1. 分析化学分野、生物分野の実験における安全の基本的知識を身につけ、注意して実験できること。
2. 分析化学実験で用いる器具の名称が分かり、取り扱いができること。
3. 溶液のモル濃度、質量パーセント濃度、比重、希釈についての基本的な計算ができること。
4. るつぼやガラスフィルターを用いて質量分析の操作ができ、目的物質の純度、含有率の理論値や実験値を求められること。
5. 中和滴定、酸化還元滴定、キレート滴定などの操作ができ、その結果から目的物質の濃度を求められること。
6. 生物実験における基本的な用語が説明でき、酵素や微生物の基本的な取り扱いができること。
7. 実験ノートおよびレポートの書き方を身につけること。
概要:
実験テーマ毎に実験目的と解説、実技、レポート提出を行い、分析器具の使い方(安全性や廃液処理も含めて)を体得するとともに、定量分析(重量分析、容量分析)の理論を理解することを目的とする。また微生物の培養に関する基本的な実験に加え、微生物の持つ能力や酵素についても実験を行い、微生物や酵素に関する扱い方や性質を理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
実験室で、まず、実験内容の説明と実施方法、及び注意点を解説し、実験は、各個人で行う。レポートについては、確認後、各個人に対して改善点等を指導する。
注意点:
高専では、将来、実践的技術者として活躍するために、実験は最も重要な科目と位置づけている。そのため何を目的に実験するのかをしっかりと意識して実験するとともに、測定結果や観測結果を解析できる能力を身につけて欲しい。後期の生物に関する実験では微生物や酵素の取り扱い方などの基本操作を学ぶのでしっかりと身につけてほしい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
分析化学実験の説明と準備及び安全教育 |
1,3
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2週 |
濃度計算の演習質量分析実験についての講義および演習 |
2,3
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3週 |
硫酸銅中の結晶水の定量 |
4,7
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4週 |
みょうばん中のアルミニウムの定量 |
4,7
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5週 |
ニッケルの定量、みょうばん中のアルミニウムの定量 |
4,7
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6週 |
ニッケルの定量、みょうばん中のアルミニウムの定量 |
4,7
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7週 |
質量分析実験の復習演習 |
1,2,3,4
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験返却と解説。容量分析実験(中和反応)の説明および演習、容量分析実験(中和反応)の準備および練習実験 |
5,7
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10週 |
炭酸ナトリウム標準溶液の調製および塩酸溶液の濃度標定 |
5,7
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11週 |
水酸化ナトリウム溶液の濃度標定 |
5,7
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12週 |
硫酸の純度測定 |
5,7
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13週 |
食酢中の酢酸の定量 |
5,7
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14週 |
ソーダ灰の定量(二段滴定)、片づけ |
5,7
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験返却と解説。容量分析実験(酸化還元反応)の説明および演習。 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
過マンガン酸カリウム標準溶液の調整(溶液作成) |
5,7
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2週 |
過マンガン酸カリウム標準溶液の調整(濃度標定)。硫酸アンモニウム鉄(II)中の鉄の定量 |
5,7
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3週 |
化学的酸素消費量(COD) |
5,7
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4週 |
過酸化水素水の定量、ヨウ素標準溶液の調製(溶液作成) |
5,7
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5週 |
ヨウ素標準溶液の調製(濃度標定)、亜硫酸ナトリウム中の亜硫酸の定量 |
5,7
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6週 |
塩素の定量、銀廃液からの銀の回収 |
5,7
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7週 |
容量分析実験(キレート滴定)の説明と演習。硫酸マグネシウム中のマグネシウムの定量(キレート滴定)、片づけ |
5,7
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験返却と解説。生物実験に関する講義 |
1,6
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10週 |
空気中・土壌中あるいは手に付着している微生物群の検出 |
6,7
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11週 |
菌の単離及び増殖試験 |
6,7
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12週 |
酵母の物質代謝 |
6,7
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13週 |
アミラーゼを用いた酵素反応(pHの影響) |
6,7
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14週 |
アミラーゼを用いた酵素反応(温度の影響)、片づけ |
6,7
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験返却と解説。器具のチェック。大掃除 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。 | 4 | |