有機化学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学1
科目番号 140205 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ハート基礎有機化学  H.ハート著 秋葉欣哉 他訳  (培風館)
担当教員 間淵 通昭

到達目標

1.有機化合物の定義ができ、身の回りにある物の中から例示できること。
2.分子式、構造式、立体構造など有機化合物の基本的な表現ができること。
3.アルカン、アルケン、アルキンの構造(立体構造含む)・特性の違いを説明できること。
4.芳香族炭化水素の構造(立体構造含む)・特性の違いを説明できること。
5.一般的な炭化水素化合物を命名できること。
6.官能基の定義ができ、代表的な官能基とその特性を説明できること。
7.アルコールの分類ができ、アルコールの酸化反応について種類ごとに説明できること。
8.各種エステルの生成反応を書けること。
9.高分子の定義ができ、代表的な高分子とそのなりたち(重合様式)を例示できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
有機化合物の定義ができ、身の回りにある物の中から例示できること。有機化合物の定義ができ、身の回りにある物の中から例示できる。有機化合物の定義および身の回りにある物の中からの判別があいまいである。有機化合物の定義ができない。
分子式、構造式、立体構造など有機化合物の基本的な表現ができること。分子式、構造式、立体構造など有機化合物の基本的な表現ができる。分子式、構造式、立体構造のいずれかの表現ができない。分子式、構造式、立体構造のいずれの表現法を理解していない。
アルカン、アルケン、アルキンの構造(立体構造含む)・特性の違いを説明できること。アルカン、アルケン、アルキンの構造(立体構造含む)・特性の違いを説明できる。アルカン、アルケン、アルキンの特性の違いに対する理解が不確かである。アルカン、アルケン、アルキンの違いを理解していない。
芳香族炭化水素の構造(立体構造含む)とその特性を説明できること。芳香族炭化水素の構造(立体構造含む)とその特性を説明できる。芳香族炭化水素の構造は書けるが、その特性についての理解が不確かである。芳香族炭化水素とは何かを理解していない。
一般的な炭化水素化合物を命名できること。一般的な炭化水素化合物を命名できる。命名法の理解が不確かである。一般的な炭化水素化合物を命名できない。
官能基の定義ができ、代表的な官能基とその特性を説明できること。官能基の定義ができ、代表的な官能基とその特性を説明できる。代表的な官能基とその特性が1-2例しか挙げられない。官能基の定義ができない。
アルコールの分類ができ、アルコールの酸化反応について種類ごとに説明できること。アルコールの分類ができ、アルコールの酸化反応について種類ごとに説明できる。アルコールの酸化反応について種類ごとの違いについての理解が不確かである。アルコールの分類ができない。
脱水(縮合)による各種エステルの生成反応を書けること。脱水(縮合)による各種エステルの生成反応を書ける。脱水(縮合)反応についての理解が不確かである。各種エステルの生成反応を書けない。
高分子の定義ができ、代表的な高分子とそのなりたち(重合様式)を例示できること。高分子の定義ができ、代表的な高分子とそのなりたち(重合様式)を例示できる。高分子の定義ができるが、重合様式についての理解が不十分である。高分子の定義ができない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「炭素の化合物」である有機分子は多種多様であり、それらを扱う有機化学は、化学という学問の中でも大きな位置を占めている。有機分子の分類から命名法、反応まで、有機化学一般の基礎知識を習得し、有機化学の全体像をつかむことを目標とする。
授業の進め方・方法:
講義をもとに受講学生は要点をプリントでまとめていく形式を主体に、分子模型を使用してのグループ学習などを通じて、基本事項を修得し理解を深める。また各回の予習・復習課題をノートにして提出する。
注意点:
1年で履修する化学の内容があらかじめ必要な基礎知識となる。本科目は高専に入ってから初めて学ぶ有機化学、いわゆる「有機化学入門」であり、ここで学ぶ内容が有機化学2、生物化学1など今後の学習の土台になってくる。最初は暗記事項が多いが、各回の課題をきちんと行うことで体系的に学ぶようにしてほしい。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「④選択科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 有機化学概論 1
2週 有機化合物の結合と構造式の書き方 2
3週 炭化水素化合物の立体化学と一般的な命名法 2,5
4週 炭化水素(1)アルカンの構造と反応:置換反応 3
5週 炭化水素(2)アルケン・アルキンの構造と反応:付加反応 3
6週 炭化水素(3)芳香族の構造と反応:付加反応と置換反応 4
7週 中間試験
8週 官能基(1)アルコールとフェノール 6,7
4thQ
9週 官能基(2)アルデヒドとケトン:アルコールの酸化 6,7
10週 官能基(3)アミン、エーテル 6
11週 官能基(4)カルボン酸と関連化合物 6
12週 官能基(5)エステル:エステル化、アミド 6,8
13週 合成高分子化合物:縮重合と付加重合 8,9
14週 天然高分子化合物:糖・タンパク質 9
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4後1
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4後3,後8,後9,後10,後11,後12
σ結合とπ結合について説明できる。4後4,後5,後6
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4後2
共鳴構造について説明できる。4後6
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4後3,後4,後5,後6
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4後3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4後4,後5
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4後2
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4後8,後9,後10,後11,後12
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4後8,後9,後10,後11,後12,後14
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4後13,後14
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4後13,後14

評価割合

試験課題提出物相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合603001000100
基礎的能力0000000
専門的能力603001000100
分野横断的能力0000000