電力工学A

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電力工学A
科目番号 121425 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 加藤、三島、井口著:「実践的技術者のための電気電子系教科書シリーズ 電力工学」、理工図書
担当教員 加藤 克巳

到達目標

1.電気エネルギーの特徴を説明できる
2.水力発電の原理や特徴を説明できる
3.原子力発電の原理や特徴を説明できる
4.自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる
5.半導体電力変換の概要を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気エネルギーの特徴を、その原理に基づいて説明できる電気エネルギーの特徴を説明できる電気エネルギーの特徴を説明できない
評価項目2水力発電のエネルギー変換の流れに基づき、原理や特徴を説明できる。水力発電の特徴を説明できる水力発電の特徴を説明できない
評価項目3原子力発電のエネルギー変換の流れに基づき、原理や特徴を説明できる。原子力発電の特徴を説明できる原子力発電の特徴を説明できない
評価項目4自然エネルギーの変換の流れに基づき、自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる。自然エネルギー利用発電の特徴を説明できる自然エネルギー利用発電の特徴を説明できない
評価項目5半導体電力変換の動作を、変換素子の特性を用いて論理立てて説明できる。半導体電力変換の動作を説明できる半導体電力変換の動作を説明できない

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
水力、原子力、太陽光、風力等、様々なエネルギーを電気エネルギーに変換する方法について学習する。また、電気エネルギーを他形式の電気エネルギー(直流から交流への変換など)に変換するパワーエレクトロニクスについて学習する。なお火力発電については、4年後期科目の「機械工学概論B」にて扱う。
授業の進め方・方法:
授業は講義と演習を並行して進める。また、毎授業終了後、宿題として、CBT形式の小テストを課す。電気工事士・電気主任技術者関連科目である。
注意点:
電力工学Aは次年度に学習する電力工学Bや電気法規とともに電気主任技術者認定に必要な科目の一つである。将来、電気主任技術者の認定を受けよう考えている人は必ず修得して欲しい。
発電には、機械、材料、化学など、電気以外の多数の工学的技術が必要とされることを学び取ってほしい。また、発電においては、環境問題、国際問題、経済性、各種利権などの社会問題との関わりを頭に入れておく必要があることを認識して欲しい。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.10)に記載する「④選択科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、電力工学の意義 1.電気エネルギーの特徴を説明できる
・電力工学の重要性について説明できる
2週 エネルギー資源 1.電気エネルギーの特徴を説明できる
・各種一次エネルギー(エネルギー資源)の特徴を説明できる
・エネルギーフローの見方を理解し、各種計算に利用できる
3週 電気エネルギーの特徴、電源構成 1.電気エネルギーの特徴を説明できる
・電気エネルギーの特徴を説明できる。
・各種電源構成の特徴を説明できる。
・スマートグリッドの概要と目的を説明できる。
4週 電力システムの構成 1.電気エネルギーの特徴を説明できる
・電力運用の概要(電圧、周波数、送電方式、広域運用)を説明できる。
・電力システムの構成要素と役割を説明できる。
5週 再生可能エネルギーと地球環境 1.電気エネルギーの特徴を説明できる
・再生可能エネルギーの種類や特徴を説明できる。
・電力システムと環境との関わり(排ガス、排熱利用、材料、環境電磁界)について説明できる。
6週 水力発電の概要 2.水力発電の原理や特徴を説明できる
・各種水力発電方式の概要を説明できる。
・水力発電の設備構成の概要を説明できる。
7週 (中間試験期間)
8週 水力学 2.水力発電の原理や特徴を説明できる
・水力発電の理論水力計算ができる。
・水力学の概要(ベルヌーイの定理、水頭等)を説明できる。
2ndQ
9週 水力発電の設備1 2.水力発電の原理や特徴を説明できる
・水力発電で用いられる水車の方式と特徴を説明できる。
・水車の比速度とは何か、比速度と水車性能との関わりについて説明できる。
・水撃作用、キャビテーションとは何か、またその抑制方法を説明できる。
10週 水力発電の設備2 2.水力発電の原理や特徴を説明できる
