半導体工学(5E)

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 半導体工学(5E)
科目番号 121514 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 新版 集積回路工学(l)   永田 穣、柳井久義 共著 (コロナ社)
担当教員 和田 直樹

到達目標

1. 半導体工業の歴史と集積回路の種類を説明できる。
2. pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
3.バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
4.電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
5. ICの基本的な製造プロセス技術を説明できる。
6. IC内の基本的な回路素子の構造と設計方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体工業の歴史と集積回路の種類を理解して、集積回路技術の必然性を説明できる。半導体工業の歴史と集積回路の種類を説明できる。半導体工業の歴史と集積回路の種類を説明できない。
評価項目2pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合と金属半導体接触の電流―電圧特性の違いの理由を説明できる。pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。pn接合の構造を理解できず、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できない。
評価項目3バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性とベースコレクタエミッタそれぞれの電流成分を説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解できず、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できない。
評価項目4電界効果トランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いて電界効果トランジスタの動作を説明できる。電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
評価項目5ICの製造プロセス技術、特に不純物拡散とエピタキシャル成長、SiO2と金属成膜技術について例を挙げて説明できる。ICの基本的な製造プロセス技術を説明できる。ICの基本的な製造プロセス技術を説明できない。
評価項目6IC内の回路素子の構造と設計方法をMOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタに分けて例を挙げて説明できる。IC内の基本的な回路素子の構造と設計方法を説明できる。IC内の基本的な回路素子の構造と設計方法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は企業でLEDや有機EL等の開発を担当していた教員が、その経験を活かし、半導体の基礎物性や素子構造、プロセス、設計方法等について講義形式で授業を行うものである。現在、集積回路(IC)は欠かすことのできない電子産業の中心的な存在である。本授業では、ICに関する概論的知識から始まり、素子構造と特性、製造プロセス、設計方法の基本的概念について解説する。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って進め、重要点を板書して解説する。数値例題を解いて、現実的な大きさや形として理解できるようにする。
注意点:
「平成28年度以前入学者向け科目」電気主任技術者関連科目である。今まで電子回路、論理回路、学生実験などの授業で学んできた集積回路(IC)が、どのようにして作られているかを知ることにより、さらにこの分野に興味を持つことを期待する。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「④選択科目」である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 半導体工業の歴史と集積回路 1、歴史
2週 集積回路の種類とパッケージ、モノリシック集積回路の必然性 1、ICの種類
3週 p n接合 2、pn接合
4週 バイポーラトランジスタ 3、トランジスタ
5週 MOS構造 4、MOSトランジスタ
6週 MOSトランジスタ 4、MOSトランジスタ
7週 シリコン単結晶とウェーハ、フォトレジスト加工 5、ICプロセス
8週 後期中間試験 1,2,3,4,5
4thQ
9週 試験返却、酸化と酸化膜の性質 5、ICプロセス
10週 熱拡散とイオン打込み 5、ICプロセス
11週 エピタキシャル成長とCVD技術、蒸着、及び配線の形成 5、ICプロセス
12週 半導体モノリシックICの構成素子(1) 6、IC構成素子
13週 半導体モノリシックICの構成素子(2) 6、IC構成素子
14週 半導体モノリシックICの構成素子(3) 6、IC構成素子
15週 半導体モノリシックICのパターン設計 6、ICパターン設計
16週 学年末試験、試験返却 5,6

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4後3,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4後4,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000