物理化学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学1
科目番号 140305 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 PEL物理化学 福地賢治 編著(実教出版)
担当教員 河村 秀男

到達目標

1.有効数字の考え方を理解し、数値に正しい単位をつけることができる。
2.熱力学で使用する基礎的な用語を説明することができる。
3.状態図とクラウジウスークラペイロンの式を説明することができる。
4. 1成分系の気液平衡において、クラペイロン‐クラウジウスの式を用いて蒸気圧や沸点を計算することができる。
5.ボイルの法則とシャルルの法則より、理想気体の状態方程式を導くことができる。
6.ドルトンの法則より、混合気体の分圧の計算ができる。
7.気体分子運動論を用いて、理想気体の圧力と平均速度の関係式を示すことができる。
8.理想気体と実在気体の違いを理解し、ファンデルワールスの状態方程式を示すことができる。
9.ファンデルワールスの状態方程式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を表すことができる。ビリアルの状態方程式を示すことができる。
10.2成分系の気液平衡におけるヘンリーの法則、ラウールの法則を説明することができる。
11.束一的性質について説明でき、具体例を挙げることができる。
12.圧平衡定数と濃度平衡定数について説明することができる。
13.ルシャトリエの原理を用いて、濃度、圧力、温度の変化に伴う平衡の移動について説明することができる。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有効数字の計算法を理解し、指定された桁数において数値を求めることができる。数値に異なった表し方で正しい単位をつけることができる。有効数字を考慮して数値計算することができる。数値に正しい単位をつけることができる。有効数字を考慮して数値計算することができない。数値に正しい単位をつけることができない。
評価項目2熱力学で使用する基礎的な用語を式を使って説明することができる。熱力学で使用する基礎的な用語を説明することができる。熱力学で使用する基礎的な用語を説明することができない。
評価項目3状態図と関連づけてクラウジウスークラペイロンの式を説明することができる。状態図とクラウジウスークラペイロンの式を説明することができる。状態図とクラウジウスークラペイロンの式を説明することができない。
評価項目42成分系の気液相平衡について、クラペイロン‐クラウジウスの式を用いて蒸気圧と沸点、外圧と凝固点の関係を説明でき、これらの数値を計算することができる。2成分系の気液相平衡について、クラペイロン‐クラウジウスの式を用いて、蒸気圧や沸点を計算することができる。2成分系の気液相平衡について、クラペイロン‐クラウジウスの式を用いて、蒸気圧や沸点を計算することができない。
評価項目5ボイルの法則とシャルルの法則にアボガドロの原理を組み合わせることで、気体定数を表すことができる。ボイルの法則とシャルルの法則より、理想気体の状態方程式を導くことができる。ボイルの法則とシャルルの法則より、理想気体の状態方程式を導くことができない。
評価項目6圧力とドルトンの法則より、混合気体の分圧の計算ができ、分圧について説明できる。ドルトンの法則より、混合気体の分圧の計算ができる。ドルトンの法則より、混合気体の分圧の計算ができない。
評価項目7圧力と分子の平均速度の関係式を導き、根平均二乗速度を求めることができる。マクスウェル-ボルツマンの速度分布式を用いて、平均速度、最大速度を求めることができる。気体分子運動論を用いて、圧力と分子の平均速度の関係式を示し、根平均二乗速度を求めることができる。圧力と分子の平均速度の関係から根平均二乗速度を求めることができない。
評価項目8理想気体と実在気体の違いを説明できる。ファンデルワースルの状態式を導くことができる。 理想気体と実在気体の違いを説明できる。ファンデルワールスの状態式を示すことができる。理想気体と実在気体の違いを説明できない。ファンデルワールスの状態式を示すことができない。
評価項目9ファンデルワールスの状態式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を与える式を導くことができる。ビリアルの状態式を導くことができる。ファンデルワールスの状態式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を表すことができる。ビリアルの状態式を示すことができる。ファンデルワールスの状態式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を表すことができない。ビリアルの状態式を示すことができない。
評価項目102成分系の気液相平衡について、ラウールの法則やヘンリーの法則を導き、液相、気相の組成を計算することができる。2成分系の気液相平衡について、ラウールの法則やヘンリーの法則より液相、気相の組成を計算することができる。2成分系の気液相平衡について、ラウールの法則やヘンリーの法則より液相、気相の組成を計算することができない。
