電子工学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子工学1
科目番号 130520 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 西村信雄、落山謙三、 改訂電子工学 (コロナ社)
担当教員 福田 京也

到達目標

1. 電子の電荷量や質量などの基本性質およびエレクトロンボルトの定義を説明でき、単位換算等の計算ができる
2. 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる
3. pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の電荷量や質量などの基本性質およびエレクトロンボルトの定義を説明でき、単位換算等の計算ができる電子の電荷量や質量の基本定数およびエレクトロンボルト(eV)の定義を説明でき、eVとJ(ジュール)の単位換算ができる電子の電荷量や質量の基本定数およびエレクトロンボルト(eV)の定義を説明できない、eVとJ(ジュール)の単位換算ができない
評価項目2結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できるエネルギーバンドの形成を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できない
評価項目3pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を説明できるエネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を説明できるエネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
エレクトロニクス(electronics)は日本語では電子工学と訳され、そのカバーする内容は非常に広範囲にわたっている。電子工学は、真空管に代表される真空電子工学、放電管に代表される気体電子工学、半導体の電気的・磁気的・光学的性質を利用した各種半導体素子を扱う半導体電子工学、光と原子や電子の相互作用を扱う量子電子工学など、多岐にわたる内容を含む。電子の振る舞いを理解するためには量子力学の理解が必要であるが、本講義では電子工学における重要なポイントを取り上げ、量子力学的な電子やそのエネルギーの扱い方、原子の中の電子の振る舞い、結晶中の電子のエネルギー、半導体のpn接合におけるキャリアの振る舞いについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講では到達目標にある種々の例を用いてこの基本原理に触れることを中心に講義をする。教科書で扱う内容を補うため、プリント等の参考資料を配布して原子物理の基本を理解することを念頭に授業を進める。学習した内容の定着を図るため、一つの学習内容が終了した後に小テストを行う。
注意点:
この科目は学修単位科目(2単位)であり、総学修時間は90時間である。(内訳は授業時間30時間、自学自習時間60時間である。)単位認定には60時間に相当する自学自習が必須であり、この自学自習時間には、担当教員からの自学自習用課題、授業のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察時間、および試験準備のための学習時間を含むものとする。
適宜学生の理解度をチェックし、必要に応じて演習を実施し、レポートやプリントによる課題を課す。課題は必ず提出すること。小テストは何度でも受けることを許可し、最高点を成績評価に用いる。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
 本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の性質と物理現象 1
2週 原子の構造 1
3週 原子のエネルギー準位 1
4週 原子の超微細構造 1
5週 熱エネルギーと分子運動 1
6週 金属、半導体、絶縁体とバンド理論 2
7週 半導体の導電現象 2
8週 中間試験
2ndQ
9週 電子の統計分布、フェルミレベル 2
10週 n型半導体、p型半導体 3
11週 pn接合とその特性 3
12週 pn接合のエネルギー帯図 3
13週 pn接合の降伏現象と静電容量 3
14週 ショットキー接触とオーミック接触 3
15週 半導体応用素子 3
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前1
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前1
原子の構造を説明できる。4前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前6,前9
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前6
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前6,前7
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前6,前7
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前10,前11,前12

評価割合

試験小テスト課題合計
総合評価割合701020100
基礎的能力0000
専門的能力701020100
分野横断的能力0000