分析化学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 分析化学
科目番号 140306 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎 分析化学 [新訂版]  宗林 由樹・向井 浩 共著  (サイエンス社)
担当教員 大村 聡

到達目標

1. モルの概念が理解できること。
2. モル濃度やモル分率などの濃度計算ができること。
3. 均一系の平衡の概念を理解し、質量作用の法則を適用した展開ができること。
4. pHの概念を理解し、その計算ができること。
5. 各種平衡定数(水のイオン積、解離定数、溶解度積など)を理解し、その定数を使った計算ができること。
6. 酸化還元平衡の概念を理解し、電気分解反応や電極反応への応用ができること。
7. 各種滴定(中和、沈殿、酸化還元、キレート)を理解し、定量計算ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1原子量表から物質量(モル数)の計算ができる。元素の周期表の見方を理解し、物質の価数や元素の当量の関連性を理解し、その計算できる。原子量表から物質量(モル数)の計算ができる。元素の周期表から元素の当量が計算できる。原子量表から物質量(モル数)の計算ができない。元素の周期表から元素の当量が計算できない。
到達目標2モル濃度やモル分率などの濃度計算ができる。密度(比重)を用いて質量%濃度とモル濃度の換算ができる。質量モル濃度の計算もできる。モル濃度やモル分率などの濃度計算ができる。モル濃度やモル分率などの濃度計算ができない。
到達目標3解離定数(K)と電離度(α)と濃度(C)の関係式(Ostwaldの希釈律)が誘導でき、その計算ができる。解離定数(K)と電離度(α)と濃度(C)の関係式を用いて、弱酸・弱塩基の濃度計算ができる。解離定数(K)と電離度(α)と濃度(C)の関係式を用いて、弱酸・弱塩基の濃度計算ができない。
到達目標41価の酸・塩基、また、その塩の水溶液のpHが計算できる。2価以上の酸・塩基・塩の水溶液のpHも計算できる。1価の酸・塩基、また、その塩の水溶液のpHが計算できる。1価の酸・塩基、また、その塩の水溶液のpHが計算できない。
到達目標51価の酸・塩基、また、その塩の水溶液のpHが計算できる。2価以上の酸・塩基・塩の水溶液のpHも計算できる。各種平衡定数(水のイオン積、解離定数、溶解度積など)を理解し、その定数を使った計算ができる。特に、難溶性塩の溶解度に及ぼすpHの影響の説明ができる。各種平衡定数(水のイオン積、解離定数、溶解度積など)を理解し、その定数を使った計算ができる。各種平衡定数(水のイオン積、解離定数、溶解度積など)を理解し、その定数を使った計算ができない。
到達目標6酸化数の概念が説明でき、酸化還元滴定の計算ができる。電気分解における陽極・陰極の電極反応式が説明でき、直列・並列の電解槽においてFaradayの法則を用いた計算ができる。酸化数の概念が説明でき、酸化還元滴定の計算ができる。電気分解においてFaradayの法則を用いた計算ができる。酸化数の概念が説明できない。酸化還元滴定の計算もできない。また、電気分解においてFaradayの法則を用いた計算ができない。
到達目標7各種滴定(中和、沈殿、酸化還元、キレート)を理解し、定量計算ができる。また、各滴定曲線の概形も説明でき、必要な指示薬の設定も説明できる。各種滴定(中和、沈殿、酸化還元、キレート)を理解し、定量計算ができる。各種滴定(中和、沈殿、酸化還元、キレート)を理解し、定量計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学の基礎である モルと濃度 を熟知した上で、化学平衡とは何かを理解する。均一系平衡では、酸・塩基と酸化・還元を例として、また、不均一系平衡では 固-液平衡を取り上げる。2年生で受講した分析化学実験の内容を多く取り入れた講義を行うことにより、定量分析の理論を理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書をもとに、各授業において配布するプリントに沿って授業をおこなう。各授業における重要な点や理解度を確認させる目的で、適時、演習問題を課題とする。
注意点:
化学1,2で学習した基礎知識(化学式、モル、濃度計算、周期表の見方、など)を事前、あるいは授業初期の段階でしっかりと身につけておくことが必須である。不足を感じる場合は、自習することを強くすすめる。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原子量、分子量、モル、濃度の表示法 1,2
2週 酸、塩基、塩 2
3週 化学平衡と解離定数 2,3
4週 強酸、強塩基のpH 4
5週 弱酸、弱塩基のpHと電離度 4
6週 試験範囲の内容の再解説と演習 1,2,3,4
7週 中間試験
8週 試験返却と解説
2ndQ
9週 弱酸、弱塩基の塩のpH 4
10週 緩衝溶液 4
11週 多塩基酸のpH 4
12週 中和滴定:滴定曲線 7
13週 中和滴定:逐次滴定 7
14週 試験範囲の内容の再解説と演習 1,2,3,4,7
15週 期末試験
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 錯生成反応 3,5
2週 キレート滴定 7
3週 難溶性塩の溶解度と溶解度積 5
4週 溶解度におけるpHの影響 5
5週 沈殿滴定 7
6週 試験範囲の内容の再解説と演習 3,5,7
7週 中間試験
8週 試験返却と解説
4thQ
9週 酸化数、酸化還元反応 6
10週 電極反応と電池 6
11週 酸化還元電位 6
12週 ネルンストの式 5,6
13週 酸化還元滴定 6,7
14週 試験範囲の内容の再解説と演習 5,6,7
15週 期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4前2,前3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4後3,後4,後5,後6
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4後3,後4,後6
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前9,前11,前14
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4前4,前5,前6,前9,前11,前14
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4前10,前14
錯体の生成について説明できる。4後1,後2,後6
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4前1,前6,前12,前13,前14,後9,後11,後12,後14
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4前12,前13,前14
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4後10,後11,後12,後13,後14
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4後2,後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000002050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000