評価項目11束一的性質と具体例について説明することができる。束一的性質について説明でき、具体例を挙げることができる。束一的性質について説明できず、具体例を挙げることができない。
評価項目12気相反応について、理想気体の状態方程式を用いて圧平衡定数と濃度平衡定数を与える式を導き、平衡定数を求めることができる。与えられた反応について、圧平衡定数と濃度平衡定数を求めることができる。与えられた反応について、圧平衡定数と濃度平衡定数を求めることができない。
評価項目13与えられた反応について、ルシャトリエの原理を用いて、濃度、圧力、温度の変化に伴う平衡の移動を説明できる。平衡における組成を計算し、ルシャトリエの原理が成り立つことを示すことができる。与えられた反応について、ルシャトリエの原理を用いて、濃度、圧力、温度の変化に伴う平衡の移動を説明できる。与えられた反応について、ルシャトリエの原理を用いて、濃度、圧力、温度の変化に伴う平衡の移動を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
気体と液体の性質を中心に取り上げる。これらの性質を原子、分子の立場から解説することにより、気体や液体の化学的、物理的現象を分子レベルでイメージできるようになることを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書と関連したプリントによって授業を進める。必要に応じてレポートの提出や小テストをおこない、理解度を確認しながら授業を進める。
注意点:
授業内容の多くはすでに化学1と化学2で学習していいますが、結果を覚えることよりも、なぜそうなるのかを考えることが大切です。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有効数字 1
2週 単位と記号 1
3週 物質、現象のとらえ方、基礎的用語1(系、状態量) 2
4週 基礎用語2(圧力、熱と熱容量、仕事、エネルギー) 2
5週 物質の三態と状態図  3
6週 クラウジウスークラペイロンの式  3,4
7週 中間試験 1,2,3,4
8週 中間試験の返却、解答と解説  1,2,3,4
2ndQ
9週 理想気体と理想気体の諸法則(ボイルの法則、シャルルの法則、アボガドロの原理)、理想気体の状態方程式  5
10週 理想混合気体とドルトンの法則 6
11週 気体分子運動論 7
12週 分子の平均速度と速度分布(マクスウェルーボルツマンの速度分布式)  7
13週 確率分布関数(最大確率速度、根平均2乗速度、平均速度) 7
14週 衝突頻度と平均自由行程  7
15週 期末試験 5,6,7
16週 期末試験の返却、解説と解答  5,6,7
後期
3rdQ
1週 実在気体の状態方程式(ファンデルワースルの状態方程式) 8
2週 臨界点とファンデルワースル定数 9
3週 実在気体の状態方程式(ビリアル状態方程式) 9
4週 2成分系の気液相平衡(ラウールの法則) 10
5週 2成分系の気液相平衡(ヘンリーの法則) 10
6週 水蒸気蒸留 10
7週 中間試験 8,9,10
8週 中間試験の返却、解説と解答  8,9,10
4thQ
9週 溶液の束一的性質(蒸気圧降下、沸点上昇) 11
10週 溶液の束一的性質(凝固点降下) 11
11週 溶液の束一的性質(浸透圧) 11
12週 化学平衡と質量作用の法則  12
13週 ルシャトリエの原理(濃度と圧力の変化) 13
14週 ルシャトリエの原理(温度変化)
13
15週 期末試験 11,12,13
16週 期末試験の返却、解説と解答  11,12,13

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前9
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前11
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4後1
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4後2
混合気体の分圧の計算ができる。4前10,後4
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前5
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4前6
束一的性質を説明できる。4後10,後11
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4後9
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4後10,後11
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4後12
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他小テスト課題合計
総合評価割合80000001010100
基礎的能力000000000
専門的能力80000001010100
分野横断的能力000000000