機構学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機構学
科目番号 110304 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 工業力学[第4版]:青木弘,木谷晋(森北出版),基礎から学ぶ機構学:鈴木健司,森田寿郎(オーム社)
担当教員 安里 光裕,木下 浩二

到達目標

1.三角関数や微分積分を用いた運動の解析ができる。
2.リンク機構の種類と原理が説明できる。
3.歯車機構の種類と原理が説明できる。
4.摩擦伝動機構の種類と原理が説明できる。
5.カムの種類と原理が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々の運動において三角関数や微分積分を用いた解析ができる。基本的な運動において三角関数や微分積分を用いた解析ができる。運動について三角関数や微分積分を用いた解析ができない。
評価項目2リンク機構の種類と原理を理解し、機械設計に必要な諸量を計算できる。リンク機構の種類と原理が説明できる。リンク機構の種類と原理が説明できない。
評価項目3歯車機構の種類と原理を理解し、機械設計に必要な諸量を計算できる。歯車機構の種類と原理が説明できる。歯車機構の種類と原理が説明できない。
評価項目4摩擦伝動機構の種類と原理を理解し、機械設計に必要な諸量を計算できる。摩擦伝動機構の種類と原理が説明できる。摩擦伝動機構の種類と原理が説明できない。
評価項目5カムの種類と原理を理解し、機械設計に必要な諸量を計算できる。カムの種類と原理が説明できる。カムの種類と原理が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ロボットのような機械は、リンク、関節、⻭車、カムなど様々な機械要素の組合せにより構成されており、各要素が互いに相対運動することにより運動の伝達や変換が行われる。本講義では、機械要素の組み合わせであるロボット機構において、平面および空間機構における自由度、運動学、速度と加速度の解析方法を学習する。また、⻭車、カムなどのような伝達機構とその力学解析法を学習する。
授業の進め方・方法:
最初に、微分積分を用いて運動を解析する方法を説明する。そのあと連鎖、瞬間中心などの機構学の基礎的事項および機械要素の速度・加速度の図式解法について説明する。その後、リンク機構、歯車機構、摩擦伝動機構、カムなどさまざまな機構を説明し、これらの応用例を紹介する。
授業は、教科書に沿って進めるが、教科書に記載されていない内容で必要と思われる事項はプリントで補足説明する。また、授業内容の理解を深めるために、演習問題のプリントを配付する。
注意点:
本科目では機構の運動を取り扱うので、物理で学んだ力と運動が基礎知識として必要です。
また、各機構の運動をイメージすることが大切です。動画などを積極的に活用して、動きをイメージしながら学習して下さい。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「④選択科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、点の運動 直線運動 1
2週 点の運動 平面運動、相対運動 1
3週 運動と力 運動の法則 1
4週 運動と力 慣性力、向心力と遠心力 1
5週 剛体の運動 回転運動と慣性モーメント 1
6週 剛体の運動 慣性モーメント 演習 1
7週 中間試験 1
8週 剛体の運動 平面運動 1
2ndQ
9週 衝突 運動量と力積,角運動量 1
10週 衝突 運動量保存の法則、衝突 1
11週 仕事、エネルギー 1
12週 エネルギー、動力 1
13週 摩擦 すべり摩擦、ころがり摩擦 1
14週 摩擦 ベルトの摩擦、ブレーキ 1
15週 期末試験 1
16週 前期のまとめ 1
後期
3rdQ
1週 序論
機構の基礎、機構の自由度, 機構の自由度式、機構の解析例
1
2週 平面機構の運動学1
ベクトル、剛体の速度解析
1
3週 平面機構の運動学2
剛体の加速度解析
1
4週 平面リンク機構の構造
4節回転リンク機構、4節平行リンク機構、スライダ・クランク機構
1
5週 平面リンク機構の運動解析1
4節リンク機構の変位・速度・加速度解析
2
6週 平面リンク機構の運動解析2
スライダ・クランク機構の変位・速度・加速度解析
2
7週 中間試験 1, 2
8週 機構の静力学解析1
自由体図、仮想仕事
2
4thQ
9週 機構の静力学解析2
シリアルメカニズムの運動と静力学解析
3
10週 摩擦伝動機構1
滑り接触、転がり接触、摩擦伝動機構
3
11週 摩擦伝動機構2
摩擦車、無段変速機
4
12週 ⻭車機構1
⻭車の基礎、⻭車列
3
13週 ⻭車機構2
遊星⻭車、差動⻭車装置
4
14週 カムと巻き掛け電動機構
カムの運動解析、カム曲線
4
15週 期末試験 1, 2, 3, 4, 5
16週 後期のまとめ 1, 2, 3, 4, 5

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4後9,後10
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4後9,後10
歯車列の速度伝達比を計算できる。4後10
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後4,後5,後6,後8
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4後4,後5,後6,後8
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後13,後14
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4後13,後14
力学速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前1,前2
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前1,前2
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前3,前4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前5
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前8
仕事の意味を理解し、計算できる。4前11
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4前11
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前11
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前11,前12
動力の意味を理解し、計算できる。4前12
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4前13,前14
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4前9,前10
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前5,前6
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前5,前6

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力351550
専門的能力351550
分野横断的能力000