生物化学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物化学1
科目番号 140307 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 マクマリー生物有機化学[生化学編] 原書8版 単行本(ソフトカバー) – 2018/1/9、配布プリント
担当教員 田頭 歩佳

到達目標

1.生体構成物質のうち、炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質、核酸、ビタミン、ミネラル等に関して基礎的な説明ができる。
2.代謝(解糖系、TCA回路、電子伝達系、オルニチン回路等)について説明できる。
3.栄養の消化吸収・代謝に関わる主要な臓器、すなわち、胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関して説明できる。
4.いくつかの重要酵素反応につき説明できる。
5.血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基本的な生体構成物質に関して代表例については化学式を書いてより詳しい説明ができる。基本的な生体構成物質に関して基礎的な説明ができる。基本的な生体構成物質に関して基礎的な説明ができない。
評価項目2 代謝(解糖系、TCA回路、電子伝達系、オルニチン回路等)について、図示化等をしながら具体的に説明できる。 代謝(解糖系、TCA回路、電子伝達系、オルニチン回路等)について説明できる。 代謝(解糖系、TCA回路、電子伝達系、オルニチン回路等)について説明できない。
評価項目3胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関して、関連化合物にもしっかり言及しながらその働きの概略を説明できる。胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関してその働きの概略を説明できる。胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関してその働きの概略を説明できない。
評価項目4いくつかの重要酵素反応につき、図示化等により具体的に説明できる。いくつかの重要酵素反応につき概略を言葉で説明できる。いくつかの重要酵素反応につき概略を言葉で説明できない。
評価項目5 血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき詳しく説明できる 。血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき概略を説明できる。血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では、生体を構成する物質の構造や性質、身体に取り入れた物質の「分解→吸収→利用→排泄」といった生体内での流れを学習する。これらを学習することにより、私たちの身体においてどのような現象が起こっているのかをイメージできるようになることを目的とする。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式により授業を行い、定期テスト、小テスト、発表等により評価する。
注意点:
授業開始時に、前回の授業の小テストを行うため、必ず復習をしておくこと。
覚える内容の多い科目であるが、自身の身体に関係することや日常に耳にすることのある語句に関連する内容が多いため、ただ単に暗記するのではなく、日常の事柄と関連付けながら覚えることが望ましい。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③ 選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、炭水化物 1 (単糖、多糖、グリコシド結合 等)
2週 タンパク質①(アミノ酸) 1 (タンパク質、ペプチド、アミノ酸)
3週 タンパク質②(ペプチド結合) 1 (ペプチド結合、2次構造、3次構造、4次構造、変性 等)
4週 脂質 1 (脂質、脂肪酸、リン脂質等)
5週 代謝①(解糖系・TCA回路・電子伝達系) 2 (解糖系、TCA回路、電子伝達系 等)
6週 代謝②(オルニチン回路 等) 2 (オルニチン回路、アミノ酸 等)
7週 中間試験
8週 消化①(消化・吸収における胃、小腸のはたらき) 3 (消化器系のはたらき 等)
4thQ
9週 消化②(肝臓・膵臓・胆のうのはたらき) 3,4 (酵素のはたらき、薬物代謝 等)
10週 生体の恒常性①(自律神経系・ホルモン) 5 (交感神経、副交感神経、ホルモン 等)
11週 生体の恒常性②(血糖値・体温調節 等) 5 (血糖値、体温調節 等)
12週 遺伝子物質 3 (DNA、RNA、半保存的複製等)
13週 ビタミンの役割 1,4 (水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン 等)
14週 ミネラルの役割 1 (主要ビタミン、微量ビタミン 等)
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4後5,後6
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4後5,後6,後8,後9,後13
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4後12
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後12
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4後10,後11
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3後1,後2,後3,後8,後9
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3後3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4後1
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3後1
グリコシド結合を説明できる。3後1
多糖の例を説明できる。3後1
脂質の機能を複数あげることができる。4後4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4後4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4後2,後8,後9,後10
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3後2
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4後3
タンパク質の高次構造について説明できる。3後3
ヌクレオチドの構造を説明できる。4後12
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後12
DNAの半保存的複製を説明できる。4後12
RNAの種類と働きを列記できる。4後12
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後12
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後9,後13,後14
解糖系の概要を説明できる。4後5,後6
クエン酸回路の概要を説明できる。4後5,後6
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後5,後6
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後5,後6

評価割合

試験小テスト発表・課題合計
総合評価割合702010100
基礎的能力205025
専門的能力40151065
分野横断的能力100010