前2 |
原子の構造を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前11,前12,前13 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 4 | 前11,前13,後1 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 4 | 前15,後1 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 前4,前14,前15,後1 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 4 | 後4,後6 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 4 | 後5 |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 4 | 後4 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 20 | 80 |
専門的能力 | 20 | 0 | 20 |