化学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学1
科目番号 102430 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 生物応用化学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:2
教科書/教材 化学基礎(東京書籍) 化学(東京書籍) これでわかる化学(三共出版) これでわかる化学問題集(三共出版)
担当教員 矢野 潤,柴田 亮

到達目標

第6周期までの主要な元素および主要元素の元素を覚える。
2.物質の成り立ちを原子、分子、イオンで説明できること。
3.原子量、分子量の計算ができること。
4.物質量(モル)と物質の質量と個数及び気体の体積の相互換算ができること。
5.溶液の質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができること。
6.酸と塩基の定義、水素イオン濃度とpHを理解でき計算できること。
7.中和反応式の作成、量的計算ができること。
8.酸化還元の定義、酸化数と酸化還元反応との関係を理解できること。
9.酸化還元反応式の作成、量的計算ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1第6周期までの主要な元素および主要元素の元素(原子番号、元素記号、名称、安定なイオンのイオン式)を覚える。第6周期までの主要な元素および主要元素の元素記号と名称を覚える。第6周期までの主要な元素および主要元素の元素を覚えられない。
評価項目2安定な電子配置を理解し、物質の成り立ちを原子、分子、イオンで説明できる。物質の成り立ちを理解し、イオン結合、共有結合、金属結合を理解できる。物質の成り立ちを原子、分子、イオンで説明できない。
評価項目3相対質量と原子量の概念を理解し、分子量、式量の計算ができる。原子量を用いて、分子量や式量の計算ができる。原子量、分子量の計算ができない。
評価項目4物質量(モル)の概念を理解し、物質量と物質の質量と個数及び気体の体積の相互換算ができる。物質量(モル)と物質の質量と個数及び気体の体積の相互換算ができる。物質量(モル)と物質の質量と個数及び気体の体積の相互換算ができるない。
評価項目5溶液の質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができ、それらを用いた諸量の計算ができる。溶液の質量パーセント濃度やモル濃度を求めることができる。溶液の質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができない。
評価項目6酸と塩基の定義、水素イオン濃度とpHを理解でき計算できる。水素イオン濃度とpHを理解でき計算できる。酸と塩基の定義、水素イオン濃度とpHを理解でき計算できない。
評価項目7中和反応式の作成、量的計算ができる。中和反応式の作成ができる。中和反応式の作成、量的計算ができない。
評価項目8酸化還元の定義を理解した上で、酸化数と酸化還元反応との関係を理解できる。酸化数の計算と酸化還元反応でどの物質が酸化・還元されたかを理解できる。酸化還元の定義、酸化数と酸化還元反応との関係を理解できない。
評価項目9酸化還元反応式の作成、量的計算ができること。酸化還元反応式の作成ができること。酸化還元反応式の作成、量的計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
すべての物質を構成する基本粒子の構造、元素の周期律、化学結合、および、物質の状態変化、気体・液体の性質について学習する。また、原子量・物質量と化学変化の量的関係に対する計算力をつける。さらに、酸化還元の概念を理解し、反応式の作成や量的関係についても学習する。
授業の進め方・方法:
講義、演習
注意点:
化学は暗記科目ではない。原子の構造を理解すれば、さまざまな化学的現象が系統的に理解しやすくなる。しかし、元素記号をはじめ基本的な項目はその都度覚えていく必要がある。毎回の授業をよく聴き必ず復習をすること。四則計算や分数の計算が正確にでき、数学の指数計算は理解できることを前提とする。

本科目は専門基礎科目であり、卒業までに必ず取得しなければならない科目である。60点未満で単位取得できなかった場合は、必ず追認試験で取り返し、また欠課超過で取得できない場合は進級できない。
中学校で学んだ理科の第一分野の教科書に目を通して復習をして置いて下さい。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「②専門基礎科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、授業の進め方の説明、化学について、物質と生活 2
2週 純物質と混合物の理解と物質の種類と分離・精製法、単体と純物質及び物質の三態 2
3週 原子の構造(原子番号、中性子数、質量数)、電子配置と閉殻構造 2
4週 電子配置と元素の周期表、元素の周期表の理解(陽性、陰性、など) 1,2
5週 イオン結合(イオンの生成、価数、イオン式)、小テストと解説 1,2
6週 イオン結合構成物質とそれらの組成式、共有結合と電子式化学結合 1,2
7週 分子と共有結合の結合様式、これまでのまとめと演習 1,2
8週 中間試験、試験の解答と解説 1,2
2ndQ
9週 金属結合と金属結晶、単位格子と充填率原子量とその概念 1,2
10週 相対質量と原子量、分子量および式量とそれらの計算 1,3
11週 物質量(モル)とアボガドロ数とモル質量、物質量と体積・質量・個数の関係 1,3,4
12週 濃度と諸量の関係、小テストと解説 1,3,4,5
13週 化学反応式とその意味、化学反応式の作成 1,3,4,5
14週 化学反応式と量的関係、反応に過不足のある場合これまでのまとめと演習 1,3,4,5
15週 これまでのまとめと演習、演習問題と解説 1,3,4,5
16週 期末試験、試験の解答と解説 1,2,3
後期
3rdQ
1週 酸と塩基の定義(アレニウスおよびブレンステッドの酸と塩基) 1,6
2週 電離度の定義と酸と塩基の強弱 1,6
3週 水溶液の酸性度と水素イオン濃度 1,6
4週 水のイオン積とpH 1,6
5週 中和反応と反応式の作成 1,7
6週 塩の加水分解と弱酸と弱塩基の遊離 1,6,7
7週 中和反応とその量的関係(中和t滴定) 1,5,6,7
8週 小テストと解説 1,3,4
4thQ
9週 酸化と還元の概念 1,8
10週 酸化数の意味と計算 1,8
11週 酸化数と酸化還元の判定 1,8
12週 酸化数と酸化還元の働きを示す式と意味 1,8
13週 酸化還元反応と反応式の作成 1,8,9
14週 酸化還元反応の量的関係 1,8,9
15週 これまでのまとめと演習 1,5,8,9
16週 期末試験 1,5,8

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
化学実験化学実験ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力75000025100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000