科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 倫理
科目番号 101210 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『高等学校 倫理』(第一学習社),『テオーリア 最新倫理資料集』(第一学習者)配布プリント
担当教員 濱井 潤也

到達目標

1. 哲学・倫理の意義を,自然科学との差異において理解する。
2. ギリシャ哲学における人間精神の位置づけを理解する。
3. 世界各地の宗教・思想に親しみ,その歴史と意義を理解する。
4. 西洋近世の個人観とそれに基づく社会論の展開を理解する。
5. 社会主義やファシズム等の20世紀を席巻した政治思想とその問題点を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1哲学・倫理学と自然科学との差異を理解し,人間の生におけるその意義を論述できる。哲学・倫理学における思考法と,科学的な思考法の特徴と差異を記述できる。哲学・倫理の思考法の特徴と意義を理解できず,学ぶ必要のない科目だと考えている。
到達目標2ギリシャ哲学を基に,現代でも断定できない諸問題について,自身の見解を論述できる。善やイデア等,ギリシャ哲学の抽象的な世界観についてその特徴を記述できる。ギリシャ哲学の世界観に対して,科学が未発達な時代の間違った考えだと捉えている。
到達目標3各宗教の歴史・思想に触れ,現代におけるその役割について自身の見解を論述できる。世界の宗教の特徴やキーワードをある程度覚えており,記述することができる。宗教を単に誤った考え方として捉え,現代社会においては不要なものと考えている。
到達目標4個人主義,民主主義,資本主義の成立過程や,その現代における問題を考察できる。個人,人民主権,自己利益追求等の近現代を形成する概念の成立について記述できる。個人主義的,民主主義的,資本主義的価値観を当たり前に正しいものと捉えている。
到達目標5社会主義,ファシズムの歴史を理解し,現代まで継続する問題として考察できる。社会主義,ファシズムが誕生する土壌及びその目的について記述することができる。社会主義やファシズムが何を目指したのかを理解せず,単なる支配構造と見ている。

学科の到達目標項目との関係

問題解決能力・自己向上力 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間は古来より,様々なものに価値を見出し,そのために生きてきました。そして皆さんはこれから,何のために生きるのでしょうか。この問いの答えは人それぞれですが,しかしこの問いを避けて通ることはできません。この授業を通して「善い社会」,「善い人生」を共に探求しましょう。ソクラテスは「単に生きるのではなく,善く生きること」が大切だと言いましたが,果たして「善い」とはどういう意味で,皆さんはこれからどのように生きるべきなのでしょうか。この問いを考察するために,この授業では倫理思想史を紐解き,古代ギリシャから現代の国際社会に至るまでの人々が何を「善い」と考え,社会を形成してきたのかを学びます。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式で進めますが、グループディスカッションやプレゼンテーション等も積極的に取り入れる予定です。
注意点:

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「④選択科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入:「倫理」とは何か? 1
2週 青年期の課題と自己形成Ⅰ:アイデンティティ 1
3週 青年期の課題と自己形成Ⅱ:善悪の性質 1
4週 ギリシャの思想:哲学の形成 2
5週 ギリシャの思想:ソクラテスⅠ 2
6週 ギリシャの思想:ソクラテスⅡ 2
7週 ギリシャの思想:プラトン 2
8週 ギリシャの思想:アリストテレス 2
2ndQ
9週 宗教とは何か 3
10週 ユダヤ教 3
11週 キリスト教 3
12週 イスラム教 3
13週 仏教 3
14週 神道 3
15週 期末試験 1, 2, 3
16週 試験返却 1, 2, 3
後期
3rdQ
1週 私とは何か 4
2週 デカルトの思想:我思う故に我有り 4
3週 演繹法と帰納法 4
4週 大陸合理論:理性は全てを解き明かす 4
5週 イギリス経験論:見えないものは存在しない 4
6週 カント認識論:世界は私が創っている 4
7週 なぜ人を殺してはならないのか:功利主義と厳格主義Ⅰ 4
8週 誰を殺してはならないのか:功利主義と厳格主義Ⅱ 4
4thQ
9週 ルールは我々を不自由にするか、自由にするか 4
10週 皆が自由になる方法?:民主主義 4
11週 「努力は報われる」は正しいか:資本主義 4
12週 平等な理想郷を目指してⅠ:マルクスの共産党宣言 5
13週 平等な理想郷を目指してⅡ:社会主義国家の誕生と衰退 5
14週 待望の強いリーダー:ファシズムの時代 5
15週 期末試験 4, 5
16週 試験返却 4, 5

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断的能力000