電子工学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子工学
科目番号 121309 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電子工学  藤本晶   森北出版
担当教員 和田 直樹

到達目標

1.電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。
2.エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。
3.原子の構造を説明できる。
4.パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
5.シュレディンガーの波動方程式から1次元の箱型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率を説明できる。
6.結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
7.エネルギーバンド内の状態密度関数を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。電子の電荷量や質量などの基本性質を理解して、電磁界中の電子の運動を説明できる。電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できない。
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算の計算ができ、電界中の電子の運動速度を説明できる。エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができない。
原子の構造を説明できる。原子の構造をボーアモデルにしたがって電子の軌道エネルギーを説明できる。原子の構造を説明できる。原子の構造を説明できない。
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。パウリの排他律を理解し、Si原子の電子配置とsp3混成軌道を説明できる。パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できない。
シュレディンガーの波動方程式から1次元の箱型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率を説明できる。シュレディンガーの波動方程式から1次元の井戸型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率をエネルギー固有値、固有関数、規格化条件を用いて説明できる。シュレディンガーの波動方程式から1次元の井戸型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率を説明できる。シュレディンガーの波動方程式から1次元の井戸型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率を説明できない。
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明でき、さらにそれらの違いを説明できる。結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できない。
エネルギーバンド内の状態密度関数を説明できる。エネルギーバンド内の状態密度関数を説明でき、金属内のフェルミエネルギーを説明できる。エネルギーバンド内の状態密度関数を説明できる。エネルギーバンド内の状態密度関数を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子工学とはその名の通り電子を扱う工学である。まず電磁界中の電子の性質を理解して、その後、原子中の電子から固体中の電子の状態へと理解を進めることによって、材料の性質や半導体素子の原理を理解するために必要な電子物性理論の基本を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、物理的に理解できるようにポイントを板書して説明する。学生に質問し、理解度を確認しながら授業を進める。
注意点:
電気主任技術者関連科目である。授業中、教員からの一方通行ではなく、なぜそうなるのか等の物理現象を自分で考える習慣を付け、必要なら質問をして、自分に取り込んだ形で講義を聴くように意識的に努力すること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、真空放電と陰極線 1,2
2週 電磁界中の電子の運動 1,2
3週 光電効果と物質波 1,2
4週 原子中の電子(ボーアのモデル) 3
5週 量子数とパウリの排他律、原子の電子配列 3,4
6週 固体の結晶構造 5,6
7週 まとめと演習 1,2,3,4,5,6
8週 前期中間試験 1,2,3,4,5,6
2ndQ
9週 試験返却、電子の粒子性と波動性 5,6
10週 シュレディンガーの波動方程式 5,6
11週 1次元の箱型ポテンシャル内の電子のエネルギー(1) 5,6
12週 1次元の箱型ポテンシャル内の電子のエネルギー(2) 5,6
13週 結晶とエネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布 5,6
14週 状態密度関数 5,6,7
15週 まとめと演習
5,6,7
16週 前期末試験 5,6,7

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000