化学2

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学2
科目番号 102440 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 化学基礎(東京書籍) 化学(東京書籍) これでわかる化学(2012) (三共出版) これでわかる化学演習(2012) (三共出版)
担当教員 柴田 亮

到達目標

1.酸と塩基の定義、水素イオン濃度とpHを理解でき計算できること。
2.中和反応式の作成、量的計算ができること。
3.酸化還元の定義、酸化数と酸化還元反応との関係を理解できること。
4.酸化還元反応式の作成、量的計算ができること。
5.気体の分子の熱運動について理解できること。
6.溶媒、溶質分子の極性と溶解度を説明できること。
7.反応速度と濃度・温度の関係を説明できること。
8.化学平衡の概念について説明できること。
9.水溶液中の化学平衡、電離平衡・溶解平衡の計算ができること。
10.化学反応とエネルギーの収受について説明できること。
11.酸化還元と電気分解・電池における電極反応を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸と塩基の定義、水素イオン濃度とpHを理解でき計算できる。 水素イオン濃度とpHを理解でき計算できる。 酸と塩基の定義、水素イオン濃度とpHを理解でき計算できない。
評価項目2中和反応式の作成、量的計算ができる。 中和反応式の作成ができる。 中和反応式の作成、量的計算ができない。
評価項目3酸化還元の定義を理解した上で、酸化数と酸化還元反応との関係を理解できる。 酸化数の計算と酸化還元反応でどの物質が酸化・還元されたかを理解できる。 酸化還元の定義、酸化数と酸化還元反応との関係を理解できない。
評価項目4酸化還元反応式の作成、量的計算ができること。 酸化還元反応式の作成ができること。 酸化還元反応式の作成、量的計算ができない。
評価項目5気体の分子の熱運動について理解できる。気体の分子が熱運動をしていることは理解できるが理論は理解できない。気体の分子の熱運動について理解できない。
評価項目6溶媒、溶質分子の極性と溶解度を説明できる。溶解度は説明できるが溶媒、溶質分子の極性との関係が理解できない。溶媒、溶質分子の極性と溶解度を説明できない。
評価項目7反応速度と濃度・温度の関係を説明できる。反応速度が条件によって変化することは理解できるが濃度・温度の関係が理解できない。反応速度と濃度・温度の関係を説明できない。
評価項目8化学平衡の概念について説明できる。可逆反応は理解できるが平衡との関係が理解できない。化学平衡の概念について説明できない。
評価項目9水溶液中の化学平衡、電離平衡・溶解平衡の計算ができる。水溶液中の化学平衡、電離平衡・溶解平衡の数式が組み立てられる。水溶液中の化学平衡、電離平衡・溶解平衡の計算ができない。
評価項目10化学反応とエネルギーの収受について説明できる。熱化学方程式で発熱反応と吸熱反応の区別ができる。化学反応とエネルギーの収受について説明できない。
評価項目11酸化還元と電気分解・電池における電極反応を理解できる。電極反応が酸化還元反応であることが理解できる。酸化還元と電気分解・電池における電極反応を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

工学基礎知識 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学2では、化学1で学んだ物質の構造、物質の変化を基礎として我々の生活に関わりの深い無機物質および有機物質について、性質、構造、反応、用途などを具体的かつ系統的に学習する。化学反応とエネルギー、電子の授受の関係について学ぶ。また、化学物質に起因する環境問題を理解するための基礎的事項を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義及び演習、演示実験
注意点:
化学1の内容をよく理解していること、数学の指数計算、対数計算ができることを前提とする。
毎回の授業をよく聴き必ず復習すること。身の回りの物質に関心を持ってほしい。

本科目は専門基礎科目であり、卒業までに必ず取得しなければならない科目である。60点未満で単位取得できなかった場合は、必ず追認試験で取り返し、また欠課超過で取得できない場合は進級できない。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「②専門基礎科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 アレニウスおよびブレンステッドの酸と塩基・酸と塩基の強弱
1
2週 水溶液の酸性度と水素イオン濃度・pHの計算
1
3週 中和反応と反応式の作成・塩の加水分解と弱酸と弱塩基の遊離
2
4週 酸化と還元の概念・酸化数の意味と計算
3
5週 酸化還元反応と反応式のつくり方・金属のイオン化傾向
4
6週 これまでのまとめと演習、演習問題と解説
1,2,3,4
7週 中間試験 1,2,3,4
8週
2ndQ
9週 物質の状態変化とエネルギー・気液平衡と蒸気圧・物質の状態図
5,6
10週 温度・圧力の単位・ボイルの法則・シャルルの法則
5
11週 気体の状態方程式・状態方程式と物質量・分子量
5
12週 溶液の性質・溶媒および溶質の極性と溶解度・溶液の濃度計算演習
6
13週 蒸気圧降下とラウールの法則・束一的性質(希薄溶液の性質)
6
14週 コロイド溶液・固体の構造
6
15週 期末試験 5,6,7
16週 試験返却と解説
5,6,7
後期
3rdQ
1週 反応熱と熱化学方程式
10
2週 ヘスの法則
10
3週 結合エネルギー・光と化学反応
10
4週 電池の原理と実用電池
11
5週 電気分解・電極反応
11
6週 電気量とファラデーの電気分解の法則
11
7週 中間試験 10,11
8週
4thQ
9週 反応速度と速度を決める因子
7
10週 反応速度式
7
11週 触媒と反応速度
7
12週 可逆反応と化学平衡
8
13週 質量作用の法則を用いた計算とル・シャトリエの原理
8
14週 溶解平衡と溶解度積
9
15週 期末試験 7,8,9
16週 試験返却と解説
7,8,9

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前2,前3
水の状態変化が説明できる。3前2,前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前2,前3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前4,前5,前6
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前4,前5,前6
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前1
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前1
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前9
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前10
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前10,前11
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後9,後10
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後9,後10,後14
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3後1,後2
イオン化傾向について説明できる。3後1
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後1
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後1
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後1
一次電池の種類を説明できる。3後1
二次電池の種類を説明できる。3後1
電気分解反応を説明できる。3後2
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後2
ファラデーの法則による計算ができる。3後2,後3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後4
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後4
測定と測定値の取り扱いができる。3後4,後9,後10
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後4,後9,後10
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後4,後9,後10
ガラス器具の取り扱いができる。3後4
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後4
試薬の調製ができる。3後4
代表的な気体発生の実験ができる。3前4
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力75000025100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000