・調速機の役割を説明できる。
・水車発電機の概要を説明できる。
・サージタンク、ダム、圧力鉄管等の付属設備について役割を説明できる。
11週 水力発電の特性計算 2.水力発電の原理や特徴を説明できる
・水力発電における発電条件から、必要流量、調整池、貯水池容量計算ができる。またその逆計算ができる。
・比速度や速度調定率から、発電機運転に関する各種計算ができる。
・揚水発電における各種計算ができる。
12週 原子力発電の概要 3.原子力発電の原理や特徴を説明できる
・原子力発電におけるエネルギー変換の原理を説明できる。
・原子力発電の特徴を説明できる。
・放射線の種類と特徴を説明できる。
13週 核分裂、質量欠損とエネルギー発生 3.原子力発電の原理や特徴を説明できる
・質量欠損と原子力発電の関係について説明できる。
・核分裂と連鎖反応について説明できる。
・原子炉の構成要素とその役割を説明できる。
14週 原子力発電の種類、原子力の特性計算 3.原子力発電の原理や特徴を説明できる
・BWRとPWRの違いについて説明できる。
・原子力発電の各種特性計算ができる。
15週 期末試験
16週 答案返却と振り返り
後期
3rdQ
1週 自然エネルギー利用発電の概要 4.自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる
・再生可能エネルギーとは何かを説明できる
2週 太陽光発電 4.自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる
・太陽電池の電圧-電流特性とMPPTについて説明できる。
・太陽光発電システムの構成と役割を説明できる。
3週 風力発電 4.自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる
・風力発電の理論に基づいたエネルギー計算ができる。
・風力発電の構成と役割を説明できる。
・洋上風力発電の重要性を説明できる。
4週 燃料電池 4.自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる
・燃料電池の原理を説明できる。
・燃料電池の種類と特徴を説明できる。
5週 その他の発電 4.自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる
・バイオマス発電の原理と特徴を説明できる。
・地�
6週 電気エネルギー貯蔵 4.自然エネルギー利用発電の原理や特徴を説明できる
・自然エネルギー利用と電気エネルギー貯蔵の関係を説明できる。
・電気エネルギー貯蔵の各種方式の原理や特徴を説明できる。
7週 (中間試験期間)
8週 半導体電力変換の概要 5.半導体電力変換の概要を説明できる
・パワーエレクトロニクス技術で行う電力変換の概要を説明できる。
・理想スイッチの条件を説明できる。
4thQ
9週 半導体電力変換素子 5.半導体電力変換の概要を説明できる
・各種パワー半導体スイッチ素子の構造と特徴を説明できる。
10週 半導体電力変換(整流回路)(ACDC変換) 5.半導体電力変換の概要を説明できる
・各種整流(半波、全波、三相)回路の動作原理を説明できる。
・整流回路の平均出力計算ができる。
11週 半導体電力変換(直流チョッパ)(DCDC変換) 5.半導体電力変換の概要を説明できる
・降圧チョッパ、昇圧チョッパの動作原理を説明できる。
12週 半導体電力変換(インバータ)(DCAC変換) 5.半導体電力変換の概要を説明できる
・インバータ回路の動作原理を説明できる。
・高調波抑制対策法について説明できる。
13週 半導体電力変換 (周波数変換)(ACAC変換) 5.半導体電力変換の概要を説明できる
・周波数変換回路の動作原理について説明できる。
14週 半導体電力変換 (その他) 5.半導体電力変換の概要を説明できる
・様々なパワーエレクトロニクス応用回路(VVVF制御、UPS等)についてその概要と役割を説明できる。
15週 期末試験
16週 答案返却と振り返り

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4前4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4前6,前8,前9,前10
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4前12,前13,前14
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4後1,後2,後3,後4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4前5

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000