電子工学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子工学
科目番号 121309 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電子工学 第2版 藤本晶   森北出版
担当教員 和田 直樹

到達目標

1.電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。
2.エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。
3.ローレンツ力とオシロスコープの動作原理を説明できる。
4.原子の構造を説明できる。
5.パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
6.シュレディンガーの波動方程式から1次元の井戸型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率を説明できる。
7.結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラックの分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
8.金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の電荷量や質量などの基本性質を理解して、電磁界中の電子の運動を説明できる。電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できない。
評価項目2エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算の計算ができ、電界中の電子の運動速度を説明できる。エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。エレクトロンボルトの定義を説明できず、単位換算等の計算ができない。
評価項目3ローレンツ力を説明でき、オシロスコープとサイクロトロンの動作原理を説明できる。ローレンツ力とオシロスコープの動作原理を説明できる。ローレンツ力とオシロスコープの動作原理を説明できない。
評価項目4原子の構造をボーアモデルにしたがって電子の軌道エネルギーを説明できる。原子の構造を説明できる。原子の構造を説明できない。
評価項目5パウリの排他律を理解し、Si原子の電子配置とsp3混成軌道を説明できる。パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。パウリの排他律を理解できず、原子の電子配置を説明できない。
評価項目6シュレディンガーの波動方程式から1次元の井戸型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率をエネルギー固有値、固有関数、規格化条件を用いて説明できる。シュレディンガーの波動方程式から1次元の井戸型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率を説明できる。シュレディンガーの波動方程式から1次元の井戸型ポテンシャル内の電子エネルギーと存在確率を説明できない。
評価項目7結晶、エネルギーバンドの形成フェルミ・ディラックの分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明でき、さらにそれらの違いを説明できる。結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラックの分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラックの分布を理解できず、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できない。
評価項目8自由電子モデルを使って金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子工学とはその名の通り電子を扱う工学である。まず電磁界中の電子の性質を理解して、その後、原子中の電子から固体中の電子の状態へと理解を進めることによって、材料の性質や半導体素子の原理を理解するために必要な電子物性理論の基本を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、物理的に理解できるようにポイントを板書して説明する。学生に質問し、理解度を確認しながら授業を進める。
注意点:
電気主任技術者関連科目である。授業中、教員からの一方通行ではなく、なぜそうなるのか等の物理現象を自分で考える習慣を付け、必要なら質問をして、自分に取り込んだ形で講義を聴くように意識的に努力すること

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、真空放電と陰極線 1、陰極線
2週 電磁界中の電子の運動(1) 1,2,3、ローレンツ力
3週 電磁界中の電子の運動(2) 1,2,3、ローレンツ力
4週 光電効果と物質波 1,2、物質波
5週 原子中の電子(ボーアのモデル)(1) 4、ボーアのモデル
6週 原子中の電子(ボーアのモデル)(2) 4、ボーアのモデル
7週 中間試験 1,2,3,4
8週 量子数とパウリの排他律、原子の電子配列 4,5、パウリの排他律
2ndQ
9週 シュレディンガーの波動方程式 6、シュレディンガーの波動方程式
10週 シュレディンガーの波動方程式 6、シュレディンガーの波動方程式
11週 1次元の井戸型ポテンシャル内の電子のエネルギー(1) 6、井戸型ポテンシャル
12週 1次元の井戸型ポテンシャル内の電子のエネルギー(2) 6、井戸型ポテンシャル
13週 結晶とエネルギーバンドの形成、状態密度、フェルミディラックの分布(1) 7、エネルギーバンド
14週 結晶とエネルギーバンドの形成、状態密度、フェルミディラックの分布(2) 7,8、移動度、導電率
15週 期末試験
4,5,6,7,8
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気ローレンツ力を説明できる。4前2,前3,前7
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前7,前9,前10,前11,前12,前15
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前2,前3,前4,前7
原子の構造を説明できる。4前5,前6,前7,前8
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前7,前8
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前14,前15,前16
計測オシロスコープの動作原理を説明できる。4前2,前3,前7,前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000