電磁気学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電磁気学1
科目番号 121303 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気磁気学(第2版・新装版)安達三郎他・森北出版、演習 電気磁気学(新装版)大貫繁雄他・森北出版
担当教員 大野 玲

到達目標

1. クーロンの法則により電荷に働く力を計算できる。
2. ガウスの定理等により、真空中の電界を計算できる。
3. 電位と電界の関係に基づき、電位や電位差を計算できる。
4. 静電容量や静電エネルギーを計算できる。
5. 異なる誘電体を含む場合に、電束密度、電界、電位差等を計算できる。
6. 定常電流界における電界、電位計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1クーロンの法則により、複数の電荷が存在する場合の、電荷に働く力が計算できるクーロンの法則により電荷に働く力が計算できるクーロンの法則により電荷に働く力が計算できない
評価項目2ガウスの法則を用いて、複雑な電極配置に対する真空中の電界を計算できるガウスの法則を用いて、基本的な電極配置に対する真空中の電界を計算できる電界の計算ができない
評価項目3電位と電界の関係を説明でき、それに基づいた電位の計算ができる電位と電界の関係は説明できるが、それを用いた電位の計算ができない電位と電界の関係を説明できない
評価項目4静電容量や静電エネルギーに関する複雑な問題を解くことができる静電容量や静電エネルギーに関する単純な問題を解くことができる静電容量や静電エネルギーの計算ができない
評価項目5異なる誘電体を含む場合の、電束密度、電界、電位差等の複雑な問題を解くことができる異なる誘電体を含む場合の、電束密度、電界、電位差等の単純な問題を解くことができる異なる誘電体を含む場合の、電束密度、電界、電位差等の計算ができない
評価項目6定常電流界における複雑な問題の電界、電位計算ができる定常電流界における単純な問題の電界、電位計算ができる定常電流界における電界、電位計算ができない

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電荷によって生ずる電界や電束を、電気力線や電束を表す仮想の線で表現し、ガウスの定理を用いて計算する。また、力で定義される電界とエネルギーで定義される電位を、微分・積分を用いて相互に関係づけ、導体を含む系の電界と電位から、コンデンサの静電容量とこれに蓄えられるエネルギーを導出する。誘電体の分極と、静電容量、誘電率・比誘電率の関係を明らかにする。また、誘電率ではなく抵抗率で電界が決まる、いわゆる定常電流界について扱う。
授業の進め方・方法:
板書を中心に行う。小テスト、課題の提出を求める。
注意点:
電磁気学は電気工学の基礎となる原理や法則をまとめたものです。したがって、その内容は電気工学を学ぶ者として、どうしても身につけておく必要があります。特に、電界、電位、静電容量などの物理量の意味をしっかりと身につけて、自分自身の言葉でその説明ができるように心がけて下さい。
この科目は4年の「電磁気学 2」に続き、また、5年の「電力工学 B」では、送電線の放電現象と静電容量の計算に必要です。また、多くの大学、専攻科の電気系学科等への進学に際し、その学力試験には電磁気学が課せられています。本科目は、無線従事者・電気工事士・電気主任技術者関連科目です。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.10)に記載する「②専門基礎科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静電気、電荷、クーロンの法則 1
2週 クーロンの法則を用いた計算 1
3週 電界と電気力線 2
4週 電界の合成 2
5週 電位差と電位 3
6週 等電位面と電位の傾き 3
7週 中間試験
8週 ガウスの法則 2
2ndQ
9週 ガウスの法則を用いた電界・電位計算(1) 2,3
10週 ガウスの法則を用いた電界・電位計算(2) 2,3
11週 ガウスの法則を用いた電界・電位計算(3) 2,3
12週 帯電導体と電界の関係 2
13週 電気双極子 2
14週 影像法 2
15週 期末試験
16週 試験返却と総まとめ
後期
3rdQ
1週 静電誘導と静電遮蔽 4
2週 導体間の静電容量、コンデンサの接続 4
3週 静電エネルギーとコンデンサに加わる力 4
4週 誘電体と誘電率、誘電分極、電束密度 5
5週 誘電体中のガウスの法則 5
6週 誘電体境界条件 5
7週 中間試験
8週 複数の誘電体中の電界・電位計算(1) 5
4thQ
9週 複数の誘電体中の電界・電位計算(2) 5
10週 電流と導電率 6
11週 オームの法則(微分形) 6
12週 ジュールの法則、消費エネルギー 6
13週 定常電流界、定常電流界における電界・電位計算 6
14週 静電界と定常電流界の相似性 6
15週 期末試験
16週 試験返却と総まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気電場・電位について説明できる。3前3,前5
クーロンの法則が説明できる。3前1
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3前2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1,前2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前3,前4,前5,前6
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前8,前9,前10,前11
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前12
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4後4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4後2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4後2
静電エネルギーを説明できる。4後3

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000