電子計測

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子計測
科目番号 130511 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ディジタル時代の電気電子計測基礎  松本佳宜 著  コロナ社
担当教員 城戸 隆

到達目標

1.A/D変換および微小信号を検出・増幅するための技術について理解していること。
2.電子計測システムの仕組みについて理解していること。
3.各種センサを用いた測定系について特性を知り、適用個所を判断できること。
4.測定誤差の発生原因と統計的処理による真値の推定法を理解していること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1A/D変換とその周辺技術を理解し、総合的に電子計測システムに応用できる。A/D変換とその周辺技術を個別に理解しているが、電子計測システムに対して応用できない。A/D変換の仕組みとその周辺技術が理解できない。
評価項目2微小信号増幅技術とロックイン・アンプの原理を理解し、総合的に電子計測システムに応用できる。微小信号増幅技術とロックイン・アンプの原理を個別に理解している。微小信号増幅技術の仕組みとロックイン・アンプの原理が理解できない。
評価項目3 量子標準を含む各種計測標準の原理や精度を理解し、種々の電気量の標準供給体系を総合的に説明できる。 個々の計測標準の原理や精度を個別に理解している。個々の計測標準の原理や精度を理解していない。
評価項目4計測誤差の統計的性質を理解し、複数の計測値から最小二乗及び不偏推定を駆使して真値を的確に推定できる。計測誤差の統計的性質度は理解しているが、計測値から真値(計測母集団)を推定することはできない。計測誤差の統計的性質を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
システム機器の制御を行うためには、まずシステム機器に関する入力情報を収集する必要がある。本科目では、情報の検出・変換を行うセンサと、これから得られる電気信号をコンピュータに取り込み、データ処理する技術ついて体系的に整理して習得、これらに関わる基本的問題に対する解法を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目であるので、(90時間-講義時間)以上の自学自習を必要 とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(90時間-講義時間)×3 /4} 時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。(各課題ごとの時間は 担当教員が設定する。
成績は、4回の定期試験の結果で評価する。
注意点:
電子計測技術は、電気・電子工学の実用を考える上で極めて重要な位置を占めている。講義に登場する内容が実用的な観点では実際の物とどのように関わっているか、という見方を常に心掛けるようにされたい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子計測システムの構成 1
2週 計測と単位 1
3週 測定の基本的手法 1
4週 A/D変換、D/A変換 1
5週 A/D変換の周辺技術 1
6週 雑音の種類 1
7週 雑音の発生メカニズムと対策 1
8週 <前期中間試験> 1
2ndQ
9週 実装技術と雑音 2
10週 微小信号の増幅技術(1) 2
11週 微小信号の増幅技術(2) 2
12週 ロックイン・アンプの原理と応用(1) 2
13週 ロックイン・アンプの原理と応用(2) 2
14週 インタフェース回路 2
15週 RS-232CとGP-IB 2
16週 <前期末試験> 2
後期
3rdQ
1週 確率論の関連事項の復習 3
2週 計測標準 3
3週 計測誤差の統計的性質 3
4週 真値の推定手法 3
5週 計測値による異常判定 3
6週 センサについて概論 3
7週 各種センサ 3
8週 <後期中間試験> 3
4thQ
9週 電流・電圧計測 4
10週 インピーダンスの測定 4
11週 電力の測定 4
12週 周波数と位相の測定 4
13週 時間波形の測定 4
14週 波動応用計測 (1) 4
15週 波動応用計測 (2) 4
16週 <学年末試験> 4

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。2
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。2
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。2
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。2
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。2
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。1
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。1
FETの特徴と等価回路を説明できる。1
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3
演算増幅器の特性を説明できる。3
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。3
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。1
原子の構造を説明できる。1
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。1
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。1
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。1
真性半導体と不純物半導体を説明できる。1
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。1
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。1
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。1
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。1
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。1
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。1
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。2
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4
オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力400000040
分野横断的能力400000040