科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 倫理
科目番号 101210 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『高等学校 倫理』越智 貢他(第一学習社),配布プリント
担当教員 濱井 潤也

到達目標

1. 哲学・倫理の意義を,自然科学との差異において理解する。
2. ギリシャ哲学における人間精神の位置づけを理解する。
3. 世界各地の宗教・思想に親しみ,その歴史と意義を理解する。
4. 西洋近世の個人観とそれに基づく社会論の展開を理解する。
5. 社会主義やファシズム等の20世紀を席巻した思想とその問題点を理解する。
6. 実存主義への理解を通して自己の生きる意味を考察する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1哲学・倫理学と自然科学との差異を理解し,人間の生におけるその意義を論述できる。哲学・倫理学における思考法と,科学的な思考法の特徴と差異を記述できる。哲学・倫理の思考法の特徴と意義を理解できず,学ぶ必要のない科目だと考えている。
到達目標2ギリシャ哲学を基に,現代でも断定できない諸問題について,自身の見解を論述できる。善やイデア等,ギリシャ哲学の抽象的な世界観についてその特徴を記述できる。ギリシャ哲学の世界観に対して,科学が未発達な時代の間違った考えだと捉えている。
到達目標3各宗教の歴史・思想に触れ,現代におけるその役割について自身の見解を論述できる。世界の宗教の特徴やキーワードをある程度覚えており,記述することができる。宗教を単に誤った考え方として捉え,現代社会においては不要なものと考えている。
到達目標4個人主義,民主主義,資本主義の成立過程や,その現代における問題を考察できる。個人,人民主権,自己利益追求等の近現代を形成する概念の成立について記述できる。個人主義的,民主主義的,資本主義的価値観を当たり前に正しいものと捉えている。
到達目標5社会主義,ファシズムの歴史を理解し,現代まで継続する問題として考察できる。社会主義,ファシズムが誕生する土壌及びその目的について記述することができる。社会主義やファシズムが何を目指したのかを理解せず,単なる支配構造と見ている。
到達目標6実存主義の思想の社会性と反社会性を理解し,自身の生きる意味を考察できる。実存主義の考え方の特徴を理解し,自身の生活の中で実例を挙げることができる。実存主義の考え方を,自身の人生に関連させてイメージすることができない。

学科の到達目標項目との関係

教養 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ソクラテスは「単に生きるのではなく,善く生きること」が大切だと言いましたが,果たして「善い」とはどういう意味で,皆さんはこれからどのように生きるべきなのでしょうか。この問いを考察するために,この授業では倫理思想史を紐解き,古代ギリシャから現代の国際社会に至るまでの人々が何を「善い」と考え,社会を形成してきたのかを学びます。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式で進めますが、グループディスカッションやプレゼンテーション等も積極的に取り入れる予定です。
注意点:
人間は古来より,様々なものに価値を見出し,そのために生きてきました。そして皆さんはこれから,何のために生きるのでしょうか。この問いの答えは人それぞれですが,しかしこの問いを避けて通ることはできません。この授業を通して「善い社会」,「善い人生」を共に探求しましょう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入:「倫理」とは何か? 1
2週 青年期の課題と自己形成Ⅰ 1
3週 青年期の課題と自己形成Ⅱ 1
4週 ギリシャの思想:哲学の形成 2
5週 ギリシャの思想:ソクラテス 2
6週 ギリシャの思想:プラトン 2
7週 ギリシャの思想:アリストテレス 2
8週 中間試験 1, 2
2ndQ
9週 ユダヤ教の世界観と歴史 3
10週 キリスト教:イエスの思想とその展開 3
11週 イスラム教の教え 3
12週 ヒンドゥー教とインド社会 3
13週 仏教の基礎とその展開 3
14週 中国の思想:孔子と諸子百家 3
15週 まとめ 3
16週 期末試験 3
後期
3rdQ
1週 ルネッサンスと近代科学 1, 4
2週 デカルトの思想:「私」の発見 4
3週 大陸合理論とイギリス経験論 4
4週 カント認識論 4
5週 功利主義と厳格主義 4
6週 自由と民主主義の成り立ち 4
7週 ヘーゲルの思想と残した課題 4
8週 中間試験 1, 4
4thQ
9週 マルクスの思想:労働と疎外 5
10週 革命と社会主義国 5
11週 日本の社会主義運動 5
12週 ファシズムの独裁者 5
13週 実存主義の苦悩:ニーチェの虚無 6
14週 実存主義の苦悩:実存とペルソナ 6
15週 まとめ 5, 6
16週 期末試験 5, 6

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。3
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。3
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000