生物応用化学実験2

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物応用化学実験2
科目番号 140309 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 生物応用化学実験2実験書  新居浜高専・生物応用化学科 編集、グループ科学実験の手引き  新居浜高専・生物応用化学科 編集、実験を安全に行うために  (化学同人)、続・実験を安全に行うために  (化学同人)
担当教員 間淵 通昭,堤 主計

到達目標

1.有機化学実験における安全の基本的知識を身につけ、注意して試薬・実験器具の取り扱いができること
2.有機化学実験のための、蒸留装置、還流装置、攪拌装置の組立てができること
3.有機化学実験に必要な試薬を調製し、目的の有機化合物が合成できること
4.実験方法、実験結果、考察をレポートにまとめ、説明ができること
5.グループ科学実験では、独自のアイデアを提案し、限定された条件下でそのアイデアを実現したものづくりができること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化学実験における安全の基本的知識の意味を説明でき、注意して試薬・実験器具の取り扱いができる。有機化学実験における安全の基本的知識を身につけ、注意して試薬・実験器具の取り扱いができる。有機化学実験における安全の基本的知識が身につかず、注意して試薬・実験器具の取り扱いができない。
評価項目2有機化学実験のための、蒸留装置、還流装置、攪拌装置の組立てができ、各構成器具の役割を説明できる。有機化学実験のための、蒸留装置、還流装置、攪拌装置の組立てができる。有機化学実験のための、蒸留装置、還流装置、攪拌装置の組立てができない。
評価項目3有機化学実験に必要な試薬を調製し、目的の有機化合物が合成でき、各操作の意味を説明できる。有機化学実験に必要な試薬を調製し、目的の有機化合物が合成できる。有機化学実験に必要な試薬が調製できず、目的の有機化合物が合成できない。
評価項目4実験方法、実験結果、考察をレポート形式に整えて、期限までに提出できる。実験結果を自分の言葉で説明できる。実験方法、実験結果、考察をレポート形式に整えて、期限までに提出できる。実験結果を教員とのやり取りを通して説明できる。実験方法、実験結果、考察をレポート形式に整えて、期限までに提出できない。実験結果を教員とのやり取りを通しても説明できない。
評価項目5グループ科学実験で独自のアイデアを提案し、条件に適合した優れた作品をつくることができる。グループ科学実験で独自のアイデアを提案し、条件に適合した作品をつくることができる。グループ科学実験で独自のアイデアを提案できず、作品をつくることができない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる
問題解決能力・自己向上力 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は、基本的な有機化学物の合成と分析の実習を通じて、実験に関する技術を習得するとともに、有機化学に関する知識を身に付けることを目標とする。同時に、身の回りにある材料や環境にやさしい物質を扱うことにより、環境保全・安全や技術者倫理についての認識を深める。また、レポート作成や発表会を通じて表現力・プレゼンテーション能力も養う。後期後半には、1グループ4名で取組む競技形式のグループ科学実験を行い、企画立案能力、問題解決能力を養う。
授業の進め方・方法:
第1週 ガイダンス、班分け
第2週~第26週 <有機化学実験>
以下5テーマの実験実習と発表会(2回)、テーマごとの小テスト
 1.アルコールからのオレフィンの合成とそれらのNMRによる分析
 2.香気の収集並びに酢酸エチルの合成
 3.染料の合成と染色並びに微生物による染料の分解
 4.ニトロベンゼンの合成と酢酸ビニルの乳化重合
 5.牛乳からのプラスチックの合成と生分解性ポリマーの化学的および酵素による生化学的加水分解
第27~第30週 <グループ科学実験>
注意点:
器具や薬品の取り扱いを熟知し、白衣、保護眼鏡を着用するなど安全面に十分に配慮すること。自分の手を動かし、よく観察し、現象を考えることを通じて、実験技術を体得するとともに授業で学んだ有機化学をよりよく理解し、その面白さを実感してほしい。また、レポートや発表会では、「調べて、自分の頭でよく理解して、わかりやすくまとめる」こと。グループ科学実験では、各自のアイデアをもとにグループで協力して実現可能な計画にまとめ、試行錯誤しながら、与えられた課題を達成してほしい。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「①必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、班分け
2週 実験1巡目(1) 1,2,3
3週 実験1巡目(2) 1,2,3
4週 実験1巡目(3) 1,2,3
5週 レポート作成指導 4
6週 小テスト、レポート指導 4
7週 実験2巡目(1) 1,2,3
8週 実験2巡目(2) 1,2,3
2ndQ
9週 実験2巡目(3) 1,2,3
10週 小テスト、レポート指導 4
11週 実験3巡目(1) 1,2,3
12週 実験3巡目(2) 1,2,3
13週 実験3巡目(3) 1,2,3
14週 小テスト、レポート指導 4
15週 発表会(1)
16週
後期
3rdQ
1週 実験4巡目(1) 1,2,3
2週 実験4巡目(2) 1,2,3
3週 実験4巡目(3) 1,2,3
4週 小テスト、レポート指導 4
5週 実験5巡目(1) 1,2,3
6週 実験5巡目(2) 1,2,3
7週 実験5巡目(3) 1,2,3
8週 小テスト、レポート指導 4
4thQ
9週 発表会(2)
10週 グループ科学実験(1) 5
11週 グループ科学実験(2) 5
12週 グループ科学実験(3) 5
13週 グループ科学実験(4) 5
14週 グループ科学実験発表会準備 4
15週 グループ科学実験発表会
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4
蒸留による精製ができる。4
吸引ろ過ができる。4
再結晶による精製ができる。4
分液漏斗による抽出ができる。4
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4
収率の計算ができる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3

評価割合

レポート小テスト発表会実験報告書グループ科学実験受講態度合計
総合評価割合302010102010100
基礎的能力0000000
専門的能力302001001070
分野横断的能力0010020030