生物化学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物化学1
科目番号 140307 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書 生化学  露木英男 編著  (共立出版)  参考書 コーン・スタンプ生化学  田宮信雄、八木達彦 訳  (東京化学同人)地球にやさしい化学  寺田弘 他著  (化学同人) など
担当教員 牛尾 一利

到達目標

1.各種の生物に関して基礎的な説明ができること
2.生体構成物質のうち、カルボン酸、アミノ酸、タンパク質、糖、油脂、リン脂質、核酸、ビタミン、ミネラル等に関して基礎的な説明ができること
3.生体内で起こる反応のうち、特にトリカルボン酸回路とオルニチン回路について説明できること
4.生物にとっての栄養と、その消化吸収について説明できること
5.栄養の消化吸収・代謝に関わる主要な臓器、すなわち、胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関して説明できること
6.いくつかの重要酵素反応につき説明できること
7.血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき説明できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的なウイルス、細菌、原生生物について、より詳しい特徴的性質や応用について解説できる代表的なウイルス、細菌、原生生物について、特徴的性質や応用について解説できる代表的なウイルス、細菌、原生生物について、特徴的性質や応用について解説できない
評価項目2基本的な生体構成物質に関して代表例については化学式を書いてより詳しい説明ができる基本的な生体構成物質に関して基礎的な説明ができる基本的な生体構成物質に関して基礎的な説明ができない
評価項目3 トリカルボン酸回路とオルニチン回路について化学式を使いながら説明できる トリカルボン酸回路とオルニチン回路について説明できるトリカルボン酸回路とオルニチン回路について説明できない
評価項目4生物にとっての栄養と、その消化吸収についてより詳しく説明できる生物にとっての栄養と、その消化吸収について概略を説明できる生物にとっての栄養と、その消化吸収について概略を説明できない
評価項目5胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関して、関連化合物にもしっかり言及しながらその働きの概略を説明できる胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関してその働きの概略を説明できる胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関してその働きの概略を説明できない
評価項目6いくつかの重要酵素反応につき化学反応式を交えて説明できるいくつかの重要酵素反応につき概略を言葉で説明できるいくつかの重要酵素反応につき概略を言葉で説明できない
評価項目7 血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき詳しく説明できる 血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき概略を説明できる血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき説明できない

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
まず、生物を構成する化学物質につき、それらの構造や働きについての概略的知識を習得する。また生命物質及び生命の誕生と進化、さらには生物・生体構成物質と化学物質や紫外線等との相互作用の学習を行い、生物の化学的基礎と地球環境問題理解への基礎を固める。
授業の進め方・方法:
講義形式
注意点:
今日、環境を保全しながらのよりよき世界への発展が人類にとって不可避の課題となっている。この状況をふまえ、特に技術者は地球史的観点から生物に対する正しい理解を持っておくことが必要である。 短い講義であるが生物化学の基本事項学習を通して、生物に対する理解をの深め、同時に、持続可能な社会の構築を実現するための思考力、モラルと責任を自覚する能力等を身につけてもらえるよう切望する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生物化学入門(生体構成物質概論) 2
2週 生物の多様性1 1
3週 生物の多様性2 1
4週 アミノ酸とペプチド・タンパク質 2
5週 生物に重要なカルボン酸とTCA回路、及びそのアミノ酸とのつながり 3
6週 アミノ酸と生命(オルニチン回路等) 3
7週 栄養と吸収・代謝(糖質・脂質・タンパク質) 4
8週 中間試験
4thQ
9週 酵素やホルモンの働き(消化・吸収における胃、小腸、すい臓等の働きを中心に) 5
10週 酵素反応の集積地・肝臓の働き。胆嚢とその働き 6,7
11週 すい臓や副腎からのホルモン等による血糖値の調節 6,7
12週 ビタミンの役割1 2,6
13週 ビタミンの役割2 2,6
14週 ミネラルの役割 4,6
15週 複素環芳香族の化学と遺伝子物質 2
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。2
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。2
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。2
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。1
脂質の機能を複数あげることができる。1
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。2
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。1
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。1
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。2
ヌクレオチドの構造を説明できる。1
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。1
解糖系の概要を説明できる。1
クエン酸回路の概要を説明できる。2
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力300000030
分野横断的能力100000010