応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 4123 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:原康夫著「物理学基礎」学術図書出版社 演習書:原康夫著「力学 要論と演習」東京教学社
担当教員 川染 勇人

到達目標

1.時間での微分が理解でき,運動方程式を表現できる。
2.運動方程式より物体の運動を求めることができる。
3.剛体の運動について,理解できる。
4.熱力学の基礎について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1運度を位置ベクトルの変化として理解し、位置ベクトルを時間で微分して、速度や加速度を求めることができる。座標を時間で微分して、速度や加速度を求めることができる。座標を時間で微分して、速度や加速度を求めることができない。
評価項目2剛体を含む複雑な運動において運動方程式を立て初期値問題として解くことができる。剛体を含む簡単な運動において運動方程式を立て初期値問題として解くことができる。剛体を含む簡単な運動において運動方程式を立て初期値問題として解くことができない。
評価項目3熱平衡,気体の状態方程式,内部エネルギー,熱力学の第一法則,第二法則,熱機関など,熱力学の基礎を理解し、応用できる。熱平衡,気体の状態方程式,内部エネルギー,熱力学の第一法則,第二法則,熱機関など,熱力学の基礎を理解している。 熱平衡,気体の状態方程式,内部エネルギー,熱力学の第一法則,第二法則,熱機関など,熱力学の基礎を理解していない。
評価項目4気体の分子運動論,スマックスウェル分布など,統計力学の基礎を理解し、応用できる。 気体の分子運動論,スマックスウェル分布など,統計力学の基礎を理解している。気体の分子運動論,スマックスウェル分布など,統計力学の基礎を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
他の専門科目を学習する際に必要となる物理学の各分野を学習する。各分野の対象を理解して,専門分野を 学ぶ際に必要に応じて何を参考にすればよいかが判断できるようにする。研究所において,光線追跡等の数値計算に関する研究を行っていた教員がその経験を活かし,基礎的な数学の講義も交え,各分野での物事の考え方を理解することに重点をおいて講義を行う。
授業の進め方・方法:
学習項目毎に講義を行った後,例題を示し、レポート課題を出す。レポート課題を解くのに時間がかかるかもしれないが,自力で解く努力をすること。
注意点:
学生の理解度を教員が知ることができるので,分からない箇所はその場で質問を行い授業時間内に理解するように努めること。
評価方法:定期試験80%,レポート20%の比率で評価する。
オフィスアワー:月曜日放課後17:00まで

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いたガイダンス
加速度,速さ,距離について
位置ベクトル
直交座標と曲座標における速度,加速度を理解できる。D1:2
2週 質点の力学(1) 一定の加速度運動を理解できる。D1:2
3週 質点の力学(2) 運動の法則。D1:2
4週 第1回演習課題 第1回演習課題を解く。
5週 質点の力学(3) 次元解析。D1:2
慣性力。D1:2
6週 第2回演習課題 まとめと第2回演習課題を解く。
7週 中間試験
8週 試験の返却と解説
仕事
中間試験で理解できていなかった箇所を見直す。
力学的な仕事について理解する。D1:2
2ndQ
9週 力学的エネルギー(1) 運動エネルギーを理解する。D1:2
10週 力学的エネルギー(2) 位置エネルギーについて理解する。D1:2
11週 第3回演習課題 第3回演習課題を解く。
12週 質量中心(1) 質量中心について理解する。D1:2
13週 質量中心(2) 質点系の運動量と運動方程式を理解する。D1:2
14週 第4回演習課題 第4回演習課題を解く。
15週 期末試験
16週 試験の返却と解説 期末試験で理解できていなかった箇所を見直す
後期
3rdQ
1週 剛体(1) 中間試験で理解できていなかった箇所を見直す。
角運動量について理解する。D1:2
2週 剛体(2) 慣性モーメントについて理解する。D1:3
3週 剛体(3) 回転の運動方程式について理解する。D1:3
4週 剛体(4) 撃力による剛体の回転について理解する。D1:3
5週 第7回演習課題 第7回演習課題を解く。
6週 まとめと演習課題 まとめと第7回演習課題を解く。
7週 中間試験
8週 試験の返却と解説
熱力学の第一法則
中間試験で理解できていなかった箇所を見直す。
理想気体の状態方程式、熱力学の第一法則を理解する。D1:1,2
4thQ
9週 状態変化 気体の状態変化について説明ができる。D1:1,2
10週 カルノーサイクル カルノーサイクルの熱効率の計算ができる。D1:1,2
11週 熱力学の第二法則 不可逆変化について理解し、例を挙げることができる。D1:1,2
12週 エントロピーの変化量 エントロピーの変化量を計算できる。D1:1,2
13週 気体の分子運動論
ボルツマン因子
気体の分子運動論を理解する。D1:1,2
ボルツマン因子について学ぶ。D1:1,2
14週 マックスウェルの速度分布 速度分布に関する計算ができる。D1:1,2
15週 期末試験
16週 試験の返却と解説 期末試験で理解できていなかった箇所を見直す

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学力のモーメントを求めることができる。3後1
角運動量を求めることができる。3後1
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3後1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後2,後3
重心に関する計算ができる。3前12
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後13,後14
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後8
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後9
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後9
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前10
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後9
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後9
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後9,後10
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後10,後11
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後9,後10,後11
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000