基礎半導体工学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎半導体工学
科目番号 121314 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎半導体工学 小林敏志、金子双男、加藤景三 著(コロナ社)
担当教員 和田 直樹

到達目標

1.真性半導体と不純物半導体を説明できる。
2.金属と半導体の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
3.半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
4.pn接合と金属半導体接触の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合と金属半導体接触の電流ー電圧特性を説明できる。
5.バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
6.電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
7.太陽電池と発光ダイオードの構造と動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
真性半導体と不純物半導体を説明できる。真性半導体と不純物半導体を理解して、ドナーとアクセプタの振る舞いを説明できる。真性半導体と不純物半導体を説明できる。真性半導体と不純物半導体を説明できない。
金属と半導体の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。金属と半導体の電気的性質を説明し、移動度や導電率を表す式が書け、計算ができる。金属と半導体の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。金属と半導体の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができない。
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。半導体のエネルギーバンド図を理解して、p形とn形半導体のエネルギーバンド構造を説明できる。半導体のエネルギーバンド図を説明できる。半導体のエネルギーバンド図を説明できない。
pn接合と金属半導体接触の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合と金属半導体接触の電流ー電圧特性を説明できる。pn接合と金属半導体接触の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合と金属半導体接触の電流ー電圧特性の違いの理由を説明できる。pn接合と金属半導体接触の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合と金属半導体接触の電流ー電圧特性を説明できる。pn接合と金属半導体接触の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合と金属半導体接触の電流ー電圧特性を説明できない。
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性とベースコレクタエミッタそれぞれの電流成分を説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できない。
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。電界効果トランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いて電界効果トランジスタの動作を説明できる。電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。電界効果トランジスタの構造と動作を説明できない。
太陽電池と発光ダイオードの構造と動作を説明できる。太陽電池と発光ダイオードの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いて太陽電池と発光ダイオードの動作を説明できる。太陽電池と発光ダイオードの構造と動作を説明できる。太陽電池と発光ダイオードの構造と動作を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
最初に、半導体物性に関する基礎知識を説明してから、その後、基本的な半導体素子であるpn接合ダイオード、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、光半導体素子の原理と動作を説明する。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って現象を物理的に理解できるようにポイントを板書で説明する。学生に質問し、理解度を確認しつつ進める。
注意点:
 電気主任技術者関連科目である。授業中、先生からの一方通行ではなく、なぜそうなるのか等、物理現象を自分で考える習慣を付け、必要なら質問をし、自分に取り込んだ形で講義を聴くように、意識的に努力すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、半導体の特徴と性質 1
2週 真性半導体と不純物半導体 1
3週 電気伝導 1,2
4週 半導体のエネルギーバンド図 1,2,3
5週 キャリア濃度(1) 1,2,3
6週 キャリア濃度(2) 1,2,3
7週 まとめと演習 1,2,3
8週 前期中間試験 1,2,3
2ndQ
9週 テスト返却、非平衡状態のキャリア(1) 1,2,3
10週 非平衡状態のキャリア(2) 1,2,3
11週 pn接合のエネルギーバンド図(1) 4
12週 pn接合のエネルギーバンド図(1) 4
13週 pn接合ダイオードの構造と動作原理(1) 4
14週 pn接合ダイオードの構造と動作原理(2) 4
15週 まとめと演習
前期末試験
1,2,3,4
16週 テスト返却、pn接合ダイオードの特性 1,2,3,4
後期
3rdQ
1週 金属と半導体接触のエネルギーバンドと特性(1) 4
2週 金属と半導体接触のエネルギーバンドと特性(2) 4
3週 バイポーラトランジスタのエネルギーバンド図(1) 5
4週 バイポーラトランジスタのエネルギーバンド図(2) 5
5週 バイポーラトランジスタの構造と動作原理 5
6週 バイポーラトランジスタの特性 5
7週 まとめと演習 4,5
8週 後期中間試験 4,5
4thQ
9週 テスト返却、接合形電界効果トランジスタの構造と動作原理 4,5,6
10週 MIS構造のエネルギーバンド図 6
11週 MIS特性(1) 6
12週 MIS特性(2) 6
13週 MOS電界効果トランジスタの特性 6
14週 太陽電池と発光ダイオード 7
15週 まとめと演習
学年末試験
6,7
16週 テスト返却 6,7

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
電磁気静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000