共生社会と倫理

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 共生社会と倫理
科目番号 101211 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『高等学校 倫理』(第一学習社),『テオーリア 最新倫理資料集』(第一学習者)配布プリント
担当教員 濱井 潤也

到達目標

1. 多種多様な正しさの特徴を理解し、様々な事象に適切に使用することができる。
2. 無知を知り、哲学的に懐疑することができる。
3. 世界各地の宗教の歴史、教義、生活を学び、信仰を生き方の選択肢として受容することができる。
4. 科学的思考の哲学的成立過程を理解し、科学の適用範囲を適切に定められる。
5. 様々な国家の政治体制を比較考量した上で、民主主義社会の主権者としての意識を持てる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1多種多様な正しさの特徴を理解し、様々な事象に適切に使用することができる。 多種多様な正しさがあることを知り、それぞれの具体例を説明できる。 ある一つの正しさの基準を満たさないものはすべて正しくないものであると考えている。
評価項目2 無知を知り、哲学的に懐疑することができる。 古代から近世にかけての哲学者がどのような問題に取り組んできてのか説明できる。 常識を疑う必要はないと考えている。
評価項目3世界各地の宗教の歴史、教義、生活を学び、信仰を生き方の選択肢として受容することができる。 国際情勢の変化における宗教の影響を説明できる。 宗教を単に誤った考え方として捉えている。
評価項目4科学的思考の哲学的成立過程を理解し、科学の適用範囲を適切に定められる。 演繹法や帰納法などの科学の手法について説明できる。 「科学的である」を「正しい」と同じ意味だと考えている。
評価項目5 様々な国家の政治体制を比較考量した上で、民主主義社会の主権者としての意識を持てる。 民主主義や資本主義、社会主義の長所、短所を説明できる。 人間の行動原理は欲望のみであり、すべては弱肉強食社会における自己責任だと考えている。

学科の到達目標項目との関係

教養 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
世界には様々な考え方の人々が住んでおり、それによる様々な問題が存在します。それらの問題を解決しようとする際、何より重要なのは「正しさは一つではない」ということです。様々な「正しさ」の内、どれを基準に用いてより善い解決を目指すべきなのか慎重に考える必要があります。この授業では、人間が長い歴史の中で編み出し、渡り歩いてきた「正しさ」への考え方を紐解き、それぞれの特徴を学んだ上で、現代社会の抱える様々な問題を考察します。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式で進めますが、グループディスカッションやプレゼンテーション等も積極的に取り入れる予定です。
注意点:

本科目の区分

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「倫理」とは何か?
1
2週 あなたはどうあるべきなのか?:青年期とアイデンティティ
1
3週 その善悪の基準は正しいの?
1
4週 世界は何でできている?:ソクラテス以前の哲学
2
5週 心は何でできている?:ソクラテスの哲学Ⅰ
2
6週 法が間違っている時は法を破っても良い?:ソクラテスの哲学Ⅱ
2
7週 自分を不完全だと考えるとき、一体何と比べているのか?:プラトンの哲学
2
8週 幸福とは何か?:アリストテレスの哲学
2
2ndQ
9週 宗教は間違った考え方か?:宗教と科学の領域の違い
3
10週 アダムとイヴってキリスト教の話じゃないの?:ユダヤ教
3
11週 イエスはなぜ一度死んだのか?:キリスト教
3
12週 キリスト教と全然違う宗教じゃないの?:イスラム教
3
13週 お釈迦様って神様じゃないの?:仏教
3
14週 お寺と神社って何が違うの?:神道
3
15週 期末テスト
1, 2, 3
16週 テスト返却期間
1, 2, 3
後期
3rdQ
1週 この体の「どこ」が私なの?:デカルトの思想Ⅰ
4
2週 「2+2は4で正しい」は本当に正しいの?:デカルトの思想Ⅱ
4
3週 数学の正しさと科学の正しさはどう違う?:演繹法と帰納法
4
4週 科学はいつか神の存在を解明できる?:大陸合理論
4
5週 この世界の私が「見ていない」範囲ってちゃんとあるの?:イギリス経験論
4
6週 私は世界の本当の姿を見ているのか?:カントの認識論
4
7週 なんで人を殺しちゃいけないの?:功利主義と厳格主義Ⅰ
5
8週 誰を殺しちゃいけないの?:功利主義と厳格主義Ⅱ
5
4thQ
9週 どうして髪の色を染めてはならないのか?:自由と規則
5
10週 私たちに本当に必要な自由とは何か?:民主主義
5
11週 「努力は報われる」か、それとも「ガチャ」か:資本主義
5
12週 平等な社会って無理なの?:マルクス主義
5
13週 社会主義は失敗したのか?:社会主義国家の興亡
5
14週 やっぱり一番優秀な人に政治をさせるべきでは?:ファシズムの誘惑
5
15週 期末テスト
1, 4, 5
16週 試験返却
1, 4, 5

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学社会社会世界各地の人口、資源、産業の分布や動向、並びにそれらをめぐる地域相互の結びつき等について理解し、現代社会を地理的観点から説明できる。2
人間と自然環境との相互作用を前提としつつ、民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦以降、冷戦の展開と終結、その後現在に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにしつつ、より良いキャリア構築を含む生涯にわたる多様な自己形成に関する考え方、他者と共に生きていくことの重要性、及び望ましい社会や世界のあり方について考察できる。3前1,前2,前3,前4
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理と基礎的な政治・法・経済の仕組みを理解し、現代社会の諸課題について考察できる。3前1,前2,前3,前4
現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定し、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から多面的・多角的に考察、構想し、表現できる。3前1,前2,前3,前4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力60000040100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000