到達目標
1.正弦波交流の周波数、位相、実効値などを計算できる。
2.R、L、C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。
3.記号法を用いて交流回路計算を行い、ベクトル図で表すことができる。
4.交流電力の計算ができる。
5.直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。
6.交流回路網の計算法を理解し、回路計算に応用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 正弦波交流の諸量の関係式を理解し、計算に用いることができる | 正弦波交流の諸量の関係式を答えることができる | 正弦波交流の諸量の関係式を答えることができない |
評価項目2 | RLC混在回路における電圧と電流の大きさの関係、位相の関係を説明できる | 流の大きさの関係、位相の関係を説明できる RLC単独回路における電圧と電流の大きさの関係、位相の関係を説明できる | RLC単独回路における電圧と電流の大きさの関係、位相の関係を説明できない |
評価項目3 | 記号法によるベクトル表記を用いて回路計算を行い、ベクトル図に表すことができる | 記号法によるベクトル表記を用いた回路計算を行うことができる | 記号法によるベクトル表記を用いた回路計算を行うことができない |
評価項目4 | 交流回路計算の結果を用いて有効電力、無効電力、皮相電力、力率の計算ができる | 有効電力、無効電力、皮相電力、力率の定義と相互の関係を説明できる | 有効電力、無効電力、皮相電力、力率の定義と相互の関係を説明できない |
評価項目5 | 共振とは何かについて説明し、共振回路における電圧、電流を計算できる | 共振とは何かについて説明し、共振周波数を求めることができる | 共振とは何かについて説明し、共振周波数を求めることができない |
評価項目6 | 交流回路網の各種計算法の原理を理解し、回路計算に用いることができる | 交流回路網の各種計算法の原理について説明できる | 交流回路網の各種計算法の原理について説明できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
回路理論演習では、主要関連科目「回路理論1」に関する問題の演習を行う。正弦波交流の電圧・電流を、瞬時値、ベクトル、複素数を用いて表し、基本的な回路素子の性質と、代表的な接続法に対する電圧・電流の計算法を学習する。また、交流電力と共振現象の計算法を学習する。最後にこれを応用した交流回路網の計算法を学び、簡単な回路網計算を行う。
授業の進め方・方法:
この授業では、クラスをA、Bの2グループに分け、「電気情報実習B」と隔週で交代して受講する。「回路理論演習」では、個人ごとに問題を解く個人ワークと、グループごとに問題を解くグループワークを実施する。 個人ワークでは、個々で基本的な回路理論の演習問題を解き理解を深める。グループワークでは、応用問題について、グループで解き方を議論し、他グループの前で発表する。
注意点:
演習時には関数電卓が必要となりますので、準備しておくこと。 無線従事者・電気工事士・電気主任技術者関連科目である。
演習では、1年次の「電気情報基礎」「電気情報基礎演習」の学習内容、1、2年次の数学の学習内容が必要になりますので、事前によく復習しておくこと。
交流回路の考え方は、3年の「電気電子計測」「回路理論 2」、4年の「回路理論3」「電気機器 A」「電力工学 A」、5年の「電気機器 B」「電力工学 B」の理解に必要である 。
本科目の区分
Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「②専門基礎科目」である。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、正弦波交流の基礎 |
1
|
2週 |
正弦波交流の合成 |
1
|
3週 |
R,L,C単独回路における交流電圧と交流電流 |
2
|
4週 |
複素数の基礎、複素数の指数表示 |
3
|
5週 |
複素数の四則計算 |
3
|
6週 |
複素数のベクトル表記、共役複素数 |
3
|
7週 |
復習とまとめ |
1,2,3
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
記号法 |
3
|
10週 |
R,L,C単独回路の複素数表示と複素インピーダンス |
2,3
|
11週 |
R,L,C組み合わせ素子の交流回路計算 |
2,3
|
12週 |
RLC直列回路 |
2,3
|
13週 |
アドミタンス、コンダクタンス、サセプタンス |
2,3
|
14週 |
RLC並列回路 |
2,3
|
15週 |
復習とまとめ |
2,3
|
16週 |
期末試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
RLC直並列回路(1) |
2,3
|
2週 |
RLC直並列回路(2) |
2,3
|
3週 |
RLC直並列回路(3) |
2,3
|
4週 |
交流の有効電力、無効電力、皮相電力、力率 |
4
|
5週 |
複素電力 |
4
|
6週 |
直列共振回路、並列共振回路 |
5
|
7週 |
復習とまとめ |
2,3,4,5
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
交流のキルヒホッフの法則 |
6
|
10週 |
枝電流法 |
6
|
11週 |
閉路電流法 |
6
|
12週 |
節点電位法 |
6
|
13週 |
Y-Δ変換 |
6
|
14週 |
ブリッジ回路 |
6
|
15週 |
復習とまとめ |
6
|
16週 |
期末試験 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 4 | 後14 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | 前1 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前1 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | 前9 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | 前3 |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3 |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前6,前12 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前10,前13 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 後9 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前11,後1,後2,後3 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 4 | 後6 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 後4,後5 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 後11 |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 後12 |
計測 | ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | 後14 |
評価割合
| 試験 | グループワーク | 個人ワーク | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 20 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |