技術者倫理

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 130525 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての工学倫理 第3版 斎藤了文、坂下浩司編(昭和堂)/第二版 大学講義技術者の倫理入門 杉本泰治、高城重厚著(丸善)、実践的工学倫理 中村収三著(化学同人)、技術者倫理の世界 藤本温編(森北出版)、技術者倫理入門 谷垣昌敬 監修、吉村忠与志、戸島貴代志著(オーム社)、はじめての工学倫理 初版 斎藤了文、坂下浩司編(昭和堂)
担当教員 平田 傑之,内藤 出,城戸 隆,大村 聡,松原 靖廣,濱井 潤也

到達目標

1. 技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを理解できる
2. 技術者としての意思決定の際に、セブンステップガイド法などを用いて判断できる
3. リスクマネージメントの基本を理解できる
4. 技術者として倫理規定に基づいた判断ができる
5. 製造物に対する技術者の責任の基本的概念を理解できる
6. 組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができる
7. 技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを一般論として説明できる技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを一般論として説明できない
到達目標2技術者として意思決定の際に、セブンステップガイド法などを用いて判断できる。技術者として意思決定の際に使用するセブンステップガイド法などを説明できる技術者として意思決定の際に使用するセブンステップガイド法などを説明できない
到達目標3リスクマネージメントの基本を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができるリスクマネージメントの基本を説明できるリスクマネージメントの基本を説明できない
到達目標4技術者として倫理規定に基づいた判断ができる技術者として必要な倫理規定を説明できる技術者として必要な倫理規定を説明できない
到達目標5製造物に対する技術者の責任の基本的概念を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる製造物に対する技術者の責任の基本的概念を説明できる製造物に対する技術者の責任の基本的概念を説明できない
到達目標6組織の中のエンジニアとしてすべきことを考え、その中で適切な考えを選択することができる組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができる組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができない
到達目標7技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できる技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教養 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
科学技術の進歩に伴い、技術者の判断が社会や環境に与える影響について知り、技術者としての解決策の提案および実行を行わなければならないことを理解する。また、その解決策を選択するための価値(判断)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に、様々な事例を紹介しながら、説明や討論を交えて授業を進める。毎回課題を与える。
注意点:
技術者の意思決定にはこのような倫理的側面がつきまとうことを理解し、広い視野を持つことと自分で考えることの必要性を認識して、自学(レポート作成)には多方面からの情報をもとに判断すること。
この科目は学修単位科目(2単位)であり、総学修時間は90時間である。(内訳は授業時間30時間、自学自習時間60時間である。)単位認定には60時間に相当する自学自習が必須であり、この自学自習時間には、担当教員からの自学自習用課題、授業のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察時間、および試験準備のための学習時間を含むものとする。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
 本科目は履修要覧(p.9)に記載する「①必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 序論(なぜ技術者倫理か?) 1
2週 工学の倫理概念について(倫理問題の解決法) 2
3週 応用倫理(環境倫理と工学倫理) 1
4週 リスク・マネージメント 3
5週 セクシャル・ハラスメント 4
6週 安全性と設計 4,5
7週 企業秘密 6
8週 倫理規定 4
4thQ
9週 工程管理 3,4,6
10週 知的財産権 7
11週 Profession(技術者)としての責任 1,2,3,4,5,6,7
12週 製造物責任法 5
13週 企業の社会的責任 1
14週 技術者と組織の対立 4,6
15週 内部告発の是非 1,4,6
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
工学基礎技術者倫理技術者倫理説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
分野横断的能力基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000